初上海・藤吉憲典展 × 南京路佐々。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

初上海・藤吉憲典展 × 南京路佐々。

上海での藤吉憲典の初展覧会。

上海に限らず、ここ数年、仕事がらみで中国に行って来た人が必ず「実際に現地に行かなきゃわからないことがたくさんあるよ!」ということを仰っていたのですが、それを体感してまいりました。

機会をコーディネイトしてくださったのは、上海で上質な和食を提供している南京路佐々さん。料理人としての修業時代から9年来のお付き合いです。独立なさる前から「僕がお店を持ったら、藤吉さんの個展を開かせてください」とおっしゃってくださっていたのが、実現したのでした。しかも、海外で。

展示の場所は、上海のなかでも特に人気が高いといわれるフランス租界エリア・安福路。大きな街路樹とモダン&シックな建物が、上海の歴史を感じさせるおしゃれな町並みのなかに位置するギャラリー「未在味在空間」さん。質感の良い白い壁と大きな窓からの採光が、素晴らしく魅力的な空間でした。

展覧会と食事会とで3日間のスケジュールでしたが、とても濃密な3日間でした。若い方々、カップルや親子連れなども多く足を運んでくださり、しかも皆さんとても熱心でした。上海の若い方々が、伝統文化や芸術にとても関心が高いことが伝わってきて、それはわたしたちにとって新鮮で嬉しい発見でした。

ご来場くださった皆さんが熱心に技術的なこと、文化的背景のことなど、深い質問をたくさん作家に投げかけてくださり、藤吉憲典としてもやりがいを感じる3日間だったようです。二日間ほぼ立ちっぱなしでしたが、通訳さんを介してたくさんお話ができたことを、とても喜んでいました。

海外での個展は、国内での開催に比べて手配すべきことがどうしても多くなります。今回も、佐々さんはじめ何人もの「その道のプロ」の方々が惜しみなくご協力してくださいました。おかげさまで、初めてにもかかわらず、たくさんの方々にご覧いただくことができました。

この場を借りて心より感謝申し上げます。ありがとうございました!

 

↓展示会場の様子は、こちらでも写真をご紹介しています↓

藤吉憲典フェイスブックページ(アルバム2018上海個展 南京路佐々×藤吉憲典)

藤吉憲典の中国茶器。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の中国茶器。

2018年はスタートから台湾、そして上海と、中国茶の文化に触れてきました。そこには感謝しきれないほどのご厚意やご協力があって、なんといってもその方々の伝統文化や芸術に対する熱い想いがありました。

これは必ず形にしなければならない、形にしたい!ということで、ようやく一つの形になったのが、写真の揃いです。

染付龍文中国茶器揃 藤吉憲典

藤吉憲典の中国茶器。

これがスタート。

もっともっと形になっていくことでしょう(^^)

 

藤吉憲典の野薔薇香合。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の野薔薇香合。

古伊万里の古典文様からの「写し」文様が多い藤吉憲典のやきものですが、長く続いている人気のオリジナル文様がいくつかあります。今回ご紹介している野薔薇(野バラ)文様は、そんなロングセラー文様のなかのひとつで、つくり手もわたしも、とても気に入っているもののひとつです。

藤吉のオリジナル文様の一番の特徴は、それが「身の周りにある自然の風景」のなかから生まれていること。この「野バラ」も、佐賀に居たころ春になると山にたくさんつぼみがついて、花が開くのが楽しみだったものです。

野バラの花の小ささとマットな白色と、花が開いてから次第に現れてくる薄桃色に惹かれます。野性味を感じるトゲや蔓状の茎も魅力です。それらの魅力が詰まったのが、この香合。

香合と名前はついていますが、中にしまうものは何でもOKです。あなたなら、なにをしまいますか?

