読書『失われたものたちの本』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『失われたものたちの本』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

同著者の『キャクストン私設図書館』(東京創元社)を読んだのは、つい2週間ほど前のこと。『キャクストン…』は本書『失われたものたちの本』のスピンオフ版だということを知り、ならば本家を読まねばと探し求めたのでした。幸運にもいつものカメリアステージ図書館に所蔵されていたので、すぐに予約。

前著でも本書でも、「訳者あとがき」から「ジョン・コナリーの著書が多産の割に日本ではあまり翻訳されていない、もったいない!」との熱い思いが伝わってきます。著者・著書に惚れ込んだ訳者による日本語版。翻訳をしてくださる方があるからこそ手に取ることができるありがたさです。

主人公が物語の世界のなかに入り込んでしまう、というストーリー展開は、それほど目新しいものでは無いかもしれません。でも主人公がそうなってしまうに至る背景や、入り込んでしまった物語のなかで体験していくことのさまざまが、これまでに読んだことのない独特の世界観をつくりあげています。冒険小説と言ってしまうには憚られる、ある種の重苦しさ、ダークな雰囲気。もっと正直にわかりやすく言えば「おどろおどろしい」描写が少なくなく、好き嫌いがはっきり分かれる本だと思います。

本の物語の中に入り込むという空想(妄想)は、誰しも経験したことがあると思います。そういう意味では「ちょっと懐かしい感覚」もする読書でした。『本当は恐ろしいグリム童話』をはじめ、古典的な物語に潜む真意の恐ろしさを暴く(あるいは新解釈する)手の本が流行ったことがありましたが、そのように、元の物語の「解釈」を考えさせるストーリーでもあります。

2021年度学芸員研修「美術館 de やさしい日本語」勉強してまいりました。

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2021年度学芸員研修「美術館 de やさしい日本語」勉強してまいりました。

いつもたいへんお世話になっている博物館学芸員技術研修会。なかでも個人的に今年度一番楽しみにしていたカリキュラムが開催されました。コロナ禍で延び延びになっていましたが、難しい状況のなか、Zoomではなくリアル開催を決定してくださった事務局の九州産業大学緒方先生に心より感謝いたします。

久しぶりのリアル研修会は、休館日の福岡市美術館で。丸一日の研修会は、ふだん家でマイペースで仕事をしている我が身には長すぎるか!?と思いきや、一瞬も目を離せない内容で、あっという間の7時間でした。

「文化芸術事業における多文化共生・多言語アクセシビリティを考える」。今どきの言い方をするとこんな風になりますが、要は、美術館に来た人たちにいかに楽しんでいただくか。そのためのツールのひとつとしての「やさしい日本語」です。「やさしい日本語」は、在留外国人の方々への配慮として近年広がってきています。わたしは常日頃ラジオでLOVE FMを聴いているのですが、そのなかに「やさしい日本語」のコーナーがあります。実のところ日本語を母国語とするわたしたちにとっても「やさしい」ものになります。

講師をしてくださったのは、国内では最も取り組みの進む東京都で事業をけん引しておられる生活文化局都民生活部職員の村田陽次さんと、多文化共生プロジェクトに取り組みたくさんの実践事例を積み上げておられる多摩六都科学館研究・交流グループリーダーの高尾戸美さん。

以下、学び備忘。


  •  東京都では芸術文化施設における「やさしい日本語」への取り組みが進んでいる。
  •  文化事業における取り組みが重視されているのは、地域でリーダーシップをとる施設(都の場合は東京都美術館)の存在が大きい。
  •  文化事業と多文化共生(多言語アクセシビリティ)の目指すものは親和性が高い。
  •  正解はそれぞれ。まずやってみる。
  •  トライ・エラー・フィードバックの繰り返しが「やさしい日本語」の取り組みを進め・広げる推進力になる。
  •  「覚悟」を持って取り組む&一人でも多くの理解者を巻き込んでいくことが大切。
  •  「やさしい日本語」は方法のひとつ。
  •  根っこにあるのは「社会的包摂」の理念。
  •  言語以外のコミュニケーションの役割。図説・ピクトグラムやボディランゲージなど、いろいろな方法がある。
  •  いずれも根底にやさしい気持ちと「伝えたい」という熱意があってこそ。
  •  対象者の反応に応じて修正していく継続性が要。
  •  作品解説を「やさしい日本語」で作成する過程をとおして、言葉を選ぶことはその言葉の受け取り手をイメージして心を配ることだと理解。難しいながらも楽しい作業。
  •  自分が「やさしい日本語」だろうと考えているものと、ガイドラインの評価とでは、かなり食い違う恐れがある。
  •  だからこそ、チェッカーの存在は重要。
  •  専門用語は専門用語(固有名詞)として残すこと、見て分かるものは、そのイメージを表す言葉として理解してもらうことなど、方法は単純に「やさしい言葉遣いにする」だけではない。
  •  「やさしい日本語」による内容と目的を明示することによって、外国人向け、子ども向けというように対象を限定しなくても、それを必要とする人々が美術鑑賞に興味を持つきっかけを提供できる。

