【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

【開催報告】福岡acad.建築の勉強会:第1回建築の歴史

Meet Me at Art の最初の勉強会を無事開催することができました!

【福岡acad. 建築の勉強会シリーズ 第1回 建築の歴史】講師は株式会社藤井設計室・藤井昌宏氏。このブログでも何度かご紹介していた「お酒を呑みながら建築のお勉強」を、より多くの方と共有しようという試みです。お酒は飲みませんが。

初めての開催で、まずは「告知」が一番の課題であったのですが、結果として会場の部屋のサイズに程良い人数となりました。和気あいあいとした雰囲気で開催出来たと思います。

反省点は、時間配分を上手にできなかったこと。受付から終了まで、3時間半に及ぶ内容でしたが、それでも時間が足りませんでした。皆さんとの交流・意見交換の時間を30分は確保したいと思っていながら、うまく進行することができなかったのは、わたしの未熟故。次回は時間配分をもう少し考えます。

講師の藤井さん、キレッキレのトークでした。「お酒を呑みながら‥」のときからさらに内容がブラッシュアップされ、一度話を聞いたことがあるはずの面々(わたしやダンナ)も、また新たな視点を得ました。「建築の勉強会」というタイトルの枠に収まらず、建築の歴史を軸とした、哲学的な思索の場に高まっていたように思います。

今回の勉強会を受けて、わたしのなかで宿題になったのは下記のようなことでした。

  • 「なぜ」。なぜここにあるのか?なぜこんな形なのか?
  • もとの意味は分からなくなっても、形だけは残っている。
  • 「バランスの良いもの」が残っている。
  • どこが「バランスの良さ」なのか?
  • 「残そう」という意図。
  • 後世に残るものをつくれるか?
  • 何を残し伝えることができるか?
  • 余力・余剰・合理性

終了後のアンケートでは、ほとんどの方が、今後予定しているプログラムにも参加したいと意思表明してくださり、とても心強く思いました。

当日ご参加くださいました皆さま、運営面でお手伝いくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました!

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(後編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(後編)

福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか。

以下備忘。


わたし自身は「つくる人」ではありませんが、「つくる人」をずっと見続けてわかってきたのは、「過剰もできる」うえで「削ぎ落す」ことの大切さ、難しさ。もっともセンスとバランスが問われる部分だと感じます。

平面にしても立体にしても「いかに空間を把握するか」を鍛えることが、そのセンスを養うことになるのかな、と。この勉強会で一緒に訓練していきたいと思います。


日本の古い木造建築も、観るべき部分がたくさんあります。私の住んでいるここ津屋崎も、素晴らしい古い木造建築の残っているエリアではありますが、残念かな「町並み」として成立しているとは言い難く。

国内外問わず、古きよきものを残すことができているところと、できていないところ。なにが違うのだろうと考えたときに、微力でも自分たちに出来ることがあるならば、やりたいと思うのです。この勉強会も、そのひとつになればと。


童話や逸話や小説など「お話」のなかに登場する空間を実際に目にすると、ストーリーのイメージがますます膨らんだり、これまでのイメージがガラッと変わったり、いろんなことが自分のなかで起こります。

文字情報と視覚情報。勉強会では、それぞれがものの見方に与える影響を体感しつつ考える機会にもなると思います。


博物館学芸員の実習のなかで、人は町並みや建物に無意識に「自分のルーツ」を探すというようなことを学びました。そこに自分のルーツ=つながりを感じることで、心に安定をもたらすことができます。

学校では学べない建築の話を、広がりをもって学ぶことができるのが、この勉強会の魅力になると思います♪


エジプト・ルクソール。明らかに自然の岩の存在感とシンプルな構成の建物を対比させようという意図が見えるこの建築物は、葬祭殿として建てられたものだそうです。

近代以降は、アートも建築も、出来上がった時点から作者の手を離れ、作者の意図に関係なくそれぞれの受け手(市民)の解釈に委ねられます。伝えたい意図があるときに、それをセンス良く表現できるかどうかもまた、作者の腕の見せ所。


モリスといえば、壁紙!そしてアーツアンドクラフツ運動!

