読書『天地に燦たり』(文春文庫)川越宗一著

読書『天地に燦たり』(文春文庫)川越宗一著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『天地に燦たり』(文春文庫)川越宗一著

追っかけ継続中の川越宗一著作を、いつものカメリアステージ図書館から予約で借りてきた一冊。図書館の新刊棚と並んで、蔵書検索からの予約システムは、たいへんお世話になっている仕組みのひとつです。本書は著者のデビュー作にして、松本清張賞受賞作。

手にとって最初に思ったのが「燦(さん)たり」ってどういう意味だ!?でした。「燦」の文字、ふだんあまり使いませんし、眼にすることも少ないような。真っ先に思い浮かんだのは「愛、さんさんと」ではじまる美空ひばりの歌(笑)。検索したところ、「燦」には「きらきらと明るく、まぶしい様子」という意味があることがわかりました。

文春の公式サイトでの本書の紹介をお借りするならば「日本、朝鮮、琉球。東アジア三か国を舞台に、侵略する者、される者それぞれの矜持を見事に描き切った歴史小説」。日本というよりは薩摩藩としたほうが、登場人物の説明にしっくりくると思います。豊臣秀吉の朝鮮出兵を中心に、「国」に振り回されながらも強く生きる者たちの姿に、ページを繰る手が止まりませんでした。

わたしが読んだのは文庫版で、あとがきを本書の編集担当者さんが書いておられて、それがまた、とても良かったです。編集担当者さんの、本著作への熱い思い入れが伝わってくると同時に、文学賞の賞レースがどのようであるのかをちょっぴり垣間見ることができて、とても興味深かったです。

『天地に燦たり』(文春文庫)川越宗一著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その独立準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々雑用)担当として作家活動をサポートしています。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)としても、並行して活動しています。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。