こんにちは、ふじゆりです。
そういえば、まだこちらでちゃんとご紹介していませんでした。
花祭窯の茶室「徳り庵」
「とくりあん」と読みます。
変形三畳の狭小茶室です。
お茶室の定義は「茶を目的とした空間」。
「自然」と「美」を感じるたたずまいでさえあれば自由な解釈が許されるものだとわかり、
徳り庵では「茶室はこうあるべき」にとらわれずにつくりました。
徳り庵の名前の由来は、ふたつあります。
その一、徳利(とっくり)
茶室に入ってふぅっと一息、おちついたら、まず天井を見上げてみて欲しいのです。
土壁がそのまま天に向かってすぼまっていきます。
徳利のなかから上を見たら、こんな景色かしら、という感じ。
↑この写真は、天井をつくる過程での骨組み図。
竹の力を借りてつくったこの曲線面に、土壁を塗って完成しています。
その二、徳不孤必有隣
「徳は孤ならず必ず隣有り」と読みます。
論語にある孔子の言葉です。
素読を通して親しんでいる論語の言葉からなにかもらいたいな、と思っていたところに見つけました。
意味は「たくさんの人と交わるなかで徳が養われ、親しく理解しあえる仲間ができる」というようなこと。
そんな仲間を迎え、お茶を飲み、語らえる場所でありたいという気持ちをこめて。
余談ですが
この名前を決めて数ヶ月後のこと。
ダンナが急に「あーっ」と大声。
いったいなにかと思ったら「これ、親父がよく書いてたんだ!」と。
20年以上前に亡くなった藤吉憲典のお父さんは書道の先生でした。
掛け軸や色紙に文字や水墨画をたくさん残していましたが、
生前、友人などが訪ねてきたときに、色紙や短冊に書いて差し上げていたのが
この「徳不孤必有隣」であったと、急に思い出したらしく。
これを聞いてますますこのお茶室の名前が気に入っています(^^)