こんにちは。ふじゆりです。
まだ花祭窯として独立する1年ほど前のある日のこと。
有田のとある窯元で商品開発をしていたダンナは、
「粋なデザイン」の新商品をたくさん出せと社長に言われたのでした。
勤めから帰って来ての第一声
「粋」ってなんだ!?
独立してからもずっと、この言葉はどこかに引っかかっていて
ことあるごとに「これは粋なのか、粋じゃないのか」が気になるものの、
そもそも「粋とはなんぞや」を本質的にわかっているかと問われたら、その自信も無く。
「これは粋だ!」と断言できないままに月日は流れて。
そんななか、古本屋で見つけた、そのものズバリのタイトル「粋」。
その前文にこうありました。
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江戸後期、江戸の市民たちは、
「粋」という洗練された美学をもっていました。垢抜けて、しゃれていて、すっきりしていて-
それは長い間の泰平が生みだした、
ゆとりと遊びの文化といってよいでしょう。
(中略)
そして「粋」のなかに、私たちが “豊かに活き活きと生きる” ための
重要な指針が秘められているように思えます。
(後略)
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そして「粋」を紐解くさまざまな写真と文章で構成されているのですが、
この本を一読してわかったのは「本を読んだだけでは『粋』はほんとうにはわからない」ということ(笑)
「垢抜けて、しゃれていて、すっきりしていて」「ゆとりと遊びの文化」が生み出したもの・ことを
実際にたくさん見て、たくさん触って・・・体・五感で感じる経験を積み重ねた先にしか
「粋ってなんだ!?」への解は無いように思いました。
果たして「粋ってなんだ!?」に辿りつくのはいつの日か。
そこをめざして、ものづくりに取り組んで行きたいと思うのです。
ところでこの本、資生堂さんの企画でした。
なるほど、資生堂さんといえば、これ。
以前にこのブログでも紹介しました、資生堂名誉会長の福原義春氏が書いた
『美 「見えないものを見る」ということ』
繋がっていますね(^^)