こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『しゃべる からだ』(サンマーク出版)トルステン・ハーフェナー著/柴田さとみ訳
こちらも昨日ご紹介の本と同様、メールマガジン「ビジネスブックマラソン」で紹介されていた本のなかで、昨年気になりながらそのままになっていたものの1冊。
↓昨日ご紹介したのはこちらでした↓
さて『しゃべる からだ』。著者の肩書を見ると「マインドリーダー、メンタリスト、マジシャン」とあります。いずれの肩書も、怪しげな匂いがしないこともありません。が、書いてあることは、至極真っ当です。心理学をかじったことのある人ならば、ふつうに「そうだよね、そうだろうね」とうなずける内容なのではないかと思います。「身体言語、知覚、行動心理学、錯覚」などをとことん勉強・実践(実験)なさった専門家、という方が、ぴったり合うような気がします。わたし個人的には、昔から行動心理学に興味があり、本書を読みたいと思ったのでした。
まず最初に書かれていたこの文章に、大きくうなずきました。
『「体」と「心」、「行動」と「思考」の間には、境界など存在しない。すべては関連し合い、つながり合い、互いに影響をおよぼし合っている。』
「境界など存在しない」。当たり前で、わかっていたつもりなのに、無意識のうちに別々のものとして考え語る自分がいたことに気づかされました。このことに気づき、意識し直すだけでも、ものの見方が変わるような気がします。
そしてもうひとつ、本書にある行動心理学を生かすために、大前提とされるのが「観察力」でした。相手のことをどれだけ観察できるか=相手にいかにしっかりと向き合うか。同時に、相手への観察とともに、自分自身への観察も大切でもあると感じました。観察についての記述では、わたしがアートエデュケータとして取り組んでいる「鑑賞教育」に通じるものがたくさんあり、思いがけずつながったことが、読んでいて嬉しくなりました。
サブタイトルに『よりよく生きるための「身体言語」の本』とあります。ノウハウ本として読む方もあると思いますが、もっと深いところで大切なことが書かれていると思いました。昨日は「ラテン語」という言語を通して、今日は「身体」という言語を通して、思考・表現・行動を考える機会となった読書でした。