津屋崎浜を歩いていたら、アイルランドの国鳥に出会いました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

津屋崎浜を歩いていたら、アイルランドの国鳥に出会いました。

昨年の晩秋から続けているウォーキング。あいにく毎日とは参りませんが、週3回くらいのペースで続いています。気持ちに余裕があって、天気が悪くないときは山コース。そうでないときは海コース。体力強化という意味では、山コースの方が効きそうですが、どちらにもそれぞれの面白さがあります。

昨日は海へ。いつものように浜辺をぐるりと、津屋崎浜→宮地浜→福間海岸方面へと進み、福間海岸に入るところで折り返し。前日に風が強かったからか、今日の浜にはウマヅラハギ(カワハギの一種)がところどころに上がっていました。毎年1月から2月頃には、浜に打ちあがってくることがあるのですが、この冬は特に多いような気がします。砂浜に横たわる魚。ややシュールな絵面ですが、たびたび目にするうちに慣れてきました。

カモメやチドリもたくさんいます。カモメは人馴れしているとまでは言わないまでも、散歩者があっても、なかなか飛び立ちません。ジーっとこちらを睨みつつ「できれば動かないで済ませたい」とでも思っているかのよう。カモメのなかでも、すぐに飛び立つ者、歩いてかわそうとする者、動かない者といろいろです。

チドリは比較的すぐに飛び立ちます。藤吉憲典のやきものには「波千鳥」の文様がたびたび描かれます。肥前磁器の文様としては江戸時代から続く人気の古典柄のひとつ。浜で見かけるチドリは、小さな個体の群れもあれば、カモメとサイズが変わらないような大きなものもあります。一見、大きいものは文様のチドリからはイメージが離れているのですが、群れで飛び立つ姿を見ると「ああ、チドリだ!」と感じます。

「文様のチドリは小さい方だろうな」などと思いながら歩いていたら、背後から「ミヤコドリですよ!」と大きな声をかけられました。不意を突かれて「えっ!」と振り向くと、「あそこに4羽いるあれ、ミヤコチドリっていうんです」と、少し離れて平行に歩いていたおじさん。わたしが歩きながらずっと鳥の姿を追っていたのに気が付いて、声をかけてくださったようです。というわけで、大きなチドリが「ミヤコチドリ」であることを知りました。

「ミヤコチドリですか…最近よくこの辺りにいますよね」と答えると「実はここ4-5年ずっと来ていなかったんですが、この冬久しぶりに帰ってきてくれました」と。さらに「個体数が少なくて、保護の対象なんです。」「アイルランドの国鳥なんですよ!」と、畳みかけるおじさん。「えっ、アイルランドですか!?」思わずこちらも大きな声で問い返していました(笑)

津屋崎には、地域の自然や歴史文化・史跡などについて知識が豊富な方がたくさんいらっしゃって、こちらが興味を示せば、惜しげなくいろいろと教えてくださいます。とてもありがたく、皆さんのシビックプライドをひしひしと感じ、嬉しくなる瞬間です。

さてお話を聞いて、一瞬「アイルランドから津屋崎まで飛んできたミヤコチドリ」を連想してしまいましたが、そういうわけではありません。でも渡り鳥ですから、どこか海の向こうから飛んできているのは事実ですよね。アイルランド、英国に渡航できるようになったら足を延ばしたいなと妄想しつつ、鳥には国境も関係ないのよね、と思ったのでした。