銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(3)

錦葡萄文徳利と筒猪口 藤吉憲典

やきものに描かれる葡萄(ぶどう)の文様は多様です。組み合わせで描かれることも多く、「鹿(しか)葡萄」「栗鼠(りす)葡萄」「葡萄に竹垣」「葡萄に蝶」葡萄に花唐草」など、染付でも赤絵でも多様に描かれています。

写真は、徳利に赤絵の栗鼠葡萄(りすぶどう)。筒猪口は葡萄だけになっていますが、バランス的にちょうどよい感じです。

藤吉憲典が言うには、絵付をするときに、細かくたくさん描き込むのは実はある程度訓練を積めば、それほど難しくないそうです。センスが問われるのはむしろ、いかに余白を生かす絵付ができるかどうか。そういう意味では日本画と同じですね。やきものは立体である分、三次元的な空間把握のデザインセンスが要りそうです。

もし「赤絵の器は、食卓で使いにくいのでは」と思っている方がいるとしたら、それは「描き込み過ぎ」の赤絵の器のイメージによるものかもしれません。我が家には赤絵の器がたくさんありますが、食卓に花を添えてくれる赤絵の器は、とても使い勝手が良いものです。

ぜひ銀座で、使い勝手の広がる赤絵の器を手に取ってみて、実感してください。

 


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(2)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(2)

染付波兎文段付皿 藤吉憲典

藤吉憲典 染付波兎文7寸皿

段付きのお皿は、古伊万里からの人気文様を写しています。写真は6寸皿ですが、柄違いで6寸皿と7寸皿をお持ちする予定です。

古伊万里写し 染付段付き皿 藤吉憲典

ベーシックな丸いお皿。6寸~7寸皿は何を盛ってもさりげなく決まる、食卓の強い味方です。昨今は同じ文様で枚数を揃えるご家庭は減っていて、文様違いで取りそろえ、ご家族それぞれが好きな文様を使うという方が増えてきています。我が家で使っているこの手のお皿も、2枚と同じものはなく。

ぜひ実物を見て、あなた好みの「美」を見つけてください。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典個展-肥前磁器の美(1)

いよいよ来週7月14日(土)初日を迎えます。今日から少しづつ、会場にお持ちするものをご紹介してまいります。

染錦鮑型向付(魯山人写し) 藤吉憲典

魯山人写し 藤吉憲典

魯山人写し 藤吉憲典

写しとは言いながら、魯山人のつくったものを手元に置いて作ったわけではありませんので、正確には「写し」とは呼ばないのかもしれません。

これを創るときに藤吉憲典が手元に置いていたのは、ほんものの鮑貝。工房のある津屋崎は、砂浜まで歩いて行けるので、このような素材が手に入ります。素晴らしい環境。「模様から模様をつくらず」と言ったのは、近代陶芸の巨匠のひとり富本憲吉ですが、藤吉憲典もまた佐賀時代からずっと、そのスタンスを大切にしています。

つくりも絵付も、丁寧でありながらおおらかさを併せ持ちます。料理人さんの心に響く器になっていると思います。ぜひ銀座で手に取ってご確認くださいませ。

 

銀座黒田陶苑さんと北大路魯山人との繋がりについては、銀座黒田陶苑さんのサイトにある社史でもご紹介されていました。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑 2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223

KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition, The Beauty of “Hizen Poecelain”

KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition at GINZA KURODA TOEN

ceramicartist kensuke_fujiyoshiJuly 14th – 19th, 2018

The Beauty of “Hizen Poecelain”, inheriting the porcelain craftsmanship known as “Old Imari”

柿右衛門調 藤吉憲典 藤吉憲典 染付波兎文7寸皿

藤吉憲典 染付鹿紅葉文7寸皿 藤吉憲典 魯山人写し

藤吉憲典 染付葡萄文菊型皿 藤吉憲典 染付祥瑞六角のぞき


I have no master teacher. The inherited “Hizen-toji” porcelain works which had been produced in the Edo period (1600’s-1800’s) are my teachers.

Unlike many other porcelain artist, one of my unique point is that I do all product processes myself. Porcelain products usually need several professional craftsman for each process. Fabricating with potter’s wheel, underglaze painting , overglaze painting and so on. As a result of doing all these processes myself, all my artwork has harmonious beauty.

