【告知】藤吉憲典上海個展。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【告知】藤吉憲典上海個展。

昨年に引き続き、上海の皆さんに藤吉憲典の作品をご覧いただけることになりました。前回もお世話になったギャラリー未在味在空間さんのプロデュース。そして、上海の最高級和食店として名高い「日本料理くろぎ上海」さんと「南京路佐々」さんがサポートしてくださっています。心より感謝申し上げます。

会場はベラージオ上海ホテル内にある「和食くろぎ」さん。オープン時に隈研吾氏の設計で話題になったそうですね。

藤吉憲典上海個展
藤吉憲典上海個展

2種のポスターに表されているように、日本の伝統工芸美と、その基礎の上に立つ現代的なオブジェ、両方をご覧いただける展覧会です。日本の磁器文化は、その発展の過程で中国からたくさんの影響を受けてきました。藤吉憲典もまた、中国の古いものから学んだことは数知れず。その恩返しの気持ちが作品で伝わったらいいな、というのが作家の想いです。

「磁器によるアート」の可能性を感じていただけると嬉しいです。

濃い白。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

濃い白。

今年は台風が多く、花祭窯の小さな茶庭にも潮害があったので、庭師さんがすっきりときれいにしてくださいました。という話を、先日ブログにも上げたところでしたが、そんななか、咲いてくれる花があると、いつも以上に嬉しくなります。

このシュウメイギクもそのひとつ。この花弁の白色を初めて見たとき、「白にもいろんな色があるんだ」と思い、それから毎年秋に咲くたびに、やはりその「白」に感動しています。

透明感ではなく、たっぷりと塗った感じのする白。さわやか、というよりは温かみのある白。重さにしたら、けっこう重量感がありそうな白。ひとことで言い換えると「リッチな白」なのです。

まだいくつもつぼみがついているので、しばらくは白の贅沢に浸ることができそうです。

デパ地下の楽しみ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

デパ地下の楽しみ。

久しぶりに、デパ地下をゆっくり見物。買いものついでに、用事の無いエリアまでブラブラ。楽しいですね。日頃ウィンドウショッピングを楽しむタイプでは無いのですが、デパ地下は大好きです。

なかでも洋菓子エリア。そういえば大阪に住んでいたときは、休日に思い立っては洋菓子屋さんめぐりをしていました。当時、阪急沿線に住んでいたので、沿線のスイーツ店を網羅したガイド本片手に、宝塚線・神戸線・京都線に乗って出かけていました。

洋菓子屋さんの楽しさは、おいしさはもちろん、限られたサイズに盛り込まれた美しさと季節感にあると感じています。洋菓子屋さんめぐりでは、まずは「店構え」にワクワクし、次に「ショーケース」にワクワクし、そしてお菓子そのものにワクワクし、と、対象に近づいていく楽しさがありました。

季節感には、四季折々の素材やクリスマスなどの一般的な要素に加えて、個人的な季節感が入ってきます。小さいころ「ケーキを食べる日」は、誰かのお誕生日など特別な日だけでしたので、それが個人的な季節感となって、自分のなかに残っているのかもしれませんね。

小さな世界に、おいしさと美しさと季節感が盛り込まれた洋菓子。そんな洋菓子がずらりと並ぶショーケース。そして各店のセンスと技が凝縮されたショーケースが並ぶ、デパ地下の洋菓子フロア。こうして文字に起こして眺めてみると、あらためて贅沢な空間です。

10月も下旬とあって、各店のクリスマスケーキがカタログになっていました。このところ、ケーキ屋さんに行っても、家族それぞれ好みのカットケーキを選ぶのが常になっていましたが、たまにはホールを注文してみようかな、などと思いつつ。

【開催報告】世界史を建築家の視点で学ぶ!第8回「人の住むところ」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【開催報告】世界史を建築家の視点で学ぶ!第8回「人の住むところ」

