読書『暖簾(のれん)』(新潮文庫)

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『暖簾(のれん)』(新潮文庫)山崎豊子著

ついに山崎豊子さんに手を伸ばしました。ずっと、いつかは読むのだろうなぁと思いながら図書館の本棚を眺めておりましたが、少し前に松本清張氏の本に手を伸ばしましたので、満を持して(?)山崎豊子さんです。

山崎豊子さんといえば「大長編」のイメージ。『白い巨塔』『大地の子』『沈まぬ太陽』『二つの祖国』…何度もテレビドラマにもなっている原作の宝庫という親しみやすさはありながら、書棚にずらりと並ぶ背表紙を眺めながら、読み終わるのにどれくらい時間がかかるだろう…!?と躊躇があったのも事実です。

本書『暖簾』は、その大長編イメージを裏切る薄い文庫本で、安心して手に取りました。240ページほど。これが処女作だったのですね。大阪を舞台にした商人ものは、時代や環境の違いはあれど、短期間ではあっても大阪で仕事をしていたわたしにとっては、思わずうなずくシーンも少なからず。これはジャンルで言えば経済小説に入るのでしょう。とても面白く読みました。

経済小説と言えば、最近は『半沢直樹』をはじめとした池井戸潤さんもずっと気になっていますが、実は池井戸潤さんの著作にもまったく手を付けていません。『暖簾』が面白かったので、まずは山崎豊子さんの長編、大長編にも取り組もうと思います。池井戸さんにたどり着くには、まだまだ時間がかかりそうです。