読書『経営者の条件』(岩波新書)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『経営者の条件』(岩波新書)

わたしにとって古巣である、人事測定研究所(現・リクルートマネジメントソリューションズ)創業者・大沢武志さんの2004年の著書。昨年末2019年に第6刷が「岩波新書新赤版一〇〇〇点」から出ています。新陳代謝の激しいビジネス書のジャンルにあって、15年も前に著された本書が今尚売れ続けていることに、大沢さんの理論の普遍性を感じます。

とはいえ、本書のなかで大沢さんが警鐘を鳴らしている内容が、いまだ古びていないこと(すなわち、企業経営における同様の過ちが繰り返されていること)は、喜べることではなく。

表紙カバー裏にある添え書きに「雪印、三菱自動車などの相次ぐ不祥事で経営陣の責任が問われる一方、日産、ヤマト運輸などのトップが、今名経営者として称賛されている。」(『経営者の条件』岩波新書)とあります。2004年時点での評価ですね。現在の日産やヤマト運輸の評価を思うと、時代の流れを感じます。

現場体験に基づいた『経営者論』です。昭和から平成の時代にかけての企業・経営者の実際をもとに論じられていて、その時代を生きてきた人たちにとっては、生々しく振り返りができます。そのなかには、もちろんリクルート江副さんを取り巻くエピソードも。個人的に、大切にしたい一冊です。