こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
懐かしいものが出てきて、そういえば、と今につながる。
上の写真は真冬のパリ・エッフェル塔と、ローマ・コロッセオ。先日押し入れから引っ張り出した額装物の数々のなかに、紛れ込んでいました。佐賀花祭から津屋崎に越してきた際の引っ越し荷物が、そのまま押し入れに直行していたもので、約10年ぶりの再会。どこに片付けたかなぁ…と思っていたものが、ひょっこりと出て参りました。
写真の日付は1992年2月、遡ること30年前。バイト料をはたいた大学卒業旅行で、わたしにとって初めての海外「ロンドン・ローマ・パリ8日間」の格安弾丸ツアーでした。当時はフィルムカメラ。腕にまったく覚えのない自分が撮ったもののなかで、唯一拡大に耐えると思えた2枚でしたので、記念に引き伸ばし。ロンドンでの写真が無いのが残念ではありますが、その後ロンドンには何度も行っているので、そういうことなのかもしれません。日付を消し忘れたのを、当時は失敗した!と思ったのでしたが、時の流れが瞬時にわかるので、これはこれでいいですね。
ヨーロッパ文化への漠然としたあこがれで「ロンドン・ローマ・パリ」を選んだのでした。各都市滞在2日の貧乏学生向けツアー日程は「ほぼ移動時間」ではありましたが、ここに降り立ち、体感したことで、ロンドン・ローマ・パリへの「そこには自分の好きなものがある」という感覚は、漠然としたイメージから確信へと変わったのでした。
今考えると、なぜ貧乏学生だった自分が、文字通り有り金をはたいて、縁もゆかりもないヨーロッパにこだわったのか不明です。おそらく当時のわたしに聞いても「なんとなく」とか「行ってみたいと思ったから」くらいのものだったと思います。格好良く言えば「第六感に従った」みたいなことかもしれません。
ともあれ「よくぞ出かけた!」と褒めてあげたいのです。なぜなら、その時の体験が、ずっと生き続けていることが、心底わかるから。30年前の写真を飾り、そんなことをつらつらと考えた週末でした。