I hope you enjoy my artwork in your everyday life.

Kensuke Fujiyoshi


KENSUKE FUJIYOSHI solo exhibition, The Beauty of “Hizen Poecelain”

July 14th – 19th, 2018

Ginza Kuroda Touen

7-8-6 Ginza, Chuo, Tokyo (Map)
Tel. +81-3-3571-3223
Open from 11am-7pm. Closed on Mondays.

 

 

 

ー肥前磁器の美ー銀座黒田陶苑。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

―肥前磁器の美-銀座黒田陶苑。

七月は銀座黒田陶苑さんで2回目の、藤吉憲典展。昨日到着した案内状を開いて、とっても嬉しくなりました。

そこにあったのは「-肥前磁器の美―」の文字。

銀座黒田陶苑 藤吉憲典展

藤吉憲典のつくる器を形容する言葉として、これほどシンプルでありながら本質をついたタイトルは無いような気がします。

個展初日まで、あとひと月。どうぞご期待くださいね。


ー肥前磁器の美ー
藤吉憲典 個展
2018年7月14日(土)-7月19日(木)
※16日(月)は定休日。
11時-19時

銀座 黒田陶苑2階展示室
東京都中央区銀座7丁目8番6号
TEL03-3571-3223


 

「写し」の文化。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

「写し」の文化。

上の写真は、藤吉憲典のつくった「染錦鮑型向付」。古典がお好きな方なら、すぐにお気づきになると思いますが、北大路魯山人のつくった鮑型向付に、同様のものがあり、その「写し」です。

やきものの文化は「写し」の文化。「写し」とはすなわち、古典と呼ばれる古い名品に倣ったカタチや絵付をして、現代によみがえらせることです。例えば、藤吉憲典がつくる「器」に目を向けてみると、生み出される作品の8割くらいは「写し」または写しを組み合わせたもの、発展させたもの、ということになりましょう。

ただ、これは藤吉に限らないのはもちろん、古伊万里に限ったことでもありません。広く周辺を見渡せば、やきものの世界に限ったものではありません。古き良きものをまねるところから、スタートする。これはあらゆる分野で行われていること。

「写し」の本来的な意味は、『そのまま真似するのではなく、元よりももっと良いものにすること』にあり、そのことがもっとも大切であると考えています。またそのためには、一番最初にその形をつくり文様を描いた人がどのようなつもりでそれを生み出したのかにまで思いをはせることが必要です。以前にもこのテーマについては記事にしていました

文様の話、古典とオリジナル(1)

とはいえ自分の目できちんと見ないと、単純に「あの名品の写しだから良い」ということだけで、評価してしまうという失敗が起こります。またそれが、ほんとうに「写し」といえるものであればよいけれど、往々にして「表装だけを真似ている」なんてことが。

福原義春さんの著書『美-「見えないものをみる」ということ-』


「本歌取り」「見立て」によって日本人は文化を進化させてきた。これは「質を落としながらのコピー」とは根本的に異なる。


と書いてあります。これを読んだときに、「写し」の考え方を正しく表現するための言葉遣いとして、我が意を得たりの心境でした。

『美-「見えないものをみる」ということ-』については、こちらにもわたしにとってこの本は、精神的な拠り所のひとつとなっています。

本ふたつ

2016藤吉憲典展覧会ふりかえり。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

街に出ると道路もお店もなんだか人も車もたくさん。クリスマスが終わり、一気に年末モードですね。

さて2017年の予定をご紹介する前に、

2016年の藤吉憲典展覧会ふりかえり。

今年は「初めて」の多い年でもありました。


<3月>岡山・ギャラリー栂(とが)さん

やきものの里・備前からほど近い山里にギャラリーをお持ちの栂さんでの個展。オーナー栂さんが津屋崎まで足を運んでくださって、たくさんお話しをして、今回の個展が決まったのでした。藤吉憲典は栂さんではもちろん、中国地方での初めての個展でしたが、地元のお客さまがたくさんいらしてくださり、とても嬉しい出会いとなりました。

