2026年映画6本目は、直方谷尾美術館イベント『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

2026年映画6本目は、直方谷尾美術館イベント『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』

直方出身の世界的写真家・鋤田正義氏。前回鋤田正義氏の写真展を観に行ったのは2018年4月のことでしたので、もう8年前になります。少し前に、鋤田氏から直方谷尾美術館へ作品寄贈(約300点)があったというニュースを聞いて、ということはコレクション展があるはず!とひそかに期待していたところでした。その第一弾が2026年4月29日(水・祝)~6月7日(日)まで開催されています。

鋤田正義写真展 鋤田の眼 時代の向こうを見る眼

直方谷尾美術館 鋤田正義写真展

5月5日子どもの日、朝一番に直方へ向かいました。花祭窯のある津屋崎からは、車で1時間かからないぐらいの距離です。美術館のオープンと同時に入場し、まずは学芸員研修会で顔馴染みの、直方谷尾美術館学芸員の市川さんにご挨拶できたのが嬉しかったです。デヴィッド・ボウイ、YMO、忌野清志郎…レコードジャケット等でお馴染みの写真はもちろん、初めてみるものもたくさんで、コンパクトな会場ながらも大満足でした。個人的には、土屋昌巳のカットがあったのが一番嬉しかったです。何周もして堪能した後は、午後からの映画上映に備えて、腹ごしらえ。

映画「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」も、実に見ごたえがありました。YMOの面々がそれぞれに鋤田さんと対談しているシーンがたくさん含まれていて、幸宏さんやキョージュがもうこの世にいないことがなんだか信じられず、細野さん絶対長生きしてね!の気持ちでした。約2時間の上映を見終えてまず思ったのは、こうしちゃいられない!ということ。あの時代からずっと世界で仕事をしてきた人の姿を見せられて、まだまだぜんぜん足りていない自分たちのことを思い、ものすごいモチベーションアップになりました。

というわけで映画6本目は、美術展関連の上映でした。映画は1日限りのイベント上映でしたが、写真展は6月7日まで開催中です。ぜひ^^

映画『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』

直方谷尾美術館「鋤田正義写真展 鋤田の眼 時代の向こうを見る眼」

読書『大日の使途』(PHP研究所)川越宗一著

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読書『大日の使途』(PHP研究所)川越宗一著

川越宗一著作の追っかけ継続中です。本書は16世紀キリスト教伝来のお話。日本史の教科書で顔なじみのフランシスコ・ザビエルが来日した時に、その案内を務めたといわれる「ヤジロウ」なる人物が主人公です。読了後、この人は実在したのかしら?と素朴な疑問が頭に浮かびましたので、少し調べてみたところ、鹿児島県の公式サイトに関連記事を発見。

鹿児島県/キリスト教伝来の地

あっさりとした表記ではありますが「1549年(天文18年),日本最初のキリスト教伝道者フランシスコ・ザビエルの一行が鹿児島に上陸しました。彼らを案内したのは鹿児島人アンジロウ(ヤジロウ)でした」(鹿児島県公式サイトより)とあり、実在の人物がモデルであったことがわかりました。

川越宗一氏の著作を何冊も読むなかで、しばしば「キリスト教」が登場するのですが、読むほどに「布教」の名目の背後にある欲、植民地支配的な実質的な目的が見えてきて、なんだかなぁ、やっぱりそうだったんだよなぁ、という気分になります。そうだと思ってはいても、キリスト教に限らず、宗教の表の顔と裏の顔に、うんざりしてしまいます。宗教間での争いや弾圧の被害に巻き込まれるのが、素朴に救いを求める末端の人々であるというのは、国家間での戦争に民間人が駆り出され攻撃を受けるのと同じように見えます。

本書のなかで、仏教だろうとキリスト教だろうと、デウスだろうと大日だろうと、その信心を拠り所にして心が救われる人がいるならば、誰が神であろうと良いというようなセリフがあり、本来そうであるはずだよなぁと思いながら読みました。

