読書『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著

いつものカメリアステージ図書館新刊棚。素敵な本を見つけました。古民家に住んでいますので、伝統建築への興味はあります。けれども、これまでに見つけたその手の本には専門的な用語が多過ぎたり、学術的であったり、少々とっつきにくいものが多く、結果、耳で伝え聴いた古民家についての知識に頼った状態でした。本書はタイトル通り「絵」「図」がてんこ盛りで読みやすく、個人的に「押さえておきたい!」と思っていた知識がきちんと入っておりました。即、購入リスト入り^^

1章「日本の伝統建築の歴史」、2章「日本の伝統建築物」、3章「伝統を支えた職人たち」、4章「日本の伝統建築に使われたものたち」、5章「建築と儀式」。なかでも3章の「伝統を支えた職人たち」と4章「日本の伝統建築に使われたものたち」の情報は、今後、花祭窯の古民家を説明するのにあたり、とても役に立ちそうです。

津屋崎千軒には、明治~昭和初期に同じ筋の大工さんが建てた古民家が何件か残っていて、花祭窯の古民家もその1軒です。いずれの建物も、商家として建てられたからこそ、見栄を張り贅を尽くした作りが随所にあります。建具、欄間、鏝絵、卯立…ふだん身近にあって見慣れていますが、本書を読んで、あらためてその技術の素晴らしさと貴重さを思いました。文化財登録こそしていなくても、文化財に住んでいるようなものかもしれません。

津屋崎千軒にある唯一の登録有形文化財・藍の家では、運営するボランティアスタッフの皆さんが、そのつくりを実際に見ながら詳細に解説してくださいます。わたしにとってはあまりにも身近で、前回ご説明を聞いてからずいぶん時間が経っていますが、本書片手にあらためて解説をお聞きしたら、また新たな発見がありそうです。

『絵で見て分かる伝統建築の図鑑』(秀和システム)斉藤武行著