ロンドンSladmoreのクリスマス・ショウ、スタートしました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ロンドンSladmoreのクリスマス・ショウ、スタートしました!

The Christmas show will run from now until 22nd December! とメールが届いて、そうだった、クリスマス・ショウだ!とあらためて12月を認識。作品が完成して写真を撮ったのも、ロンドンへの発送作業も10月でしたので、なんとなく自分のなかでは完了したような気になっていましたが、いえいえ、ショウは今からです。

Sladmoreに所属する作家がクリスマス・ショウのために作った新作が並びます。いわばグループ展。藤吉憲典は今年は10個ほどの新作を送りました。ギャラリーでの展示とともに、電子カタログにもなりますので、ロンドンに足を運べない方もご覧いただくことができます。下のSladmore公式サイト「Contact」ページ下方にある「Newsletter Sign Up」からメールアドレスを登録すると、展覧会の最新情報が届きます。ちなみに藤吉憲典(Kensuke Fujiyoshi)情報を得るには、「Department」から「Contemporary」を選ぶと、他の現代作家さんの情報とともに展覧会情報が届きます(の、はず!)。

大きなサイズの彫刻を手掛ける作家さんが名を連ねるSladmoreで、Kensukeの作品は贈り物にちょうど良いサイズだと言っていただけます。今年も、自分自身や大切な人へのクリスマスプレゼントとして喜んでいただけると嬉しいな、と。

藤吉憲典の龍-来年の干支「辰」の盃が出来ました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

藤吉憲典の龍-来年の干支「辰」の盃が出来ました!

一昨年までの一周(12年)は干支の置物(箸置き)を作っていましたが、その前の一周は干支の盃を作っておりました。満を持して(!?)盃に回帰、とでも言いましょうか。

もともとは、ふだんお世話になっているご近所の方々にお年始としてお礼かたがたお届けするために作り始めた「干支もの」。長らく販売用ではありませんでした。それが、次第に「販売してほしい」という声が増えてきて、お分けするようになり。

今年は珍しく12月の頭には完成しました。このところずっと年末ぎりぎりだったり、年明けてからだったりしたので、「おおー!」という感じです。お買い求めくださるお客様のことを考えれば、11月下旬から12月初めごろには出来上がっているのが、一番よいのだと思いますが、そこは作り手のペースに委ねているもので。

干支辰 藤吉憲典 龍盃

東京は南青山の百福さんで、お買い求めいただくことが出来ます。
百福さんの公式サイト https://www.momofuku.jp/

大阪阿倍野の暮らし用品さんでは、12月9日(土)~19日(火)の酒器展に並びます。
暮らし用品さんの公式サイト https://www.kurashi-yohin.com/

花祭窯のギャラリースペースでは、プラス二種類ご用意。

干支辰 藤吉憲典 龍盃

干支辰 藤吉憲典 龍盃

吉祥の霊獣「龍」。縁起を担いで良い一年を迎えたいですね♪

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

おはようございます。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

暮らし用品さんでは先日初めての個展が無事終了したばかりでありますが、12月に開催される「酒器展」にも参加することになりました。なので、引き続きの告知です。

さっそく案内状が届きました。今回の酒器展は、暮らし用品さんとしても初めての試みだそうで、暮らし用品さん自体が、どんな展示になるかとても楽しみにしているとおっしゃっていました。藤吉憲典も、複数の器作家さんの作品とご一緒する器の企画展は、ここ10年以上ありませんでしたので、なんだかワクワクしています。

陶・磁・ガラスの作家八名の、酒の器をご覧いただくことが出来ます。オーナーの米田さんからは、お正月向けに、酒器以外にも何かあれば、ということでしたので、ハレの席で使えそうなちょっとした食器も並びそうです。藤吉憲典は、ふだんから作っている酒器に加え、来年の干支「辰」に合わせて龍の文様を入れたおめでたい盃や、広東碗型の龍の蕎麦猪口などをお届けする予定です。昇龍の書画もお届けしようかな、などと考え中。先日の個展とはまた異なった顔ぶれとなりますので、ぜひ楽しみに♪


