おはようございます。花祭窯・内儀(おかみ) ふじゆり です。
台風の影響が懸念されましたが、意外に穏やかな朝を迎えた福岡・津屋崎です。
仕事中ラジオを聞き流していることが多いのですが、先日
結婚20年のお祝いは磁器婚式
というフレーズが耳に入ってきました。
へぇ~、そんなものがあるんだ!と
窯の創業日と息子の誕生日以外の記念日はことごとく忘れている我々夫婦。
そういえば今年は結婚20周年でした。
磁器の仕事をしていながら
磁器婚式という記念日があるとは知らず・・(^^;)
あ、ダンナは聞いたことはあったそうですが。
ウィキペディアで見てみたら、もともとは欧米の習慣のようですね。
イギリスでは15年目までは1年単位、以後は5年単位で祝うとありました。
すごいですね!
結婚記念日の贈りものリスト 20年のところに ”China” 。
とありました。Chinese Ceramics=磁器 ですね。
由来・背景はきちんとあるのだろうと思いますが、それはあえて置いておいて(笑)
窯元の内儀(おかみ)的に
結婚記念日におめでたく結びつけることができる「磁器の特性」を考えてみました。
結婚20年記念にふさわしい「磁器の特性」
- 生地が白い=まさにウェディングカラー。このうえに染付のブルーや赤絵のさまざまな華やかな色が映えるのです。
- 結びつきが強い。磁器は原料となる陶石の性質や高温での焼成により粒子がしっかりと結びついています。
- 割れものでもあるけれども、大切にすれば色あせず何百年も受け継ぐこともできる。
といったところでしょうか。
上の写真は、もともとは幕末伊万里で輸出用につくられた金襴手の角瓶を復刻したもの。
磁器婚式のギフトと聞いて、わたしの頭にパッと浮かんだのはこれでした。
もちろん、これが磁器婚式の贈りものに使われたかどうかは定かではありません。
あ、写真のこれは、現代もの。ダンナ藤吉憲典の作です。
「蔵春亭」ブランドでヨーロッパに輸出された角瓶。
当時のものは、いくつかの美術館に所蔵されているほか
日本でも数人のコレクターの方が所有していることが確認されています。
わたしたちが初めてその存在を知ったのは、千葉県佐倉市にある国立民俗博物館所蔵のものでした。
なんのためにつくられたのか。
香水瓶とかインク瓶とかデキャンタとか、その用途はいろいろと説がありますが、
実際のところ輸出先のヨーロッパでどのように使われていたのかは、推測することしかできません。
用途もさることながら装飾的要素が大きかったであろうということは伺えますね。
古今東西かかわらず、こういう仕事に触れるたび
やきものは、生活空間のなかにある「用途の美」術品
であることを思います(^^)