 

藤吉憲典のチューリップ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典のチューリップ。

古伊万里に見られる古典文様の写しを発展させることの多い文様のなかにあって、上のチューリップ文様は藤吉憲典のオリジナル。ただ、古いものにチューリップの文様が全くなかったかというとそうではなく、肥前磁器にもいくつかの古典文様が残っています。

画質が荒いですが、下の写真、真ん中のマグカップの文様が、古典的なチューリップ文様。もともとは皿に描かれていたものを、マグカップの文様に仕上げたもので、オリエンタルな雰囲気です。

マグカップ 藤吉憲典

チューリップがオランダで大ブームになったのは17世紀。日本には江戸時代後期に渡ってきたと言われていて、時代的には肥前磁器の歴史にも重なっているので、チューリップ文様があるのも不思議ではありませんが、ヨーロッパからのオーダー品に描かれたのが最初だったのかもしれませんね。

そして、↓こちら↓が、藤吉憲典オリジナルのチューリップ文様。

藤吉憲典 チューリップ大皿

文様自体はオリジナルですが、デザイン的には古伊万里の文様のパターンをきちんと継承しているため、古典文様といってもばれないかもしれません(笑)長いこと染付文様のチューリップだけだったのですが、「赤絵も見たい!」という声に応えて、今回作ってくれました。

期待以上に良い雰囲気に仕上がりました(^^)

 

花祭窯ニュースレタースタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

花祭窯ニュースレタースタート。

その名も「花祭窯便り」。メールマガジンでもウェブマガジンでもなく、文字通り「紙」のお手紙です。以前にも季節のお便りを作っていたことはあって、主に個人のお客さまにお買い上げ品をお届けする際に一緒に送っていましたが、このところサボっていたことを思い出しました。

もともと個人的には手紙を書くのが好きなので、「封筒と便箋と切手」を常に揃えておくようにしています。郵便局に行くたび記念切手をチェックして、雰囲気の良いものはすかさずゲット。お客さまに宛てて個展のご案内状をお送りするときは、宛名は自分の手で書くことを決めています。

そんなわけで、仕事上でもアナログな方法でのご連絡を差し上げることは少ない方ではないと思いますが、インターネットを利用することがあたりまえになり、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSで情報発信がしやすくなってくると、ついついネット上でのお知らせに偏ってしまっていたのではないかと反省。

ニュースレター「花祭窯便り」復活第1号は、本日2018年10月10日号。定期的に決めて出さずとも、お友だちに出すように、お手紙を書きたくなった時に書香かな、と思っています。

お届けするタイミングは、お客さまへの器のお届けの際に同梱したり、お手紙でのご連絡の際に同封したりという感じです。津屋崎の花祭窯にも少しおいておこうと思いますので、ご来窯の際は、ぜひ手にとってご覧くださいませ(^^)

 

藤吉憲典の源氏構図香炉。ときどき、頼まれもの。

おはようございます。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の源氏香図香炉。ときどき、頼まれもの。

写真は、藤吉憲典のつくった染付源氏香図香炉

「源氏香図」は、やきものの文様として江戸時代からあったもの。やきものだけではなく、伝統工芸品の文様として知られています。

10年以上前のことですが、東京で香道の先生をなさっている方から藤吉憲典に、聞香(もんこう)に用いる香炉「聞香炉(ききごうろ)」をつくってほしいとご相談があり、おつくりしたのが最初でした。通常、「これをつくってほしい」というご相談に対しては、お断りすることも多いのですが、作り手・藤吉憲典が興味を持ち「やってみよう」と思えば形になります。

香道なるものがあるとは知っていたものの、実際どのようなものかはさっぱりわからなかったわたしたち。ご相談をくださった先生にたくさんお話を聞き、書籍を探し回って調べ。当時、香道をなさっている人が身近におらず、実際にお使いになっている様子を見ることができないままに取り組んでのでした。

香道も茶道と同様、独特の世界があるようで、例えばその流派御用達の道具屋さんが扱うものしか、正式の場では使うことができないなどの決まりごとがあったようです。けれども道を究めるほどに「この道具はもっとこうあってほしい」という意識も高まるようで、せめて自分が家で楽しんだり、仲間内で香遊びをするときには、自分がほんとうに気に入ったものを使いたい、というのが、その方のおっしゃったことでした。

