読書『グランド シャトー』(文藝春秋)高殿円著

読書『グランド シャトー』(文藝春秋)高殿円著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『グランド シャトー』(文藝春秋)高殿円著

いつものカメリアステージ図書館から、高殿円さんの追っかけ継続中です^^

文藝春秋の公式サイトでの著作紹介に「 笑って泣ける大阪キャバレー物語」とありました。まさにその文字通り、主人公の泣き笑いの人生が繰り広げられています。先日読んだ『上流階級 富久丸百貨店外商部』が阪急沿線神戸寄りエリアでのお話であったのに対して、本作は現在でいう大阪・JR京橋駅エリアを中心とした物語でした。

こういう本を読むとき、いっときでも大阪に住み仕事で京阪神を歩き回っていたことが、ストーリーに臨場感を与えてくれる恩恵を感じます。地名を聞いて、その場所の景色や空気感が思い浮かぶのは、とてもラッキーなことですね。いずれにしても、著者の関西愛があまりにも溢れていて、なぜかこちらまで嬉しくなります。高殿さんの出身地をみたら、神戸生まれで現在は芦屋に住んでおられるということで。

さて『グランド シャトー』。昭和から平成へ続く物語です。戦後の混乱から、キャバレー文化の隆盛と衰退、テレビ文化の登場と、スピード感のある「人情もの」エンターテイメントでした。「楽しいことは、みんな大阪から始まったんやで!」と叫ぶ主人公のパワーと、彼女をはじめ様々な過去を背負って必死に生きる女たち・男たちの姿、「帰れる場所」への思いが混ぜこぜになって、胸に迫ってきました。切ない物語をお笑いに包んで届ける、技(ワザ)を感じました。

いやぁ、高殿円さん、目が離せません^^

『グランド シャトー』(文藝春秋)高殿円著

投稿者:

ふじゆり@花祭窯

花祭窯おかみ/Meet Me at Art アートエデュケーター ふじゆり のブログです。1997年に開窯した花祭窯は、肥前磁器作家である夫・藤吉憲典の工房です。その独立準備期から、マネジメント&ディレクション(=作品制作以外の諸々雑用)担当として作家活動をサポートしています。工芸・美術の現場で仕事をするなかで、体系的な学びの必要性を感じ、40代で博物館学芸員資格課程に編入学・修了。2016年からは「Meet Me at Art(美術を通して、わたしに出会う)」をコンセプトに、教育普及を専門とする学芸員(アートエデュケーター)としても、並行して活動しています。美術を社会に開き、暮らしと美術をつなぐことをライフワークとして、コツコツと歩んでいます。