頭にあるイメージを絵にする。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

頭にあるイメージを絵にする。

夏休みのお終いが徐々に近づき、息子が美術の宿題に四苦八苦していたので話を聞いてみたら、その宿題は「秋の合唱大会で歌う曲のイメージを絵にする」というものでした。

風景画や静物画のように、目の前にある姿形を写し取って描く絵ならば、ある意味作業として進めることができますが、曲や歌詞からイメージして絵を描くというのは、たしかにもうワンステップ必要。

自分の描きたいイメージをどうしたら紙の上に落とし込むことができるか。ビジュアルイメージが写真のように明確に湧いてくるタイプの人は、すぐに描きはじめることができるかもしれません。ダンナ・藤吉憲典は、そのタイプ。

一方、描きたいイメージを言葉で説明することはできるけれど、それをどうしたら1枚のビジュアルに落とし込むことができるか、すんなりといかないタイプの人もあり、わたしはそちら。イメージを言葉にし、それをもう一度ビジュアルに置き換えるという作業が脳内で発生します。息子もどうやら、言葉に置き換えるところまではうまくいった様子。

言葉からすんなりとビジュアルに置き換えられないときは「すでにあるもの」の手を借りるのが一番。幸い我が家には絵画集がたくさんあるので、それらをぱらぱらとめくり、自分のイメージに近い絵を探します。イメージとまったく同じものは無くても、部分的に合致するものは見つかるので、「この表現だ!」と思うものをいくつか選び出します。

あとはそれらを組合せ模写。「真似はダメ!」ではなく、まずは真似からスタート。古今東西の優れた画家は、たくさん模写をしています。構図、色使い筆遣い。たくさん真似してこそ、真似じゃないものを生み出すこともできるでしょう。それに、我々がどんなに真似したところで、持っている技術が違うのですから、独自性豊かなものに仕上がります(笑)

というわけで、息子も無事に宿題の絵を完成。部分模写したはずのお手本の絵からずいぶんと自然派生して、まったく別なもの=彼にしか描けないものが出来上がっていました(^^)