暮らし用品 酒器展

【参加作家】井上美樹、岩田圭介、高梨良子、西川聡、浜野まゆみ、藤吉憲典、村木雄児、渡邊心平(五十音順)

【会期】2023年12月9日(土)~12月19日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

暮らし用品さんの「酒器展」に、藤吉憲典も参加いたします。

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その2。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その2。

現代アートコレクターのOmer Koc氏は、藤吉憲典のSladmore Contemporaryでの最初の個展の時から、作品を購入してくださっています。ロンドンのギャラリーMESSUMSから刊行される氏のコレクション図録に、インタビュー記事を提供いたしました。英文原稿については刊行待ちとなりますが、元となっている日本語原稿を一足早くこちらでご紹介いたします。


Q3. あなたにもっとも影響を与えたアーティストあるいはアート作品は?

A3. わたしに影響を与えたものとして、一人のアーティストあるいは一つの作品を上げるのは、とても難しいことです。ミケランジェロ、ルノアール、マティス、ピカソ、シャガール、クリムト、ロダン、モネ、北斎、漫画家の永井豪、大友克洋、手塚治虫、そして、名も知らぬ古伊万里の職人たちや、あらゆる分野のアーティストとその作品からさまざまな影響を受けています。

表現手法や技術的な影響だけでなく、彼らのチャレンジングな生き様もまた、わたしに大きな影響を与えています。彼ら先人たちのおかげで、わたしは作りたいものを作り、好きなことに挑戦する勇気を持つことが出来ました。

例えば「人魚」という作品があります。伝統的な肥前磁器の表現技法・技術で作られていますが、海の色や鱗の色の表現はモネの影響が強く出ています。またその姿・造形には、マニエリスムの時代の影響がみられます。そして作品全体の醸し出す雰囲気を見れば、漫画家・永井豪の世界観に強く影響を受けていることがわかります。

ただ、実のところ制作している最中には、まったくそのようなことは意識も意図もしていません。ただ自分が「こうすると一番美しくなる」と信じるように作るのみです。完成した作品を観た人からそのような感想を得て、あらためて自分で振り返ると、なるほどその通りかもしれないと感じる次第です。

わたしはアカデミックな美術教育を受けていませんので、わたし自身の五感の美意識に忠実に作品を作っています。美しさの基準は、ひとつではありません。たくさんの偉大な先人たちが創り出した美しい作品の数々に、たくさんの影響を受けています。


実はこのほかにもいくつか質問を受けていましたが、それらは個別の作品についての質問で、文章だけでは伝わりにくいものがありますので、ここでは割愛いたしました。全文(英文)の公開は、図録の刊行を待つことになります。とっても楽しみです。

↓「Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1.」はこちら↓

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Omer Koc’s Ceramic Collection (陶磁コレクション図録)へのインタビュー記事日本語原稿。その1。

現代アートコレクターのOmer Koc氏は、藤吉憲典のSladmore Contemporaryでの最初の個展の時から、作品を購入してくださっています。ロンドンのギャラリーMESSUMSから刊行される氏のコレクション図録用に、藤吉憲典のインタビューを求められたのでした。5月に英文原稿を送り、藤吉に関する部分については、夏に既に校正も終了し、刊行を待つばかりとなっています。英文原稿については刊行待ちとなりますが、元となっている日本語原稿を一足早くこちらでご紹介いたします。


Q1. ご自分のことを陶芸家だと考えていますか、それとも彫刻家だと考えていますか?

A1. どちらでもあり、どちらで呼ばれても構いません。1997年に陶芸作家として独立したところから、わたしの作家としてのキャリアはスタートし、その10年ほどあとから、磁器彫刻家としての作品を発表し始めました。そして今は、書画家(水墨画家)としても作品を生み出しています。すべての表現技法がわたしにとっては大切なものであり、これからもアーティストとしてどのように変化していくか、自分自身でも予見できません。わたしの作った作品を所有してくださる方が、「藤吉憲典は何者か」をそれぞれにイメージしてくださったら、それでよいと思います。


Q2. どのようにして陶芸家・磁器彫刻家としての技術を身に付けたのでしょうか。どのような環境に影響を受けてきましたか?