アートなのかデザインなのか工芸なのか!?という議論は今でもときどきありますね。個人的にはたしかに「工芸の地位はもっと上がっていい」とも思いつつ、正直なところ「なんでもいいじゃん」とも思います。言葉でどんな区分けをしたってそのモノ自体は変わらない、と。便宜上、意図的に言葉を使い分けることはもちろんありますが。

この勉強会で学ぶことは、そんなことを考え直すきっかけにもなるはずです。


藤井さんのFBページで写真を見ていると、自分が心惹かれる傾向があることがわかります。それぞれの写真の、何がそんなに自分の心を引っ張るのか。この勉強会ではそんなことも自問しながら取り組むと面白いだろうなと思います。


第2回目以降の勉強会も、わたし自身が一番楽しみにしているところです。

 

 

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

福岡acad.建築の勉強会にあたって(前編)

皆さんに告知するにあたり、福岡acad.で開催する勉強会の特長をどう伝えたらより伝わるか、ということを考えました。難しいですね。伝えることができたかどうかは、正直かなり怪しいところですが、伝えようとしたことで、自分自身にとっての、この勉強会の特長がとても明確になりました。

以下、備忘。


その地理的・歴史的背景を知ると「社会が建築をつくる」ことが実感として見えてきます。この言葉は「社会が芸術をつくる」「社会がデザインをつくる」とも置き換えられるのではないでしょうか。

藤井さんが実際に現地を歩き見てきたことが、どのようにその後のアーティスティックな仕事の基盤となって生かされているのか、その一端を垣間見ることができるのは、とても興味深いことです。


解説を聞きながら歴史を辿って建築物を眺めると、建築と芸術とは境界線の無いものであったのだと、あらためて思い至ります。また、時代時代に現れたものが、現代まで連続的につながっていることがわかります。

現代の自分たちの仕事は歴史の文脈のなかでどう語ることができるのか、この勉強会を通してイメージを膨らませましょう(^^)


建築を含んだ風景写真。「きれいだなぁ」「すごいなぁ」「行ってみたいなぁ」から、さらにどこまで踏み込むことができるか。踏み込む方向は人ぞれぞれだと思いますが、藤井さんの解説は、その踏み込みをサポートしてくれるものです。

藤井さんの撮って来られた写真を見ることは、わたしにとって「見る」力を鍛えることにつながっています。ぜひご一緒に「見る訓練」をしませんか。


「本歌取り」は日本文化のすぐれた一面でもありますが、真似ることから文化を発展させてきたのは、実は古今東西同様であると、建築の歴史を学ぶなかで見えてきました。建築しかり、工芸しかり、デザインしかり。ただここで肝要なのは、真似のその先。本家よりもっとよいものにすることですね。

そんなことも、勉強会で一緒に考えることができたら楽しいだろうな、と思っています。


神のための建築、王のための建築、富裕な人のための建築、普通の市民のための建築…。建築の歴史を眺めることは、その対象(誰のための)について考えることでもあり、わたしにとっては、西洋史や西洋美術史を解釈しようとするときの手掛かりにもなっています。

切り口は「建築」ですが、いろんなところにつながっていることを実感できる機会です。


昨年ロンドンに行ったとき、郊外に残る古代ローマ帝国時代に整備されたという街を歩く機会を得ました。藤井さんのスライドを見せていただいていたおかげで、体験が深まるのを実感しました。

実際に足を運んだときに何を見て感じるか。この勉強会はその体験をサポートするベースとなる素晴らしい機会だと思います。今後、海外視察をご予定している方にもおススメです!