福岡ACAD.(ふくおかアカデミー)の勉強会。株式会社藤井設計室藤井昌宏氏を講師に迎えての「世界史を建築家の視点で学ぶ!」シリーズ第8回目のテーマは「人の住むところ」。本シリーズのまとめ回でした。

「設計の枠を超えて暮らしの可能性を広げる1級建築士」のキャッチフレーズを持つ藤井さん。今回のテーマ「人の住むところ」では、古代からの世界の建築、なかでも「住居」を視点に据え、地理・環境との関係で考える回となりました。

以下、備忘。


  • そもそも設計の仕事の動機は(藤井さんの場合)「わたしたちの生きる環境を、いかに良くしていくことができるか?」の実現にある。
  • 世界を見て回る・歴史に学ぶ:世界の人たちが、これまでどのような場所でどう生きてきたのかを知ることは、日本でこれから心豊かに暮らしていくためにどうしたらよいのかを考えるヒントになる。
  • 「なぜ、ここに住んでいるの?」
  • 水、外敵、塞(とりで)、異端、交易、港、運河…
  • 守る:迷路、城壁、僧兵、橋…
  • 他所の文化が入ってきてその土地に根付くには、既にある程度の文化レベルが無ければ難しい。
  • 現代日本の都市計画や建築基準(法律、思い込み)のあたりまえを見直す時期。

充実したスライド写真資料と解説で、今回もとても考えさせられました。7回をかけて建築の歴史を学んできたうえでの「住むところ」についての考察でしたので、より思考が深まったのだと思います。最後の意見交換は予定時間を延長しても足りなくなるほど。濃い3時間でした。

昨今の大規模自然災害が続発する環境のなかで、「住む人」としてできる(すべき)対策として、世界の歴史・叡智に学びなおすことの有用性、自分自身のこととして認識しなおす必要性を思いました。

まずは足元である自分の住まう地域の歴史をもう一度紐解くことの重要性。例えば、過去の「地名」に残されたヒントの解明など。まさに「なぜ、ここに住んでいるの?」の問いを突き詰めることによって、もたらされる解は少なくないはずです。

全8回、実に知的で面白い講座でした。広い視野と深い博識を惜しげなく披露してくださった株式会社藤井設計室の藤井昌宏さん、ありがとうございました!

【講座告知】ビジネスパーソンのための美術鑑賞

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

【講座告知】ビジネスパーソンのための美術鑑賞@朝日カルチャーセンター福岡

朝日カルチャーセンター福岡さんでの、秋の単発講座です。入会不要で受講料のみ(会員2750円、一般3300円、ともに税込)で受講ができます。5月に博多阪急さんで「ビジネスパーソンのための美術鑑賞」を開催しましたが、 時間が倍!さらに充実した内容です。

「アート×ビジネス」の最新動向をお伝えし、美術鑑賞がわたしたちにもたらすものを解説したのち、実際に「対話型鑑賞」を体験していただきます。対話型鑑賞は、じっくり1作品、時間が許せば2作品取り組めるといいな、と考えています。


ビジネスパーソンのための美術鑑賞

  • 場所:朝日カルチャーセンター福岡(JR博多駅前 福岡朝日ビル8階)
  • 日時:2019年11月14日(木)19時~20時30分
  • 講師:アートエデュケーター 藤吉有里
  • 申込:電話092-431-7751(10時-18時)またはwebから。
  • 受講料(事前払):会員2750円(税込)、一般3300円(税込)
    (※当日支払いの場合は、それぞれ+200円)


今回、「日中参加は難しい」という声にお応えして、時間帯も19時からの1時間半です。お仕事帰りにいかがでしょうか。

「ビジネスパーソンのための美術鑑賞」講座へのお問い合わせ・お申し込みは、朝日カルチャーセンター福岡までお願いいたします♪

朝日カルチャーセンター福岡(JR博多駅前 福岡朝日ビル8階) 電話092-431-7751(10時-18時)またはwebからお問い合わせください!