A2. 佐賀県の磁器の産地・有田の隣町で育ちました。当時県内で唯一デザイン科があった有田工業高等学校に進学し、高校時代は絵ばかり描いていました。卒業後は、グラフィックデザイナーとして東京のデザイン事務所に就職。ところが父親の病気のためにわずか3年ほどで帰京することとなり、佐賀有田の窯元に商品開発デザイナーとして参画したことが、やきもの(肥前磁器)との出会いとなりました。

立体であり用途を求められるやきもののデザインは、グラフィックで培った平面デザインの技術やセンスだけではまったく不足であり、そこから「古伊万里」と呼ばれる古い名品、遡っては中国や朝鮮の古い磁器を研究しまくることになりました。美術館や博物館、骨董商、ギャラリーに通って実物を見て触るとともに、資料を大量に読みました。わたしは、やきものについての学術的な教育も受けていませんし、やきものの師匠もありません。古い名品こそがわたしの師となってくれました。

おかげで、自分自身の目、手、五感を通して、自分の美意識に忠実に、ものづくりに向き合うことが出来ています。そしてもうひとつ、幼少期から書道家であった父親の特訓を受けており、書道の基礎が叩き込まれていたことも、今考えると特質すべきことでした。自然な筆遣いや余白のバランス感覚、全体としての調和美を最も重視する視点は、わたしが陶芸作家としてデビューし、磁器彫刻家として作品を生み出すキャリアにおいて、大きな特長になっていると思います。


Q3.以降はまた次に。

偶然同じ時期にインタビューが入った『Homes and Antiques』8月号の、日本語もと原稿も、バックナンバーでご紹介しています。どちらも読んでいただくと、アーティスト・藤吉憲典の作品バックボーンが、より分かりやすいと思います。

英国の雑誌『Homes & Antiques』8月号への、藤吉憲典のインタビュー記事原稿。その1。その5まで続きます。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」スタート!

久しぶりの大阪個展は、阿倍野の暮らし用品さんです。ちゃんと調べてみましたら、関西方面での個展は2017年が最後となっておりましたので、なんと6年ぶり。関西方面の皆さま、たいへんたいへんお待たせいたしました。

大阪・阿倍野にある暮らし用品さん。数年前から、常設で藤吉憲典の器を扱ってくださっています。暮らし用品さんでは初めてとなりますので、暮らし用品さんのお客さまに「はじめまして」のご挨拶をする気持ちです。常設ではふだん使いに取り入れやすい器を中心にお届けしておりますが、個展ではアイテムを絞り込まずに、「藤吉憲典」の様々な顔をご覧いただけるよう、お届けしています。

暮らし用品さんのインスタグラムでも、器をご紹介いただいております。気になる方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

藤吉憲典陶展 暮らし用品

暮らし用品 藤吉憲典 陶展

【会期】2023年10月28日(土)~11月7日(火)※水・木曜休み

【時間】11:00~18:00

【場所】大阪市阿倍野区阪南町1-45-15

【電話】06-6628-2606

週末は梱包発送仕事に追われていました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

週末は梱包発送仕事に追われていました。

2023年秋冬の展覧会は、ロンドンSladmoreでのクリスマス・ショウへの作品参加と、今週末からはじまる大阪阿倍野・暮らし用品さんでの「藤吉憲典 陶展」です。週末は、その二つの展覧会への作品発送準備でした。先方への納品期限は前から決まっているので、早く準備出来ればそれに越したことは無いのですが、作品あっての梱包発送ですから、事前にできることは限られており、作品が揃い次第、一気に梱包&発送!という感じです。

梱包作業の間、ふだんギャラリースペースとしてお客様をお迎えしている部屋は、梱包材がたくさん散らかり、ちょっとお見せ出来ない混沌とした状態です。梱包し、作品リストを作り、運送業者さんを手配して、発送が完了するまで、軽く緊張状態。今回は2か所分の作業を立て続けに行いましたので、いつもよりさらに混とんとしていました。