尊敬している学芸員の齋正弘さんは、美術の「び」は「『びっくり』の、び」だとおっしゃいました。そう解釈すると、アートとか芸術はわからない!という人も、受け入れやすくなるかもしれないと。建築の歴史をふりかえることは、現代のわたしたちが価値を感じるものの基準がどう築かれてきたのかを考える大きなヒントになると思います。


後編につづく。

 

 

KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition, The Beauty of “Hizen Poecelain”

KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition at GINZA KURODA TOEN

ceramicartist kensuke_fujiyoshiJuly 14th – 19th, 2018

The Beauty of “Hizen Poecelain”, inheriting the porcelain craftsmanship known as “Old Imari”

柿右衛門調 藤吉憲典 藤吉憲典 染付波兎文7寸皿

藤吉憲典 染付鹿紅葉文7寸皿 藤吉憲典 魯山人写し

藤吉憲典 染付葡萄文菊型皿 藤吉憲典 染付祥瑞六角のぞき


I have no master teacher. The inherited “Hizen-toji” porcelain works which had been produced in the Edo period (1600’s-1800’s) are my teachers.

Unlike many other porcelain artist, one of my unique point is that I do all product processes myself. Porcelain products usually need several professional craftsman for each process. Fabricating with potter’s wheel, underglaze painting , overglaze painting and so on. As a result of doing all these processes myself, all my artwork has harmonious beauty.

I hope you enjoy my artwork in your everyday life.

Kensuke Fujiyoshi


KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition, The Beauty of “Hizen Poecelain”

July 14th – 19th, 2018

Ginza Kuroda Touen

7-8-6 Ginza, Chuo, Tokyo (Map)
Tel. +81-3-3571-3223
Open from 11am-7pm. Closed on Mondays.

 

 

 

ダンナ、上海初上陸。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

ダンナ、上海初上陸。

ほぼ10年来のおつきあいである料理人・佐々さんが、上海で和食のお店をオープンなさったので、お祝い訪問。店名の文字は、藤吉憲典が書きました。

初めてお会いした時はまだ10代でいらして、大阪で料理修業中。大阪での藤吉憲典の個展のたびに足を運んでくださっていたのでした。津屋崎にある花祭窯にもなんどもいらっしゃっています。独立するときのためにと、修業期間からこつこつと確かな道具を見極めて揃えて行くご様子は、勉強熱心という言葉では足りないほど。すごいなぁと、いつも感嘆していました。

佐々さんとお会いすると、こちらも中途半端はできないと、いつも以上に背筋が伸びるのです。そんな佐々さんの新店オープン。器をどんなふうに使ってくださっているのかも含めて、とても楽しみにしていた訪問でした。

今回はわたしは一緒に行けなかったので、ダンナにカメラを託し、帰国したところをすかさずチェック!が、見れども見れども出てくる写真は上海博物館蔵のお宝ばかり。佐々さんのお店の写真が1枚もありません。。。がっかりしましたが、考えてみれば食事の席でカメラを出さないのはいつものこと。これは「見たければ足を運べ!」ということですね。

というわけで、

南京路佐々さんのインスタはこちらです。
https://www.instagram.com/njlsassa0514/

 

初訪問、島田美術館。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

初訪問、島田美術館。

藤吉憲典の蕎麦猪口小皿豆皿展開催中の熊本SUNNY訪問に合わせて、「島田美術館」におじゃましてまいりました。

島田美術館は、古美術研究者であった島田真富翁の遺志により、故翁の旧宅跡地に建てられた美術館です。熊本の観光ルートからちょっぴり離れた住宅地にありますが、実際訪問してみると、熊本城の後方から歩いて20分弱と、お散歩に程好い距離。

写真はお屋敷の門構え。建物、庭の格好良さもGOODです。お目当ては開催中の展覧会

眺めて愛でるスモールワールド「掌中の江戸」展。

「小さきものは、みなうつくし」の世界とでもいいましょうか。可愛らしい道具がたくさん並んでいました。なかでもわたしが気に入ったのは「飯事(ままごと)道具」。磁器に染付の絵付が施された小さな飯事道具。お姫様の玩具だったのでしょうか、なんとも愛らしく贅沢を感じました。

熊本島田美術館

上の写真は、入場チケット。島田美術館は、宮本武蔵関連のコレクションで知られており、常設展示では宮本武蔵と細川ガラシャの関連資料を見ることができます。

 

藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展2018 行ってきました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展2018 行ってきました。

梅雨の晴れ間の青空のもと、熊本SUNNYで開催中の蕎麦猪口小皿豆皿展に、ご挨拶がてら行って参りました!

