江副さん→中内さん→孫さん。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

江副さん→中内さん→孫さん。

プロ野球日本シリーズで、ホークスが四連覇。ホークスがリーグ優勝、クライマックスシリーズ制覇、日本シリーズ制覇と勝ちを重ねるたびに、楽しみにしているシーンがあります。それは、球団オーナーの孫さんが会長の王さんと一緒に、ほんとうに嬉しそうにグラウンドで選手やスタッフをねぎらう姿。

孫さんは、グラウンドで選手たちに胴上げをされた、日本プロ野球界初のオーナーだったのではないかと思います。まるで子どものように笑顔でグラウンドに飛び出して喜ぶ孫さんの姿をテレビで初めて見たとき、旧ダイエーホークスがソフトバンクに託されたことを、ほんとうに良かったと思ったのでした。四連覇の円陣万歳をテレビで見ながら、その時の気持ちがあらためて蘇り、温かい気持ちになりました。

話はさかのぼって20数年前のこと、江副さんがリクルートをダイエーの中内さんに委ねたというニュースが入ってきたのは、わたしがリクルートグループに新卒入社して2か月が過ぎたときでした。「なぜ、ダイエー!?」。近々あることだとは思っていても、唐突に、しかも全く業界の異なる中内さんに託されたというニュースに、キャリアの長い方ほど動揺していたのを思い出します。もともと離職率の高さでも知られていたリクルートですが、これをきっかけに退社した方はかなり多かったようです。

わたしは入社3年目で福岡に異動したとき、オフに入るダイエーホークスのサポートに、ほんのちょっぴりですが関わる機会に恵まれました。西武から秋山、工藤、石毛などが大量移籍してきた後で、小久保がプロ入り・新人賞獲得、という時代のことです。そのときほんの2-3時間ほどでしたが、ご一緒した王さんの人柄に触れ、わたしはずっとホークスを応援していこうと決めたのでした。

そしてダイエーからソフトバンクへ。「なぜ、ソフトバンク!?」このときも、新興のIT企業に球団を持たせることに、反発している人たちがかなりたくさんいました。でも、わたしがこの時感じたのは、江副さんが中内功さんという人物への信頼でリクルートを託したように、今回もまた、孫正義さんという人物への信頼でホークスが託されるのだろうということでした。

このころには「なぜ江副さんが、中内さんに託したのか」と、それが最善の選択であったということを、末端の社員ながらもなんとなく勝手に理解していた部分がありました。当時よく言われていたのは(語弊を恐れずに言えば)「中内さんは、何もしなかった」のであり、それがリクルートのDNAを生かす最善の策であったということです。

ダイエーに、というよりは中内さんに。ソフトバンクに、というよりは孫さんに。大企業の経営決断においても、経営者同士の熱い思いこそが大きな実を結ぶのだと実感させられるリレーです。わたしにとってホークスの活躍は、その実感そのもの。来シーズンも応援します^^