まず動き、それから考えた。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

まず動き、それから考えた。

昨日はジェトロ主催の「英国のEU離脱(ブレグジット)セミナー」でお話を聞いてきました。

12月の藤吉憲典のロンドン個展を控えて、準備は着々と進んでいます。前回個展時の2017年5月、EU離脱議論で英国経済はいい状態とは言えないといわれていました。今回は個展のある12月には落ち着いているだろうと当初話をしていたのですが、いまだ決着がつかないようで。

気になっていたところにご案内いただき、即座に申し込みました。セミナーから帰ってきたら、息子が「どうしてその話を聞きに行ってきたの?仕事に関係あるの?」と。そういわれてみると、半ば反射的に「話を聞かなきゃ」と動いたのでした。

息子に説明する作業を通して、「英国のEU離脱(ブレグジット)セミナー」 に参加した意味を整理しました。

セミナーの内容大きく6項目のうち、とくに「これが聞けてよかった!」と思ったのは、「1.これまでの交渉経緯」と「3.混迷する英国議会」でした。

  • これまでの交渉経緯:離脱を決めた2016年6月の国民投票の結果と、その結果の構成要素 (地域別投票結果・年齢層別投票結果・学歴別投票結果)、結果の要因(移民への懸念・EU官僚主義への反発・緊縮財政への反感・選挙キャンペーンなど)と英国内の格差問題(地方別富裕層分布など)。
  • 混迷する英国議会:EU離脱に関する英国議会の立場と各政党のスタンス(支持者に対する態度)。

つまり、英国のEU離脱によって予想される影響を知りたいというよりは、混迷の背景にどのような事実があるのかを知っておきたいというのが、一番の動機でした。ロンドンで個展をするにあたり、そこに来てくださる方々のことを少しでも知っておきたいという気持ち。

なるほど、それで「行かなきゃ」と思ったのね、と我がことながらあらためて納得。ともあれ、ふだんニュース等で細切れに入ってくる情報を、欧州の専門家の口から、時系列的に筋道立てて聞くことができたのは、大きな収穫でした。

そういえば社会人1年生のとき、会社の先輩から「一生懸命やっているのはわかるんだけど、取り掛かる前に、それが今最善の方法かどうか、ちょっと考えてから動いてみたら?」と諭されたのを思い出しました。その直観的な判断の後ろ盾となる経験を、多少なりとも積んできたはずと信じたいのですが(笑)

JETRO NYからのアドバイス。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

JETRO NYからのアドバイス。

先日、福岡アジアビジネスセンターさんのことを書きましたが、ジェトロさんにも要所要所でお世話になっています。個人レベルの事業、しかも商材はアートですが「海外市場への輸出」であることには変わりなく。世界各地に支店を持ち、常駐職員さんがいて、地元専門家とのネットワークを持つジェトロからの情報に助けられることは多々あります。

少し前になりますが、ジェトロニューヨーク支店から、花祭窯の商材を前提とした北米市場レポートをいただきました。 A4用紙15ページに及ぶ量。海外展開でも、自らの足で赴き自らの目で確認することが原則ですが、客観的なレポートは、動き方の優先順位を決めるのにとても役立ちます。

以下、レポートから備忘。うちに近い商材をお持ちで、北米進出を考えている方には、いくらか参考になるかも!?


  • JUST FOR ME(エクスクルーシブ、希少性)。
  • Craftsmanship(職人技芸)に対する尊敬。
  • 一点もの。
  • 日本の伝統美に基づいたアート性の高さ。
  • 「強い」コンセプト:メッセージ、意志、アイデンティティー。
  • Zen(禅)。
  • 「良いエージェント」確保の重要性。
  • 北米にあったブランディングの打ち出し。
  • まずは丁寧に「ビジネスの土台」をきちんと作ること。

北米進出を考えるにあたり「良いエージェント確保の重要性」は以前からも言われていたことでしたが、あらためて「やはりそこか」という感じでした。まずはその地で丁寧にビジネスの土台を築いていくための、最重要ポイントなのですね。