わたしが訪問したのは、二日目のランチ時間のオープンから。前日の晩=初日にいくつも購入なさったお客さまがあったということで、早くも棚の空きが目につき、ありがたく思いました。

もともと周年祭としてはじまったこの企画、今年は5周年=5回目とあり、毎年楽しみに少しづつ集めてくださる常連さんがいらっしゃるのが、とても嬉しいのです。

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY

ビストロ&カフェのSUNNYさん。お食事も飲み物ももちろんおいしいです♪この日はパスタランチをいただき、そのあとにデザートもいただきました。夜だったらオーナーの藤川さんが作ってくださるカクテルをいただきたいところでしたが。

濃厚なクリームブリュレと、

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY クリームブリュレ

イチジクが効いているフルーツタルト。

藤吉憲典蕎麦猪口小皿豆皿展 熊本SUNNY フルーツタルト

おいしいものと美しいもの、ぜひお楽しみくださいませ。


Bistro&Bar SUNNY

藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展

2016/6/23(土)-7/1(日)
※月曜定休
火・木・金・土:18時-26時
水・日:13時-16時、18時-26時

Bistro&Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL&FAX096-355-4188

花祭窯、22年目に入りました。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯、22年目に入りました。

うっかりしていましたが、6月9日は創業記念日でした。おかげさまで22年目に入りました。

日頃からさまざまなかたちで私たちをサポートをしてくださっているすべての方々に、心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございます。

柿右衛門様式(藤吉憲典)

藤吉憲典 サイ

染付牡丹唐草文酒器 藤吉憲典

「最も手にとりやすい芸術品」である「やきもの」は、造形的な美と、絵画的な美を兼ね備えながら、「庶民的な贅沢」を実現してくれるモノ。

これからも、日常生活に “わくわく”(高揚感) や ”ほっ”(安息) の時間・空間をもたらす贅沢を目指します。

 

ー肥前磁器の美ー銀座黒田陶苑。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

―肥前磁器の美-銀座黒田陶苑。

七月は銀座黒田陶苑さんで2回目の、藤吉憲典展。昨日到着した案内状を開いて、とっても嬉しくなりました。

そこにあったのは「-肥前磁器の美―」の文字。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典展

藤吉憲典のつくる器を形容する言葉として、これほどシンプルでありながら本質をついたタイトルは無いような気がします。

個展初日まで、あとひと月。どうぞご期待くださいね。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223


 

藤吉憲典蕎麦猪口と小皿豆皿展 in 熊本SUNNY。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典蕎麦猪口と小皿豆皿展 in 熊本SUNNY。

届きました(^^)
案内状ご希望いただいている皆さまには、今日~明日発送いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちくださいませ。

熊本市にあるBistro&Bar SUNNYの周年祭として1周年記念から開催の機会をいただいている藤吉憲典の蕎麦猪口展。今年は5周年=5回目の蕎麦猪口展です。

オーナーの藤川さんとは、藤川さんがお店を独立オープンなさる前、前職からのお付き合いです。人付き合いがよく正直なお人柄に、ダンナもわたしも惚れ込んでいます。3周年の時には熊本地震のすぐあとで、悩みながらも「お客さまが楽しみに出かけられる場所のひとつになれたら」と開催を決定なさいました。

そんなこんなで、SUNNYで蕎麦猪口展を開催できることは、私たちにとって、とても嬉しいことです。昨年から、蕎麦猪口に加えて小皿豆皿も一緒にご紹介するようになりました。今年はさらに、蕎麦猪口の文様をテーマに絞り込んでみていただこうという試み。「幾何学文様」ぜひ見に来てくださいね。


Bistro&Bar SUNNY

藤吉憲典 蕎麦猪口小皿豆皿展

2016/6/23(土)-7/1(日)
※月曜定休
火・木・金・土:18時-26時
水・日:13時-16時、18時-26時

Bistro&Bar SUNNY
熊本市中央区水道町4-39-2F
TEL&FAX096-355-4188