これはひとつでも多く実践していくことでしか、その技術を習得する道はありません。この講座をきっかけに、「やさしい日本語」での鑑賞ワークショップの可能性が見えてきました。

読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

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読書『キャクストン私設図書館』(東京創元社)ジョン・コナリー著/田内志文訳

いつものカメリアステージ図書館の新刊棚で見つけた本。タイトルに「図書館」とついているのを見ただけで迷わず手に取り、表紙の雰囲気に惹かれて中身をろくろく確認もせずに借りてきた一冊。こんな選び方が気軽にできるのが、図書館の良いところです。そしてこのような選び方でも、中身を読んで期待を裏切られることの方が少ない今日この頃。今回も大当たりでした。選書を担当する司書さんに感謝です。

さて中身は中編が4篇。表題にもなっている『キャクストン私設図書館』が冒頭に入っていました。ページ数にして70頁と短いながらも、まあ面白くて引き込まれました。古典的名著の登場人物が、実在の人物として目の前に現れたら…考えただけでもドキドキする舞台設定です。続く3つの中編も1日のうちに読破。サスペンスっぽかったり、おどろおどろしかったり、非日常を感じるストーリーながらも、本好きにはなんとなく親しみも感じるもので、不思議な読後感がありました。

上の写真は、前回ロンドンに行ったときにシャーロックホームズミュージアムで手に入れた、シャーロックホームズの名刺。『キャクストン私設図書館』では、シャーロックホームズも現実の世界に現れてきます。

読み終わって解説をみれば、本書は同著者の『失われたものたちの本』なる小説のスピンオフ版であったと判明。これは「元」である本を読みたい!と、さっそくカメリア図書館で蔵書検索をかけたら出てきました。即予約。ほんとうに便利ですね。

著者は1968年アイルランド生まれということで、わたしとほぼ同い年。今回読んだ中編集ではストーリーの舞台に英国が登場し、知った地名がいくつも出てくるのも嬉しく読みました。初めての著者でしたが、今後注目していきたいと思いました。すぐに著者名を忘れてしまうので、「ショーン・コネリーではなく、ジョン・コナリー」と覚えることに。ともあれ、まずは『失われたものたちの本』を楽しみにいたします。

読書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

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読書『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社)リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット

『読書大全』からリストアップした「読みたい本」からの1冊。新刊で出たときにあちらこちらの書評欄で話題になっていた本で、手に取ろうかなと思いつつ、そのままになっていた本です。最近、このパターンが少なくありません。わりと最近の本というイメージがありましたが、第1刷が2016年となっていますので、もう5年以上前ということですね。

表紙カバーの折り返しに「お金偏重の人生を、根底から変える。成長至上の次に来る、新しい生き方」とあります。そのような期待をもって読み進めたのですが、残念ながら少し期待外れでした。第5章以降「新しい○○」という章題で話が進みますが、個人的にはあまり新しいと思えず。5年前の初版からさまざまに引用されて、知らないうちに目にする機会がたくさんあったことは考えられますので、そうして目にしているうちに、当時は「新しい」とされたものに馴染んでしまったのかもしれません。

また、ひとつには「仕事」や「働き方」に対する考え方が、想定されている読者層と、わたしとでは大きく異なっていたのかも知れない、と思いました。そしてもうひとつ、先日読んだマイケル・サンデル『実力も運のうち 能力主義は正義か?』のインパクトが大きかったのも影響しています。『実力も運のうち 能力主義は正義か?』で展開されているお話に比べると、少し後退しているというか、表面的な印象がありました。

「お金偏重の人生を、根底から変える。成長至上の次に来る、新しい生き方」といいながら、基本とする価値観がそれほど大きくは変わっていないと感じたこと、いくつも提示されている「人生のシナリオ」のパターンも、結局はある一定層の人たちを基準としていることが見てとれたことが、期待外れの一番の原因だったと思います。

