こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。
読書『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』(文藝春秋)スティーヴン・キング著
現在公開中の映画『サンキュー、チャック』。あちらこちらで映画評を読んで、観たいなぁどうしようかなぁ、と悩んでいたところに、いつものカメリアステージ図書館刊棚で原作邦訳の本書を発見しました。映画公開のタイミングできっちり入れてくださっている、司書さんのアンテナに感謝です。
原著は中編4編が入って1冊、という形のようですが、日本での刊行となった本書は、そのうちの2編『ハリガンさんの電話』と『チャックの数奇な人生』が入って1冊になっていました。両編とも、ホラーのスティーヴン・キングではなく、人との温かい交流が主題となるキングです。日本語訳はそれぞれ、安野玲訳・高山真由美訳となっています。ちなみに中編4編のうちの残り2編は、次巻として『もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ』のタイトルでもうすぐ発売されるとのこと。
さて最初は『ハリガンさんの電話』。少年と老人の交流が描かれていて、ほっこりしながら読んでいたら、途中からゾッとさせられました。これがあるからスティーブン・キングです。油断してはならないなぁと反省(笑)。こういうのを読むと「スタンド・バイ・ミーを書いた人なんだよな~」と、今更ながらに思います。わたしは知りませんでしたが、『ハリガンさんの電話』も映画化されていたそうで、たしかに映像がイメージできるストーリーでした。
次は『チャックの数奇な人生』。映画評で読んでイメージしていたよりも、ずっと深い物語でした。当たり前ですね。「ハリガンさん」で油断していましたので、今回は用心しながら読みましたが(笑)、こちらはゾッとさせられることなく読み終えました。「数奇な人生」となっていますが、1点を除けばさほど数奇というほどでもなく、全体として温かさが伝わってくるものでした。第三幕、第二幕、第一幕と遡っていく構成になっています。終幕である第一幕のタイトル「わたしのなかにはたくさんのものがある」に、ジンと来ました。本書でキングが言いたかったことが、この「わたしのなかにはたくさんのものがある」に詰まっていたように思います。
原著にはキング自身が「あとがき」を書いているということで、こちらも興味津々。邦訳版では、次巻に作者解説として掲載されるようですので、これは次巻も読まねば!ということですね。ともあれ本書を読み終えて、映画も観たいなぁと、思いました。来週あたりでお終いになる館もあるようなので、行くなら急がねば、です。