<5月>ロンドン・Sladmore Contemporary

2015年にロンドンSaatchi Galleryでのアートフェアデビューに続いて、企画展のチャンスをいただきました。展覧会“Five Ceramicists”は、ロンドン、韓国、日本からSladmoreに所属する5名の陶芸家による企画展。どんなお客さまが自分の作品を見に来てくださるのか、Sladmoreの常連のお客さまの反応を直接感じることができたようです。2017年の個展に向けて、嬉しく刺激的な機会となりました。

<6月~7月>熊本・SUNNYさん蕎麦猪口展。

今年3年目となったSUNNYさんのオープン記念展。4月の熊本地震で被災されながらも、いち早くお店を再開なさったオーナーの藤川さん。たいへんな状況のなか、少しでも熊本に元気を取り戻したいと、蕎麦猪口展も予定通り開催してくださいました。初日にはSUNNY訪問。お元気そうな姿を拝見して安心、こうして毎年お会いできることをあらためて喜びました。

<7月>銀座・黒田陶苑さん

オーナー黒田佳雄さんとお会いしてから3年を経ての黒田陶苑初個展。藤吉憲典は「原点回帰」をテーマに、あらためて古伊万里に臨みました。おかげさまで、目の肥えたお客さまがたにも楽しんでいただけたご様子で、ほっと一安心。旧知のお客さまもたくさん足を運んでくださり、ありがたい個展となりました。次回再来年に向けて、早くも意欲が高まっています。

<12月>町田・ももふくさん

3回目となるももふくさんでの藤吉憲典展。個展初日は作家が腰かける暇もないほどにお客さまがお越しになり、感謝の一日となりました。女性のお客さまが比較的多いももふくさん。「お家で日常使いの器」をテーマに掲げた今回の個展は、久しぶりに「飯碗と湯呑」がたくさん。器選びを楽しんでいただけた様子の伝わる、とても嬉しい個展でした。

<12月>神戸・壺屋さん片口展

今年はじめにオーナーの岡本さんに初めてお会いしてから1年足らず。熱狂的な器好きのお客さまを抱える壺屋さんでの、作品紹介の機会をいただきました。今回は10名の作家のなかの1人として参加。おかげさまで出展作品すべて完売という嬉しい「壺屋デビュー」となりました。2017年には初個展の機会をいただいています。また新たなチャレンジです。


書きながら、今年いただいた素晴らしい機会に、あらためて感謝の気持ちがこみ上げてきます。

個展を主催してくださったギャラリーさんに、そしてその先におられるお客さまに、心より感謝申し上げます。ありがとうございました!

個展が終わったら、お礼状。

こんにちは。花祭窯専属キュレーター・ふじゆりです。

本日より、「花祭窯の番頭役」から「花祭窯専属キュレーター」に肩書きを変えました(笑)
いつも、自分の肩書=何をする人なのかの説明に最適な言葉が見いだせず、
名刺をつくるたびにどうしようかと思案していたのですが・・・
とある本に書いてあった「キュレーター」の解釈がしっくりきたので、しばらくこれでいこうと思います。

さて

銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典個展が終了したので、お礼状。

毎回個展が終わってからの大切な仕事の一つに、お礼状書きがあります。

おおかたのギャラリーさんでは、個展終了後に会期中の芳名録をくださいます。
(芳名録を置かない、置いていてもつくり手には出さない方針のギャラリーさんもあります)
この芳名録のお名前と、つくり手やわたしが在廊中にお越しになったお客さまでお名前のわかる方には、
個展終了後にお礼状をお送りしています。

ときどき
「芳名録に、自分の名前を書いていいのかどうか迷う」
とご質問いただくことがあります。

芳名録に名前を書くか書かないかは、もちろんお客さまの自由です。
個展にお越しくださったすべてのお客さまが書いてくださっているわけではありません。
ただ、ここにお名前を残してくださると、ご来場に対する感謝の気持ちを伝えることができます。
なので、わたしたちは、お名前を書いてくださると嬉しいです、とお答えしています。

かくいう自分たちは、いろんな方の個展におじゃまして芳名録に名前を書くかどうか、ですが・・・
引き続き、その作家さんからの案内状などを送っていただきたいとき、
そのギャラリーさんでの催しのご案内をいただきたいときには、書くようにしています(^^)