何十年も続けているこの作業仕事も、定型仕事ということは決してなく、毎回改善点を見つけては次回に生かすことを繰り返しています。より無駄なく効率的に、より安全に、ギャラリーにお届けできるように。おかげで「余程のことがなければ破損しない」梱包が出来るようになりましたし、リスト作成や発送におけるミスも減ってきたと思います。もしかしたら「外注」という発想もあるのかもしれません。でも、今のところ、作家とわたし二人で自ら手を動かすことは、わたしたちにとっては必要な仕事だと感じています。

ともあれ、無事に発送完了。あとは「無事到着しました」のご連絡が来ることを祈りつつ待つばかりです。

ついにダンナが英語の勉強をはじめました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ついにダンナが英語の勉強をはじめました。

花祭窯の海外進出は、2014年からなので、10年。これまでも藤吉憲典は、出張して帰ってくるたびに「今度こそ英語を勉強する!」と言い、入門者向けの本を買いこんできては数日後にはその決意はどこへやら、を繰り返していました。2013年から付き合いのあるルカからは、ロンドンで会うたびに「ケンはいったいいつになったら英語をしゃべるようになるんだ!?」といわれるのが挨拶代わりになっています。それでも周囲の方々のおかげでコミュニケーションがそこそこ取れていましたので、なんとなくそのまま来ていた、というところです。

九月のイタリア研修での2週間を、一人で英語とイタリア語に囲まれて過ごした経験が、「今度こそ」の決意につながったようです。

研修期間中、ことあるごとに参加者たちが「美術史についての議論」をするなかで、自分も話したいことはたくさんあるのに、なにひとつ伝えることが出来なかったのが、余程堪えたようです。海外で仕事をするようになって、皆さんが話している内容は断片的には聞き取れるようになっていますので、「ああ、そのことについては、自分はこう考えているんだ!」と伝えることが出来なかったのが、かなりのストレスになったようです。カッラーラという場所柄、話題はミケランジェロ、ルネッサンス美術、彫刻・造形についての議論と、藤吉にとっては「語りたいことがたくさんある!」分野だったとのこと。ふだん日本語では超おしゃべりなので、そのストレスや如何に、です(笑)。

記念すべき英会話レッスン第一日目は、「すごく楽しかった!」と大喜びで帰宅。福津・津屋崎に英会話教室を展開するブループラネットさんにお世話になります。もともとご近所付き合いもあり、わたしも長年お世話になっていますので、何を目指して英語を習うのかは、よく理解していただいています。おまけに、花祭窯の仕事で使う英語のほとんどを最終ネイティブチェックしてくださっていますので、仕事内容も理解してくださっています。これ以上ない学習環境です。

ブループラネット英会話スクール

英語は中学1年で諦めたというダンナ。数十年を経ての学び直し、まずは長続きすることを願うばかりです。わたしも長年英会話を続けているおかげで、上達したとは言えないまでも、維持できているのは間違いありません。継続は力なり、は、語学の学習においても真実だと思うのです。

ご近所の皆さん、見かけたら英語で話しかけてやってくださいませ。

クリエイターマッチング@ホテル日航福岡に参加して参りました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

クリエイターマッチング@ホテル日航福岡に参加して参りました。

福岡商工会議所さんからご案内いただき、参加して参りました。コロナ禍下の2021年から取り組みをはじめた「藤吉憲典を地元で知っていただく機会を増やそう」の一環です。

福岡商工会議所さんが昨年トライアル的にスタートし、反応が良かったということで、今年から本格的に開催の運びとなった展示会です。会場が博多駅からすぐの日航ホテル内というところからも、力の入れようが伝わってきました。出展者は52社。バイヤー側となる参加社数は「今年は200社以上を目標としていますから!」と商工会議所の担当者さんはおっしゃっていましたが、実際には100社ほどだったかと思います。ただ、昨年から続けて参加なさっている方のお話を聞くと、一年目に比べたらかなり規模も参加者数も増え、会場の雰囲気もとても良くなっているとのことでした。