『大日の使途』(PHP研究所)川越宗一著

肥前磁器作家・藤吉憲典の近況-北京個展と銀座個展に向けて、鋭意制作中。

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肥前磁器作家・藤吉憲典の近況-北京個展と銀座個展に向けて、鋭意制作中。

北京での個展予定を延期にしたときに、喜水ギャラリーオーナーの楊さんから、茶器セットをもっと送って欲しい!というご相談がありました。花祭窯はふだんからあまり在庫が無いので、追加分=新たに制作になります。まあまあな数のご希望がありましたが、せっかくの個展機会ですので、了解!ということで制作に入りました。藤吉憲典の磁器制作は工程が多いので、完成までに時間がかかります。幸い北京への物流は現在はまったく問題なく動いていますので、作品がすべて出そろい次第、個展会期の検討に入る手はずになります。

一方で、7月開催の銀座黒田陶苑さんでの個展に向けても、鋭意制作中。そろそろ案内状用の作品を選んでお送りするタイミングです。個展案内状(DM)に掲載されているものをご覧になって、ねらいを定めてお越しになるお客さまも少なくありません。今回の個展でどういうものをお披露目したいのか、作家の心意気が伝わるものを、DM用にお届けしたいところです。7月という季節柄、前面に出るのはやはり染付の器になりそうです。銀座にいらっしゃるお客さまをイメージして、どれにしようか検討するのも楽しい仕事。

新たに個展案内状の郵送をご希望のお客様は、藤吉憲典公式サイトに記載のお問い合わせ方法で、ご連絡くださいませ^^

2026年映画5本目は『プラダを着た悪魔2』。

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2026年映画5本目は『プラダを着た悪魔2』

楽しみにしていました。上の写真は、年初に「今年観たい映画」として挙げていた3作品ですが、嬉しいことにコンプリート♪少し前に「金曜ロードショー」で20年前の前作が放映されましたので、予習。画面越しに見るアン・ハサウェイはすごく若かったんだなぁ、と再認識しましたが、当時22~23歳ぐらいだったようですね。そして予習といえば、メリル・ストリープ演じるミランダのモデルといわれている、アナ・ウィンターのメットガラ(DVD)を、3回観てから臨みました(笑)。

5月1日の公開初日は、平日金曜日とはいえゴールデンウィーク中の「ファーストデイ」でしたので、人が多いかもしれないなぁ…と思っていましたら、近年まれにみる(わたしが観る映画にしては)多さでした。50人を超えていたのではないかしら。公開前のプロモーションにものすごく力が入っているのは感じていましたので、その効果もあるのだろうなぁと思いつつ、ともあれ映画館に足を運ぶ人が一人でも増えると嬉しい今日この頃。

さて『プラダを着た悪魔2』、痛快で面白かったです。20年を経て、ジェンダー、レイシズム、ハラスメント、サーキュラーエコノミーなどなど、時代の意識がどれほど変化しているかを感じさせるシーンが随所に散らばっていて、エンターテインメント性の高い華やかさのなかに、社会派な雰囲気をまとっていたのが印象的でした。とはいえ、やはり見どころは最高のファッションをまとう登場人物たちの格好良さ。なかでもわたしが一番素敵だと思ったのは、スタンリー・トゥッチ演じるナイジェルのおしゃれな佇まいと存在感でした。また、実際のメットガラでもパーティーシーンで目を引いていたレディ・ガガが、「レディ・ガガ」として特別出演していたのが、おおー!という感じでした。

映画『プラダを着た悪魔2』

読書『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

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読書『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

いつものカメリアステージ図書館から借りてきた一冊です。川越宗一著読書5冊目は、「国性爺(こくせんや)合戦」。国性爺って、なんか聞いたことがあるような気もするけど、何?誰?が、正直なところでした。で、ググりましたら、近松門左衛門の人形浄瑠璃の演目で、のちに歌舞伎の演目にもなっているとのこと。「歌舞伎演目案内」のサイトでは、「鎖国されていた江戸時代にあって、海外を舞台に、日本の血を引いた主人公が中国大陸で王朝の復興をめざし挙兵するというほかに類を見ないスケールの大きな話」と紹介されていました。