銀座黒田陶苑さんに行って来ました。

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。無事、会期終了いたしました。

ご来場くださいました皆さま、誠にありがとうございました。

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

藤吉憲典個展@銀座黒田陶苑

原点回帰=肥前磁器の伝統文化を感じていただけましたでしょうか。

初日、二日目と在廊した藤吉。
たくさんのお客さまとお話しすることができ、とても嬉しく
たいへん勉強になった二日間だったと申しております。

わたしも最終日に向かっての二日間を在廊しました。
1階の常設、3階の特別展示と、時間を見つけて黒田陶苑さんの所蔵するやきものを拝見。
眼福のひとときでした(^^)

次回は再来年。
まだテーマは決定しておりませんが、藤吉憲典のあらたな側面をご覧いただければと思っております!

ありがとうございましたm(__)m

やきものができるまで(磁器の制作工程)・後半

こんにちは。花祭窯の番頭役・ふじゆりです。

7月21日(木)まで開催の銀座黒田陶苑さんでの藤吉憲典(ふじよしけんすけ)個展。
原点回帰=肥前磁器の伝統文化をしっかり感じていただくことがテーマになっています。

より深く楽しんでいただくための一助になれば・・・
ということで

↓肥前磁器についてこれまでに書いた記事はこちら↓

○肥前磁器(ひぜんじき)とは?

○染付(そめつけ)・赤絵(あかえ)・染錦(そめにしき)

○古伊万里(こいまり)のこと

○やきものができるまで(磁器の制作工程)・前半


本日は

磁器の制作工程について(後半)

上の写真は絵付に使う筆。
右手に見えている徳利などは、素焼きから上がった状態です。
この素焼きの状態の生地に、下絵付をします。

下絵付け(染付)

素焼きから上がった生地に、呉須(ごす)というコバルトを含む絵の具で絵付をします。
これが染付(そめつけ)の青色になります。

呉須は構成成分の割合によりさまざまな種類があります。
さらに自分好みの青色を出せるかどうかは、呉須の種類だけでなく、
陶土・釉薬・焼成方法などの条件の組み合せによっても変わってきます。

施釉

下絵をつけ終わった生地に釉薬(ゆうやく)をかけて、本窯焼成をします。

釉薬もまた、たくさんの種類があります。藤吉憲典は柞灰釉(いすばいゆう)を使っています。
柞灰釉は柞の木からつくった木灰を原料とした釉薬です。
性質が不安定で、呉須との相性や窯の焚き方に左右されやすい釉薬ですが、
独特のやわらかい肌合いを出すことができます。

藤吉憲典にとっては、理想とする古伊万里の雰囲気に最も近づけることの出来る釉薬です。

本窯焼成

藤吉憲典は電気窯を用いています。
現在、磁器制作において主に利用されている窯は、ガス窯や電気窯です。

火の色が景色となる土ものと異なり、
磁器では絵付の美しさを楽しんでいただくのも価値のひとつ。
そのためには薪で焚く窯は不安定すぎ、安定した焼成のできる窯が理想です。

おおよそ24~25時間かけて、最高温度1300度近くまで上げていきます。
途中ガスを入れながら還元焼成をかけます。

電気窯では、時間と温度を管理するプログラムが組み込まれていますが、
その日の気象などによる影響があるため、
温度の上がり具合や窯の内部の様子を確認しながらグラフをつけています。

染付の器は、この窯からあがったら、完成です。

赤絵付け

赤絵・染錦と呼ばれるものは、本窯焼成からあがった器に上絵付け(赤絵付)を施します。

色の種類が多く、赤ひとつとっても多様です。藤吉憲典は特に「赤」「緑」の色選びにこだわっています。
粉状の顔料をよく磨り潰し、水で溶いて絵の具にします。
絵を赤絵窯に入れるまでは、描いた部分に手が触れると消えてしまうため、
繊細な気配りが必要になります。

赤絵窯

赤絵窯では6時間から7時間かけて780度まで温度を上げていきます。
絵の具の種類により気化する温度が変わってくるため、温度を上げすぎないよう注意も必要です。

金やプラチナを使用する場合は、より低い温度での焼成となります。

赤絵窯からあがってきたら、底の仕上げをして、検品してできあがりです。

染錦花鳥文大鉢 藤吉憲典
染錦花鳥文大鉢。染付と赤絵を組み合せた染錦の器です。