読書『TRANSIT』No.59(講談社MOOK)ユーフォリアファクトリー

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『TRANSIT』No.59(講談社MOOK)ユーフォリアファクトリー

毎年、雑誌を定期購読しています。定期的に、自分のそのときの興味とは関係なく届くもの(情報)があることは、凝り固まりがちな視野を広げるうえで有効である、というお話をどなたかの文章で知り、それからの習慣になっています。これまでに購読したものは、ナショナルジオグラフィック、婦人画報、イングリッシュジャーナル、プレジデント、フォーブスなどなど、ジャンルもいろいろ。購読期間も、1年ちょっきりでお終いにするものもあれば、面白くて2年以上続けるものとさまざま。情報源を散らばす意図があるので、今のところ最長でも3年です。

2023年の定期購読誌として選んだのが、年4回の発行の季刊誌『TRANSIT』。雑誌ですが「読書」と言ってよいのではないかというボリュームです。到着してまず驚いたのが、その紙質。表紙も中の紙も質感がとても良くて、めくるのが嬉しくなる手触りと、目にやさしい「ピカピカしていないカラー印刷」です。昨今、紙と印刷のコストを省く傾向が感じられる雑誌が多いなか、好感度高し!です。

ページを開けば、写真、文章、データ、並々ならぬ熱意が伝わってきます。「パラパラと読む」ことなどできません。実にさまざまな角度からの記事が並び、ガッツリ向き合って読むことを要求されます。これでもかと充実したコンテンツの数々は、この雑誌が保存版であることを示しています。最後の「編集後記」を読んで納得、海外情報記事によくある「現地ライター」による情報ではなく、制作スタッフの皆さんが実際に現地に足を運んでいるのですね。これは熱量が高くなるはずです。

3月15日発行の59号は東インド・バングラディシュ特集。これまでわたしの守備範囲にまったく無かったエリアでしたので、興味深さは倍増しました。本書を読んで「旅しに行きたいと思ったか」と問われれば、即答できないというのが正直なところです。リアルな東インド・バングラディシュが描かれていた(と感じた)からこそ、単純に「行ってみたい!」とはならなかったのだとも思います。でもその「混沌と神秘」の魅力は、バシバシと伝わってきました。

あともうひとつ、広告ページがもちろんありはしたのですが、それもまたスタイリッシュにまとめられていて、読んでいてまったく妨げを感じなかったのが素晴らしいと思いました。次回は6月で「メキシコ」。これまたとっても楽しみです。