ただ、論じられている内容のほとんどは、ほんとうにそうだよね、と思わせられるもので、そこは反論や否定をするものでは全くありません。特に「見えない資産(無形資産、お金では換算できないもの)」についての考察は、今後だけではなく今までもずっと、人が生きていくうえで大切で重要であったもので、ここにあらためて光を当てることに、大きな意味を感じながら読みました。

映画『フレンチ・ディスパッチ』を観てきました。

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映画『フレンチ・ディスパッチ』を観てきました。

正式なタイトルは「THE FRENCH DISPATCH OF THE LIBERTY, KANSAS EVENING SUN」邦題で「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」です。長いですね。上の写真は、映画の世界観からイメージが思い浮かんだ、ユトリロの「コタン小路」。『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)「エコール・ド・パリ」の章に紹介されているもので、1910年ごろの作品です。

『フレンチ・ディスパッチ』は、3つのストーリーからなっています。それぞれがシュールというか皮肉が効いているというか、なんとも形容しがたく。フランス語でいうところの、エス・プリというのでしょうか。風刺漫画をパラパラとめくっているような感じで、ただその漫画のつくりが、ものすごく丁寧で細部まで凝っていて、美しいという。

この面白さをどう説明したらよいものか…説明に困って映画の公式サイトを訪問したら、ありました。サイト内「『フレンチ・ディスパッチ』とは?」のページをご覧いただくと、予告動画よりもこの映画の雰囲気がばっちり伝わると思います。

全編ほぼ英語ですが、なかにフランス語でのセリフが出てきて、英語のなかに混じるフランス語の音の響きがなんとも魅力的でした。フランス語のときは、画面に英語字幕が出て、日本語字幕も出ている、という状態ではありますが、それが邪魔になる感じはありませんでした。そしてなんといっても、美術が見どころです。舞台美術のような表現方法や、アニメーションなど、どれもこれもおしゃれで魅力的でした。アート、デザインに関わるお仕事をなさっている方には、特におススメです。

今年の目標「映画を月に1本は観る!」。1月の『HOUSE OF GUCCI』に続き、2月もミッションコンプリートです。

読書『幸福論』(日経BP社)アラン著

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読書『幸福論』(日経BP社)アラン著

年の初めに『読書大全』からリストアップした「読みたい本」のなかから、図書館に蔵書のあるものを、徐々に読みはじめています。リスト中に古典的名著が多いので、蔵書にあるものが多く、気軽に手に取ることができるのは、とても助かります。大学生の時に哲学書はわりと読んだような気がしていたのですが、内容を忘れているうえに、自分が思っているほどには冊数読めていなかったことに気づかされる今日この頃です。

さて、アランの幸福論。読めていなかったものの一つです。裏表紙にある言葉にすっかり参りました。いわく「もう深刻ぶるのはやめて のんきにやろう」。日経BP社版です。もとは日経ビジネスオンラインのウェブ上で、ビジネスパーソン向けに連載されていたものをまとめたものということで、かなり読みやすく意訳されています。幸福論は複数の出版社から出ているので、どれを手に取るかで、印象が変わる可能性大ですね。そのうち他者から出ているものも読んでみたいと思います。ともあれ、この日経BP社版であったのは、わたしにとってはラッキーでした。

読みはじめて半分も行かないうちに「ぜんぶここに書いてあったのね!」と思いました。どうして今までこの本を手に取らなかったのか不思議です。あるいは哲学に興味があった大学生時分は、ある意味「深刻ぶりたい」年頃で、アランには食指が動かなかったのかもしれません。そういえば当時一番はまっていたのは、デカルトの「我思う、ゆえに我在り」でした。

93の考察が載っています。珠玉の言葉が盛沢山で、ここで紹介するよりは、ぜひ本書を読んで欲しいと思います。なかでも、今の自分にとって「!」と刺さったのは、「情念から私たちを解放してくれるのは、思考ではなく行動なのである」。そして、別の本で目にしたことのあった「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」。ほかにも、このフレーズ聞いたことあるぞ!?というものがたくさんあって、近年出版された書籍のなかにも、アランの『幸福論』のエッセンスがたくさん入っていることに気づきました。影響を受けている著作者がたくさんいるということですね。

図書館で借りて読みましたが、座右にしたいので、購入決定。そのうち時間があれば、別の出版社からの『幸福論』も読んでみたいと思います。それぞれがどんなふうに意訳されているものか、興味深いです。

英語のテキストをチェンジして、モチベーションを上げ直す。

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英語のテキストをチェンジして、モチベーションを上げ直す。

