ボールペン

30年越しの念願成就というとおおげさですが、ようやく「いいボールペン」。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

30年越しの念願成就というとおおげさですが、ようやく「いいボールペン」。

「上等のボールペンを自分用に買う」は、その昔サラリーマンをしていた頃の目標のひとつでした。ずっと頭のなかにありながら、なんとなく先延ばしになって、今になってしまいました。

法人営業職をしていた20代の頃、仕事の話をする商談相手の方々は経営者・役職者ばかりで、特にお世話になっている方々がご栄転なさったときなどに、お祝いにボールペンを贈ったり、ワイシャツの仕立券を贈ったりしていました。これは就職先の会社にあった文化であり、わたしが社会人デビューして「上等のボールペン」なる分野があることを知るきっかけでした。

限られた予算のなかではありながら、どんな役職にご栄転なさるのかによって、またふだんから接するなかで知るお人柄に合うものをと、贈りものを選んでいました。贈りものであっても、百貨店の文具コーナーなどでガラスケースに入ったボールペンを選び、購入するのは、とっても楽しく嬉しい時間でした。万年筆ではなくボールペンだったのは、ボールペンなら誰でも使うから。当時購入していたのは、もっぱらPARKERかCROSSのボールペン。いつかはこのなかから、自分用のボールペンを買うのだと決めていました。

そんな思いを忘れていたわけではないのですが、夫婦二人の自営業では「昇進」は無く(笑)、買うきっかけをつかめずにいた、というところでしょうか。今回、ひょんなきっかけがあり「今こそボールペンを買う!」と決め、近場にあるちょっとこだわった文具屋さんへ。さんざん時間をかけて迷ったうえ手に入れたボールペンは、PARKERでもCROSSでもなく、この日初めて知ったOrobiancoというイタリアのものでした。20代のわたしが聞いたら、「なんでCROSSじゃないの!?」と怒り出しそうですが。

スマートでスタイリッシュな姿に惹かれました。そしてなにより、Orobiancoを扱っていることを誇らしく語る店員さんの説明がよかったです。わたしが手に入れたのは、価格的にもエントリーモデルという位置づけのようでしたが、わたしにとっては、十分な贅沢です。使い込んでいる革の手帳カバーに合わせたら、ばっちり。50代に入ってからの、筆記具選びの楽しさです。長く大事に使っていけるものを身の回りに置くのは、やっぱり嬉しいものですね。

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯(はなまつりがま)の内儀(おかみ)であり、Meet Me at Artを主宰するアートエデュケーターでもある、ふじゆり のブログです。