津屋崎浜の夕陽

読書『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

いつものカメリアステージ図書館から借りてきた一冊です。川越宗一著読書5冊目は、「国性爺(こくせんや)合戦」。国性爺って、なんか聞いたことがあるような気もするけど、何?誰?が、正直なところでした。で、ググりましたら、近松門左衛門の人形浄瑠璃の演目で、のちに歌舞伎の演目にもなっているとのこと。「歌舞伎演目案内」のサイトでは、「鎖国されていた江戸時代にあって、海外を舞台に、日本の血を引いた主人公が中国大陸で王朝の復興をめざし挙兵するというほかに類を見ないスケールの大きな話」と紹介されていました。

中国の海賊の父と日本人の母との間に生まれた混血児である、主人公の福松(のちの国姓爺こと鄭成功)。全編を通してそのひたむきな姿が心に残りました。「行き場のない者たちのための、居場所をつくる」という思いは、本人にとって切実なものであり、切実さゆえにだんだんと空回りするようになっていく姿は、切ないものがありました。それにしても現在の長崎県のエリアは、鎖国の時代において公にも非公式にも海外との交流の入り口であったのだなぁと、あらためて感じます。わたしは10代のときに長崎県に8年間住んでいましたが、本書の題材となった国姓爺も、その前に読んだ梅屋庄吉も知らず…ということで、ちょっと長崎勉強し直さねばと思いはじめました。

川越宗一氏のおかげで、小説を通して日本の近現代史への理解が、もちろん題材は偏っていますが、少しづつは広がっているように思います。と同時に、これまで全く読んでいなかった「司馬遼太郎」に、そろそろ手を伸ばそうかなぁ…そんなタイミングがついにやってきたのかなぁ、という感じになってきました。連休中に、図書館で考えたいと思います^^

『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

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ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その独立準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々雑用)担当として作家活動をサポートしています。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)としても、並行して活動しています。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。