読書『アンナ・カレーニナ』(新潮文庫)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『アンナ・カレーニナ』(新潮文庫)

「読んでいなかった名作を」「続・読んでいなかった名作を」に続き、また古典に目が向く周期が来ています。今回は、19世紀ロシア文学の文豪トルストイ。『アンナ・カレーニナ』は新潮文庫上・中・下巻で合計2000ページ越え。でも「途中で飽きないかしら」の心配はまったくの杞憂でした。

舞台は1870年代ロシア、そして貴族社会。現代の自分が生きる環境とはまったく異なるうえ、背景知識も皆無で読みはじめましたが、そのようなものは要りませんでした。

時代も環境も異なる登場人物の置かれている状況など理解しようが無いはずなのに、その心情の在りようや気持ちの移り変わりが手に取るようにわかる!と読み手に感じさせるのは、文章の力なのでしょう。決して退屈させない丁寧な描写に、引き込まれました。

そして同時に、読んでいる自分の年齢が、登場人物の心情に重なるのに役立っていることを感じました。それも登場人物の一人ではなく、すべての人物に対して、自分と似ている部分(多くは、ダメなところ)を見つけることができるのでした。経験値の浅い若いころに読んでも、このような共感は持てなかったかもしれません。

映画、バレエ、ミュージカル、宝塚と様々に演じられてきたのですね。読みながら鮮やかな映像がイメージで湧いてくるストーリーなので、納得です。わたしは映画も見たことがありませんでしたので、機会を見つけて観てみたいと思います。

次は『戦争と平和』。こちらも全四巻ですから、『アンナ・カレーニナ』以上の大作ですね。読破するのが楽しみです。