失敗した!と思ったものが、うまいこと化けることもあるから面白い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

失敗した!と思ったものが、うまいこと化けることもあるから面白い。

独立してからだけでも約30年のキャリアになるダンナ、制作中に大きな失敗をすることは、あまりありません。それでもたまに、工房から「わー!」とか「あー…」とか、悲鳴めいたものが聞こえることがあり、そんなときは珍しく失敗をしています。完成してもなお「割れもの」である陶磁器は、制作の過程ではなおのこと壊れやすい存在です。

つい先日、本窯焼成が終わり、開いた窯から作品を取り出している最中に、久しぶりに「うわぁ~!」と大声。なにごとかと降りていくと、まあ今回の窯の上りの素晴らしいこと、呉須の発色が完璧でした。では何が起こったのか?ダンナの顔を見ると、見事に完成したばかりのお皿のひとつを裏返して見せてくれました。と、裏が真っ白=裏の絵付をすっかり失念して窯に入れていたようです。まあ珍しいことでした。ぜんぶで5枚、めちゃいい感じに上がった染付皿なのに、裏の絵付が空っぽ…という状態。磁器の「壊れやすさ」とはまったく関係のないところでした(笑)。

こういうことが、ごく稀に起こるんですね。一番ショックを受けているのは本人です。こちらも「珍しいね」とまあ、笑うしかありません。表の絵付が素晴らしい出来でしたので、わたしは笑いながらも、ではこれをどうするか、を考え始めます。器としては、使えるけれど失敗作ですから、「仕方がないから家で使おうか」となるのが常ですが、そうするにはあまりにも完成度が高い。絵付けの題材となっているものから、お客さまの顔が浮かび、そのお客さまの志向・お好みに対して、こんな提案をしたら喜んでいただけるのではないかしら、と頭に浮かんできます。こういうとき、藤吉憲典が器の作り手としてだけでなく美術的なアプローチができることが、可能性をグンと広げます。

ダンナに提案をしてみたところ、OKが出ましたので、さっそくGO!。善は急げで、額縁画材の専門店・大崎周水堂さんへ向かいました。信頼できるスタッフさんに考えていることを伝えると、次から次へと色々と案を出してきてくださいました。おかげさまで、イメージしていた以上に素敵なものが生まれそうです。一緒になって面白がってくださる方があるのは、なんともありがたいことです。というわけで、失敗!が転じた結果を、連休明けにご紹介できると思います。どんな結果になるやら、今からとっても楽しみです。乞うご期待♪