青年期に美術体験があるということ。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

青年期に美術体験があるということ。

あるところでお題をいただいて、「青年期に美術体験があるということ」について、ちょっと考えていました。

まずは「青年期」というのはいつ頃を言うのかと思えば、ウィキペディアによると15歳から24歳まで。自分に置き換えてみると、中学3年生から大学を出て社会人2~3年目というところです。

次に「美術体験」とは、どんなことをいうのか。日本では美術やアートの体験というと、なにかを描いたり作ったりすること、すなわち「図画工作」をイメージすることが多かったように思います。でもここでいう美術体験は、そのような狭義のものではありません。

わたしは花祭窯のおかみという立場、そしてアートエデュケーターとして「描かない、作らない、だけど美術(の当事者)」ということをずっと言い続けてきたのですが、ここ最近、ようやくそれを理解してくれる人が増えてきたように感じています。

美術体験には、鑑賞体験も含まれていますし、個人的にはその「見る」ことのほうが大切だと感じています。そしてその美術体験は、例えば美術館や博物館などの「見るために用意された場所」での体験に限りません。

「普段暮らしている環境のなかに、どれほど『美術的』なものがあるか。生活のなかに、美術的な習慣すなわち美しいものに出会うために足を運ぶ習慣があるか」の大切さを思います。

青年期、つまり世の中のことが少しづつわかりはじめてくる多感な時期に、美術的なものがどれほど周りにあるかと、美術的な習慣があるかどうかは、その後のその人の人生に影響を与えると思います。それがあることで「普段の毎日を豊かに楽しむ」知恵がしっかりと身につくことを確信しています。