続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その3)。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)で、彫刻の歴史をざっと学び直し(その3)。

「その1」では、エジプト・メソポタミア文明からエーゲ・ギリシャ文明まで、「その2」では、エトルリア・ローマから初期キリスト教・ビザンティン、続くロマネスク・ゴシックまでをまとめました。

「その3」ではプロト・ルネサンス(13世紀~14世紀)からルネサンス(14世紀末~16世紀)、マニエリスム(16世紀半~17世紀前半)まで。


プロト・ルネサンス(13世紀~14世紀)

  • プロト・ルネサンス:13-14世紀イタリアの美術様式。
  • 宗教観の変化によりキリスト磔刑像に写実的・彫刻的な立体表現
  • 人体把握・空間性・感情表現。
  • 大聖堂の内部装飾。

ルネサンス(14世紀末~16世紀)

  • 古代ギリシャ・ローマの文化・思想・芸術の再生・復興。
  • 芸術作品を注文する2大パトロン「君主」「協会」に第3のパトロン「ギルド」が登場。
  • 「お守り」としての彫像・壁画・絵画。
  • 初期ルネサンス:ブルネッレスキ(建築)、マザッチョ(絵画)、ドナテッロ(彫刻)。
  • 盛期ルネサンス:レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。
  • ミケランジェロ「私は彫刻家であって画家ではない」。
  • 古代彫刻の模作→マニエリスム様式の起点。

マニエリスム(16世紀半~17世紀前半)

  • マニエリスム:洗練された手法や技巧を意味する「マニエラ」に由来し、滑らかな肌感や優美な線、人為的な色彩を重視。自然を模倣しつつ、自然を凌駕する人工の美しさを追及。
  • セルペンティナータ:蛇がとぐろを巻いたような。多方向から見られることを意識した螺旋状の構図。それまでの彫刻には必ず「正面」があった。
  • 1506年ローマで「ラオコーン(紀元前40~紀元前30年頃)」発掘。→マニエリスム的な構図への契機。
  • ジャンボローニャ「サビーニの女たちの略奪」、ミケランジェロ「勝利」。

『いちばん親切な西洋美術史』(新星出版社)より


ダヴィンチ、ミケランジェロがたくさんの作品を残しているこの時代が、西洋美術史的には彫刻のピークであったのかもしれません。この先時代を進むにつれて、建築・彫刻という立体から、絵画(平面)へと美術の主役が移動するように感じます。

ともあれ近代が近づいてきました。「その4」ではバロック、ロココと進みます。ここから先もまた楽しみです。