中国の海賊の父と日本人の母との間に生まれた混血児である、主人公の福松(のちの国姓爺こと鄭成功)。全編を通してそのひたむきな姿が心に残りました。「行き場のない者たちのための、居場所をつくる」という思いは、本人にとって切実なものであり、切実さゆえにだんだんと空回りするようになっていく姿は、切ないものがありました。それにしても現在の長崎県のエリアは、鎖国の時代において公にも非公式にも海外との交流の入り口であったのだなぁと、あらためて感じます。わたしは10代のときに長崎県に8年間住んでいましたが、本書の題材となった国姓爺も、その前に読んだ梅屋庄吉も知らず…ということで、ちょっと長崎勉強し直さねばと思いはじめました。

川越宗一氏のおかげで、小説を通して日本の近現代史への理解が、もちろん題材は偏っていますが、少しづつは広がっているように思います。と同時に、これまで全く読んでいなかった「司馬遼太郎」に、そろそろ手を伸ばそうかなぁ…そんなタイミングがついにやってきたのかなぁ、という感じになってきました。連休中に、図書館で考えたいと思います^^

『海神の子』(文藝春秋)川越宗一著

失敗した!と思ったものが、うまいこと化けることもあるから面白い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

失敗した!と思ったものが、うまいこと化けることもあるから面白い。

独立してからだけでも約30年のキャリアになるダンナ、制作中に大きな失敗をすることは、あまりありません。それでもたまに、工房から「わー!」とか「あー…」とか、悲鳴めいたものが聞こえることがあり、そんなときは珍しく失敗をしています。完成してもなお「割れもの」である陶磁器は、制作の過程ではなおのこと壊れやすい存在です。

つい先日、本窯焼成が終わり、開いた窯から作品を取り出している最中に、久しぶりに「うわぁ~!」と大声。なにごとかと降りていくと、まあ今回の窯の上りの素晴らしいこと、呉須の発色が完璧でした。では何が起こったのか?ダンナの顔を見ると、見事に完成したばかりのお皿のひとつを裏返して見せてくれました。と、裏が真っ白=裏の絵付をすっかり失念して窯に入れていたようです。まあ珍しいことでした。ぜんぶで5枚、めちゃいい感じに上がった染付皿なのに、裏の絵付が空っぽ…という状態。磁器の「壊れやすさ」とはまったく関係のないところでした(笑)。

こういうことが、ごく稀に起こるんですね。一番ショックを受けているのは本人です。こちらも「珍しいね」とまあ、笑うしかありません。表の絵付が素晴らしい出来でしたので、わたしは笑いながらも、ではこれをどうするか、を考え始めます。器としては、使えるけれど失敗作ですから、「仕方がないから家で使おうか」となるのが常ですが、そうするにはあまりにも完成度が高い。絵付けの題材となっているものから、お客さまの顔が浮かび、そのお客さまの志向・お好みに対して、こんな提案をしたら喜んでいただけるのではないかしら、と頭に浮かんできます。こういうとき、藤吉憲典が器の作り手としてだけでなく美術的なアプローチができることが、可能性をグンと広げます。

ダンナに提案をしてみたところ、OKが出ましたので、さっそくGO!。善は急げで、額縁画材の専門店・大崎周水堂さんへ向かいました。信頼できるスタッフさんに考えていることを伝えると、次から次へと色々と案を出してきてくださいました。おかげさまで、イメージしていた以上に素敵なものが生まれそうです。一緒になって面白がってくださる方があるのは、なんともありがたいことです。というわけで、失敗!が転じた結果を、連休明けにご紹介できると思います。どんな結果になるやら、今からとっても楽しみです。乞うご期待♪