英字新聞「The Japan Times Alpha」に追い回されています。』と書いていたのは、約1年前。

そのThe Japan Times Alphaは、毎回の時事ニュースが面白く、音声で学ぶことができて、素晴らしい&とてもコストパフォーマンス抜群の教材です(とわたしは感じています)。毎週届く追い回され感も、ずぼらなわたしには必要な要素ではあります。が、1年が経ち「毎週届く」にちょっと慣れてくると、だんだんと英字新聞が積み上がってきました。自主学習の罠と言いましょうか、壁と言いましょうか、罠を仕掛けているのも、壁を築いているのも自分自身なのですが(笑)。

そこで、単純な方法ではありますが「教材チェンジでモチベーションを上げ直す」ことに。今回選んだのは『ENGLISH JOURNAL』。The Japan Times Alphaは、昨年購読している最中に「70周年」を迎えた歴史ある教材でしたが、ENGLISH JOURNALもまた老舗感のある雑誌です。記事に惹かれて単発で購入したことが過去に何回もあり、親しみがあります。調べてみたら1971年創刊ということで、こちらは昨年50周年を迎えたところなのですね。

ENGLISH JOURNALも紙媒体。プラス、オンラインでの教材提供もあり、音声ダウンロードもできますので、自主学習教材として至れり尽くせりの充実度合いです。旬のニュースのなかに、アート系の特集やイギリスに関する特集が多いのも、個人的には魅力。あとは、自分自身がどれだけ取り組めるか、というところです。どんな教材であっても、結局はここに尽きるのですが。明日は春節で、旧暦新年のスタート。英語学習も新たな気分でリスタートです。途切れたらまたやり直し、の連続です。

第100回九州EC勉強会『戦わずして、戦う!小さい会社だからこそ、今こそ突き抜けるとき!!』に参加してきました。

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第100回九州EC勉強会『戦わずして、戦う!小さい会社だからこそ、今こそ突き抜けるとき!!』に参加してきました。

2022年最初の九州EC勉強会は、久しぶりのリアル開催に参加してまいりました。時節柄、人数を制限しての募集でしたが、席を確保することができました。九州EC=九州ECミーティングは、EC事業者が集い、事業運営に役立つ情報交換・提供を行う会です。2005年1月に、「九州でも東京並みの情報が得られる場」を作る目的で結成されました。自ら経営者でありECに取り組む方々が幹事となり、ボランティアで続けてきている勉強会組織です。

今回の講師は、九州ECの会長も務めておられた株式会社ピアリビング代表取締役室水房子 さん。わたし個人的にも尊敬している女性経営者の一人で、勉強会つながりのお付き合いは15年以上になります。今回は100回記念。このタイミングで彼女のお話を聞くことができたのは、素晴らしくラッキーなことでした。とにかく熱量の高い勉強会で、モチベーションアップです♪

以下、備忘。


  • お客さまは「実際どうなの?」を知りたい=リアルの安心感。
  • 「お客さまに会う」が一番の強み。
  • お客さまがいらっしゃるところに、置く。
  • 見せるものを絞る→悩まずに選ぶことができる→購入率が高まる。
  • 未来(期待する未来も含め)を想定した動き。
  • 三割の法則=分散によるリスク管理。
  • どんな状態でも事業が完全にストップすることが無いように仕組みを整える。
  • SNS経由の売り上げが増加=「お客さまの居場所」が明らかに変化。
  • 「オンライン相談会」からの成約率の高さ。
  • YouTube効果=取材依頼増。
  • YouTube→サイト内埋込、SNSで宣伝、プレスリリース(PRタイムスがおススメ)。
  • プレスリリースはデータで語る。
  • 動けない間に海外種まき。
  • 自社の(自分の、自社製品の)特性は?その特性に合うお客さまは?
  • 最強の人を巻き込む。
  • 違う角度から光を当てる、市場を変える、商品を変える。
  • あるのは、一番か、一番以外か。ならば一番をとろう。
  • 好い時も悪いときも、一歩下がって「俯瞰して見る」癖をつける。
  • Twitter:エゴサーチ→お返事&リツイート。
  • 動画はすべて独自ドメイン内のブログに入れる→文字起こしして「動画&テキスト」。
  • 新商品開発→メディア向け、海外向け。

以上、第100回九州EC勉強会『戦わずして、戦う!小さい会社だからこそ、今こそ突き抜けるとき!!』より。


講演を聴きながら、たくさんの課題が発見できました。なかでもわたしにとっての最重要課題は「最強の人を巻き込む」。今年は常にこのことを意識して動こうと思いました。その他、技術的なヒントもたくさんいただきましたので、ひとつづつ自分の仕事に落とし込んでいきたいと思います♪

講師として惜しみなく情報を公開してくださった室水房子さんと、毎回素晴らしい勉強会を提供してくださる九州EC幹事の皆さんに、心より感謝いたします。今回もたいへんお世話になりました。ありがとうございました!

