こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。
ここ福岡・津屋崎は、連日夏らしいお天気です。
海には釣りのボートがぷかぷか。
砂浜には水遊びの親子連れ。
さて先日から書いてまいりました「肥前磁器について」全五話。
歴史・技法・工程などを書いてきて、あらためて
磁器制作をつくり手が一人で完結するには高い技術とセンスが必要であり、
熟練にはそれなりの時間がかかるのがあたりまえだなぁ、と思いました。
形をつくる人、絵付をする人。
絵付のなかでも染付をする人、赤絵をする人。
肥前磁器の技術流出を防ぐために細分化された分業体制は、各地に技術が広がった後も残り、
その結果として現代の陶芸作家と呼ばれる人たちも、
つくりから絵付けまで一貫してできる人は少なくなっています。
そんななかで、うちのダンナ、藤吉憲典が一人でつくり続ける理由は
「出来上がったものが美しいかどうかは、全体のバランスで決まる」ことを重視しているからです。
例えば、かの北大路魯山人は名プロデューサーであったといわれます。
プロデュース力があれば、それぞれの工程は職人さんにお願いして自分は最終チェックをする、
あるいは自分はその工程の一部(例えば絵付)だけを担当する、という作家スタイルも有りなのでしょう。
それでも自分の手でつくることをよしとするのは、自分で手を動かしてつくるからこそ
生み出せる価値があることを信じているからにほかなりません。
さて
「肥前磁器について」全五話。
下のそれぞれのタイトルリンクから、ご覧いただくことができます(^^)
↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓
○肥前磁器(ひぜんじき)とは?
○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)
○古伊万里(こいまり)のこと
○やきものができるまで(磁器の制作工程)・前半
○やきものができるまで(磁器の制作工程)・後半