さて花祭窯としてこの手の出展型イベントに参加するのは、ほぼ初めてかも…と思いつつ、記憶を遡れば、2013年に大阪ジェトロさんの主催で開催された海外バイヤー招聘事業への参加がありました。その展示会で、ロンドンでセレクトショップを経営しているルカとの出会いがあり、彼からの激励を得て、ロンドンへの進出に本気で取り組んだのでした。そういうことがありますので、直感的に「何かのきっかけになるかもしれない!」と感じるイベントには参加するのが良いですね。

当日、花祭窯のご近所ブースは若い方ばかりでした。わたしたちとは親子ほど年が離れた方も少なからず、ちょっとドキドキ。でも、それぞれに取り組んでおられる制作物を拝見すれば、ユニークで熱意を強く持っていることが伝わってくる方ばかり。ご挨拶して言葉を交わせば皆さんとても気さくに話してくださり、まずは一安心しました。終日和やかな雰囲気で、人に恵まれた場所にブースをいただいたように思います。まったくストレスなくブース運営が出来ました。

商談時間がはじまると、それぞれの皆さんがどのような制作に取り組んでいるかが、よく見えました。このような機会は、これまでめったにありませんでしたので、とても新鮮で、なによりも勉強になりました。特に花祭窯の向かいのブースでは、メタバース内のキャラクター制作や空間制作、それらを通じた広告宣伝手法のプレゼンテーションなどをなさっていて、それらを来場者にご説明なさっているのを拝見するだけでも、ものすごく勉強になりました。

肝心の花祭窯にとっての商談は、即具体的な話につながるものはありませんでしたが、いくつかの面白い出会いがありましたので、まずは良しとしましょう、という感じです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

続・表装の楽しみ、ますますワクワク。

表装の楽しみがひとつ形になって、ますますワクワクしていると投稿したのは、つい1カ月前のことでした。

展示した状態のビジュアルイメージがもたらす「わかりやすさ」が嬉しくて、もうひとつ、パターンを増やしました。手はじめに縦長作品・横長作品を表装しましたので、次は「全紙」です。この三種類があれば、壁面に飾ったときのサイズ感、見え方が、おおよそイメージできるのではないかと思います。頭ではわかっていたつもりのことですが、全紙を表装するとかなり大きくなりますね。やはり作品本体がポンと置いてあるのに比べると、「ここに飾ったらどんな感じになるか」が各段にイメージしやすくなります。これは額装にした場合もまったく同じことが言えますが、表装の良いところは、丸めて持ち歩けること。

藤吉憲典 円相龍図

額装にはじまり表装が続きと、このところ立て続けにお世話になっている大崎周水堂さん。スタッフの方々にも、なんとなくわたしの人となりというか、オーダーの「癖」のようなものを、少しづつ理解していただきつつあると感じます。生地の選びかた、切り替えの仕方など、あまりにもシンプルで、「掛軸の常識」から離れていることもあるので、ベテランのスタッフさんや表装職人さんからは、その都度「一般的にはこのようにするのがほとんどで、藤吉さんの希望するようにすると、このように見える可能性がありますが、ほんとうに大丈夫ですか?」の確認が入ります。ときには、作業に入る直前で電話確認が入ることも。こちらはもともと素人です。その相手に面倒がらずにひとつひとつ説明し確認してくださることを、とてもありがたく感謝しています。

アドバイスを取り入れる部分と、我流を貫く部分。掛軸という伝統的なスタイルを、現代の藤吉憲典の書画作品を見せる方法として、どのように生かせるか。今回は大物でしたので、大崎周水堂さんの店先で出来上がりを確認する際、スタッフの方が二人がかりで広げてくださいました。「こんな生地があったんですね」「初めてのことで心配しましたが、良い感じに上がりましたね」などなど、感想をつぶやいてくださるスタッフの方と一緒に出来上がりの確認ができるのは、嬉しい瞬間でもあります。

長く立体を扱ってきておりますので、平面の面白さ・わかりやすさが、とても新鮮です。展示機会に皆さんにご覧いただけるのが楽しみです。