読書『日常のリアルなひとこと ためぐち英語』(高橋書店)トーマス・K・フィッシャー著

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読書『日常のリアルなひとこと ためぐち英語』(高橋書店)トーマス・K・フィッシャー著

ここ1-2年は、英語学習の本や参考書を、できるだけ買わないようにしています。なぜなら、すでにたくさん手元にあるから。とはいえ、書評が良かったり信頼できる人からおススメされたりすると、ついつい手が伸びてしまいます。既に持っている本と比べて利点を感じれば購入!ということで、年に2-3冊は増えているでしょうか。

本書は珍しく英会話の先生からの紹介でゲットしたもの。英会話をご近所のブループラネット英会話スクールで習いはじめて、既に8年いや9年でしょうか。カナダ人である先生は、わたしが「こういう英語力をつけたいときに最適な参考書は?」と尋ねれば、もちろん毎回的確な答えを返してくださいますが、積極的に「この本おススメ!」と言われたのは、実は今回が初めてでした。

「トラちゃん(英会話の先生)が特定の本をお薦めするのは珍しいね!」とたずねると、「実際のところ、日本語で書かれた本でおススメできるものってあまり無いんだけど、この本は自分がふだんからネイティブ間でおしゃべりするときによく使う表現がたくさん載っていたから、使えると思って」とのお返事。カナダ人同士の会話で使うのはもちろん、アメリカ人と話す時も、イギリス人と話す時も、その他いろんな国の出身者とおしゃべりするときにもよく使う言い回しが、本書にはたくさん載っていたというのです。

というわけで、迷わず入手。すべてのフレーズが5単語以内です。この言い方聞いたことがある!というものが、わたしがわかる範囲でもいくつもありました。本書内ではフレーズのカギとなる単語が空欄になっていて、読みながら考えさせるようになっています。ページ裏面に載っている各フレーズの解説も、端的でわかりやすくてGOOD。数ページごとに復習ページがあったり、音声アプリも使えたり、あの手この手で学習できるようになっています。隙間時間での学習にもピッタリで、さっそく外出のお伴になっています。

読書『死にふさわしい罪』(講談社)藤本ひとみ著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『死にふさわしい罪』(講談社)藤本ひとみ著

久しぶり、といっても半年ほどぶりですが、の藤本ひとみ本は、現代もの。昨年までの「一人で勝手に藤本ひとみ祭り」では歴史ものがほとんどでしたので、ちょっと変化球です。こちらもいつものカメリアステージ図書館で発見。

主人公は高校生男子。でしたので、中高生読者向けのシリーズだったかな?失敗したかな?と最初は思いました。でも読んでみたら面白い。登場人物のキャラクターや物語のなかに、たくさんの「藤本ひとみ的エッセンス」すなわちフランス近代史や音楽の要素がちりばめられていました。上の写真は、なんとなく、イメージ。

ジャンルとしてはミステリーなのだと思いますが、主人公の高校生を取り巻く大人が、エリート出世街道の窮屈な道と、そうでない自由な道とを体現していて、自分の将来をどう生きるかを考えさせる仕組みになっています。主人公自身には エリート出世街道を進むための環境が用意されていて、エリートの母や叔父、そしてその母方の兄弟のなかでは落ちこぼれの位置づけの叔父の性格や生き方が、さりげなく対比的に描かれています。つい先日読んだ『実力も運のうち 能力主義は正義か?』で語られていることを彷彿とさせました。

それにしても、主人公の高校生男子の教養博識度合いがすごい。彼のセリフ(心の声も含め)に出てくる知識の凄さに、「ほんとうにこんな高校生いるのかなぁ」と思わせられました。が、わたしが知らないだけで、きっと存在するのでしょうね。

ストーリーも登場人物のキャラクターも、ドラマや映画にしたら面白いだろうな、と思えるものでした。個性の強い登場人物ばかりなので、配役を考えるのがかなり楽しそうです。わたしならまず「元少女漫画家の老女」役を白石加代子さんにお願いしたいなぁ、などと思いつつ。