平面と立体のあいだ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

平面と立体のあいだ。

辻仁成&江國香織共著の恋愛小説『冷静と情熱のあいだ』を読んだことは無いのですが、登場人物は絵画の修復家だったのですね。当時「○○と□□のあいだ」という言い回しが流行り、コントのネタに使われていたのを思い出しました。

さて

美術作品を説明する際の要素のひとつに、ジャンルがあります。平面・立体・映像・インスタレーションなど。藤吉憲典の場合、陶芸家・彫刻家としてこれまで作ってきたものはほぼ100%「立体」です。美術やアートといったときに多くの人が真っ先に思い浮かべる「絵画」は平面です。写真も平面作品ですね。

このところ海外での作品発表の機会を見据えて藤吉憲典が集中的に取り組んでいるのが、「平面と立体のあいだ」である「半立体作品」。これまでにも数点作ってきてはいますが、まとまった数手掛けるのは、20数年の陶歴において初めてのことです。

ここに至る要因はいろいろとありますが、なかでもここ数年「世界史を建築家の視点で学ぶ」シリーズでさまざまな歴史的・芸術的建築物を見て解説を聞き、学んだことも大きかったと思います。半立体の彫像や装飾レリーフが空間に果たす役割の素晴らしさ偉大さを、意識的・無意識的に刷り込まれました。

藤吉憲典の半立体シリーズは、現在「シマウマ」と「人魚」をテーマに広がりつつあります。これから先の展開が、いっそう楽しみです。

宮地嶽神社の光の道。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

宮地嶽神社の光の道。

数年前にJALのコマーシャルで「嵐」が登場したことで、その名を知られるようになった宮地嶽神社(福岡県福津市)の「光の道」。

それ以前は「光の道」と呼んでいたかしら!?と思いつつ。参道からまっすぐ行った鳥居の向こうの海に沈む夕陽は昔からあったわけで、毎年春と秋にそのシーズンがやってくることを、わたしたちも、地元の方々に教えていただいていました。

有名になったことで、神社の階段を上った絶景スポットは「有料席」あるいは整理券の必要な席となり。それまで気軽に出かけて眺めていた地元民的には「なんだかなぁ」という気持ちもありつつ、人が増えた今となっては、事故を防ぐためにも必要なことなのでしょうね。これを機会とした観光振興的な動きもあるので、福津市としては喜ばしいことなのだろうと思います。

さてその光の道、2019年秋は10月12日(土)〜10月25日(金)ということです。写真は、期間中に撮った写真。参道の一番端にある鳥居をくぐった砂浜からの景色です。ただ、この期間外であっても、海に沈む夕陽はきれいですので、福岡・福津宗像方面お越しの機会がありましたらぜひ一度ご覧になってみてくださいね。

休憩のタイミング。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

休憩のタイミング。

写真は宮司浜から津屋崎浜方面を眺めたところ。

「この週末からちょっと予定詰まり気味だなぁ」と思っていた矢先の金曜日に息子がケガをして、週末の予定をすべてキャンセル。一転してお仕事休憩の週末となりました。

厳密には休憩というよりは、まず心配だし、連日病院に連れて行き、学校に報告し、と気持ち的にも物理的にもバタバタしていたわけですが。ともあれ強制的に仕事頭から切り離されることになりました。

診療時間終了間際に駆け込んだ 整形外科。先生の手技による処置のおかげで、息子のケガは週明けから学校へ行ける程度におさまり、ひとまずホッとしました。

病院の待合室で方々に連絡メールをしながら、「少し俯瞰して眺めろということね」と感じます。いろいろ詰め込んでいたものをキャンセルすると「今の最優先順位」が自ずと見えてきます。

休憩のタイミングは、常に自分でコントロールできているのが一番ですが、それが出来ていないときに、外的な要因で気づかされることがあります。振り返ってみれば、今回もそんな感じ。忙しいと思い込んでいるときでも、スローダウンすることはできるのですよね。