おかげさまで、手に持った感じのおさまり具合など、理想に限りなく近いものとなったようで、とても喜んでいただけた仕事でした。

 

藤吉憲典の動物シリーズ

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の動物シリーズ。

動物ものはいろいろと手掛けていますが、シリーズ化しているものは、実はまだそれほど多くありません。

スタートはカバでした。

カバ 藤吉憲典

カバのウィリアムさん。by藤吉憲典

次に、サイ。

藤吉憲典 サイ

そして、今手掛けているのが、ゾウ。

藤吉憲典 動物シリーズ

上のゾウは形を作ったところです。なんといっても形が決まるまでが一番時間のかかる作業のようです。いかにそれらしく見えるか!?というのはまずその姿かたちが肝のようです。

これから素焼きに入り、本窯に入り、絵・色がついて、赤絵窯。そして出来上がりです。

果たしてどのように出来上がるのか。はじめての造形はわたしには完成の姿がなかなかイメージがつかず、それだけにとっても楽しみです。

 

 

伝統継承事業スタート。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

伝統継承事業スタート。

「肥前磁器の価値を高める仕事をし、
肥前磁器の伝統技術・文化を後世へ伝える」

1997年花祭窯の創業当初から、磁器作家・藤吉憲典が掲げ続けている事業使命です。独立から20年以上が過ぎ、そろそろ具体的に取り組みをはじめるべきだろうと考えていましたが、このたびやっと皆さんに告知できる形になりました。

花祭窯:磁器作家プロフェッショナルコース

タイトルにあるとおり、プロ作家向けのコースです。次のような方々を、受講者として想定しています。

  • すでに作家として独立していて、更に仕事の幅を広げたい人。
  • 窯元のデザイン担当などで、商品開発力をもっと強化したい人。
  • 勤め中・在学中で、近い将来作家として独立予定の人。
  • 陶芸の道に進んでいるが、デザインを勉強した経験が無い人。
  • 窯元などで部分的な工程しか経験できず、全体を学びたい人。

事前にしっかりと面談をしてお互いの意思を確認してから、正式申込となります。意欲ある方からのお問合せをお待ちしております!

並べるということ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

並べるということ。

6年目となった中学生職場体験も本日が最終日。今年も「陳列棚の掃除と器並べ」をお願いしました。器を一度すべて別の場所におろし、棚を拭き上げ、器も拭き上げて、また棚に戻してもらいます。

ワレモノなので、最初に扱い方の注意をします。両手で扱う、低い位置で扱う、など。「拭く」作業では緊張している中学生ですが、棚も器もきれいになって、「並べる」作業になると嬉々とした表情になります。

たかが「並べる」、されど「並べる」なのだと思います。色も形も様々な器を、制約無しに「思うように並べていいよ」と伝えると、ただ折り目正しく並べるという以上に、創造性を働かせた並べ方をしてくれるのが、見ていて楽しいです。

染付の器 藤吉憲典

藤吉憲典 干支の酉

藤吉憲典 カブトガニ

単調になりそうな仕事も、思い入れようで楽しくなる。そんな仕事ぶりを見せてもらいました(^^)

 

気がつけば、半獣半人。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

気がつけば、半獣半人。

ダンナ・磁器作家の藤吉憲典の作品解説シリーズ。

もともと「半獣半人」というテーマを決めていたわけではなく、シリーズ化する意図もまったくなかったけれども、思うままにつくっていたら増えていた。というのが実際のところのようです。無意識に惹かれるものがあるのでしょうね。

タイガーファミリー 藤吉憲典
タイガーファミリー 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
サイの戦士 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
ドラゴンキッズ 藤吉憲典
藤吉憲典 RED WOLF
レッドウルフ 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
ドラゴンキング 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典
人魚 藤吉憲典

古代遺跡の壁画に残っていたり、神話に登場したり、妖精であったり、悪魔の化身であったり。古今東西を問わず、畏怖すべき対象として存在する「半分、人」というモチーフは、想像力・創造力を働かせる仕事をする人にとっては、見過ごすことのできない魅力的なテーマのようです。