こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『ルコネサンス』(集英社)有吉玉青著
いつものカメリアステージ図書館新刊棚にて発見。名前に聞き覚えがあるなぁと思ったら、作家・有吉佐和子氏がお母様ということで。エッセイなのか、小説なのか、あまり気にしないままに読みはじめました。「あれ?これはエッセイ???」と思ったり「いや、これはフィクションよね」と思ったり。そのうちストーリーの面白さに引き込まれ、ジャンルなどどうでもよくなりました。
読了後に集英社のサイトにあった本書『ルコネサンス』についての、阿川佐和子氏との対談を拝見し、なるほど「自伝的フィクション」なるジャンルであることが判明。道理で読みながら「???」となったはずです。ちょうど新聞の文化欄で「私小説とは何か」「私小説の復権」なる記事を拝見したところで、本書との出会いのタイミングの良さに驚きつつ。
有吉玉青×阿川佐和子 『ルコネサンス』刊行記念対談
https://www.bungei.shueisha.co.jp/interview/reconnaissance/
主人公(≒著者)の正直すぎる姿が切なく、恥ずかしく、苦しくなりながら読みました。わたし個人は境遇に重なる部分はまったく無いにも関わらず、主人公の抱いている感覚が「なんとなくわかる(覚えがある)」と思わせる場面の数々に、すっかり感情移入してしまいました。著者は1963年生まれといいますから、年齢的には6つ違いますが、それでも時代の空気感がなんとなくわかるのも、大きかったかもしれません。
上の写真は、この小説のラストシーンにちなんで、山桜。有吉玉青さんの著書は今回が初めてでした。文章のテンポがとても気持ち良かったので、また読んでみたいと思います。