読書『青いパステル画の男』(新潮社)アントワーヌ・ローラン著/吉田洋之訳

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『青いパステル画の男』(新潮社)アントワーヌ・ローラン著/吉田洋之訳

いつものカメリアステージ図書館新刊棚より。タイトルのリズムと装丁になんだか親しみを感じて、手に取りました。家についてページをめくり、なるほどその理由が判明、昨年読んだ『赤いモレスキンの女』と同じ作者でした。

出版社も訳者も同じということで、既視感があったのですね。

本書『青いパステル画の男』もまた「大人のおとぎ話」と評されています。骨董収集が趣味の男が巻き込まれる不思議な物語。新潮社の本書紹介サイトで、骨董に造詣の深い青柳龍太氏が書評を書いています。とても興味深いので、ぜひ読んで欲しい書評です。本書内、主人公がパリのオークションハウスで「青いパステル画」を競り落とすシーンは、とても切実に描かれていました。そんな象徴的なシーンを中心に、骨董収集に取りつかれた人が陥る悲喜こもごもがとても人間的で、悲しくも面白いのです。

個人的には、主人公が影響を受けた、骨董蒐集家であった伯父の言葉が、とても響きました。いわく「もし君が本物のコレクターになりたいなら、知っておかなきゃいけないことがある。オブジェ、本物のオブジェは、持っていた人の記憶を抱えているということ」(『青いパステル画の男』より)。このセリフは、現代においてアートオブジェを世に出している作家側の人間として、わたしに重く響きました。「本物のオブジェが、持っていた人の記憶を抱えている」ということは、「持っていた人の記憶を抱える力を持っていないオブジェは、本物とは言えない」ということだからです。それが「オブジェに魂がある」ということならば、まさにその通りだと思いました。

このように、自分自身の仕事とのつながりから考えさせられることもあり、とても面白い読書となりました。

『青いパステル画の男』(新潮社)アントワーヌ・ローラン著/吉田洋之訳

今年も波折神社で豆まき神事♪

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今年も波折神社で豆まき神事♪

節分の豆まきは、年中行事のなかでも特にワクワクするもののひとつ。我が家では毎年家中豆だらけにしています。ここ津屋崎に越してきてからは、我が家での豆まきに加えて、氏神様波折神社での豆まきに参加するのが楽しみな恒例行事。今年も行って参りました!

コロナ禍前までは、近所の保育園の園児たちが集まったり、小学生が地域学習の一環で参加したりと、賑やかでした。今年は保育園や小学校には、神社から出前することにしたそうで、境内はちょっぴり寂しく。来年あたりには、コロナ前のやり方に復活できるといいね、とご近所さんとおしゃべりしつつ、開始を待ちました。

まずは本殿で、年男年女の皆さんにお祓いの祝詞が挙げられました。本殿前のわたしたちにも、神主さんが榊を持ってきてくださいましたので、頭を下げてお祓いを受けます。神事が終わるといよいよ豆まき。今年は集まった人数もちょっと少ないなぁ、と思っていましたが、いざ豆まきがはじまると、境内は一気に活気づきました。

藤吉家代表として参加したので、家族の人数分は頑張って確保せねば!と臨みました。豆を投げるのは神主さんと氏子総代の方々と、年男年女の皆さん。知った顔を見つけては「○○さん!こっちこっち!」と声かけです。遠くに近くに、正面に側面に、まんべんなく撒くのもたいへんそうです。飛んでいるものをキャッチしたり、落下したものを拾ったり、おかげさまでなんとか家族分を確保することが出来ました。

豆まきが終われば立春。気持ちは春に向かいます。

読書『枯れてこそ美しく』(集英社)戸田奈津子・村瀬実恵子共著

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読書『枯れてこそ美しく』(集英社)戸田奈津子・村瀬実恵子共著

映画字幕翻訳のパイオニア・戸田奈津子さんと、米国における日本美術研究の第一人者・村瀬実恵子さんとの対談集。コロナ禍下、東京とニューヨークをZoomでつないで実現した対談ということです。

1936年生まれの戸田さんと、1924年生まれの村瀬さん。お二人の年齢からでしょう、タイトルには「枯れて」の文字が入っていますが、どうしてどうしてお二人ともエネルギーにあふれています。読み終わったときには、この「枯れて」には何か別の意味が含まれていたのではないか、その意図を探さねば、という思いに駆られました。

わたしは本書を読むまで村瀬実恵子さんをまったく存じ上げなかったのですが、アメリカの美術界では知らないひとはいないというお方だそうです。元コロンビア大学教授でメトロポリタン美術館東洋部日本美術特別顧問。50年前から、アメリカでは当時ほとんど知られていなかった日本美術の芸術性、美しさを伝えてきた第一人者(集英社サイトより)とのことです。

そんな「最前線」を突っ走ってこられたお二人のやりとりは、機知に富み、人生を生き抜く力、責任と覚悟がビシビシと伝わってくるものでした。テーマは「おしゃれ」「キャリア」「運命の出会い」「仕事の意味」「美」「楽しみ」「人との付き合い」「終活」と続きます。ストレートなお二人の言葉は厳しさも含んではいるものの、どの談のトークも面白く。読んでいて励まされ、わたしももっと頑張ろう、頑張れる!と思わされました。

最終章「終活」のところでの、日本についての村瀬さんの見解が、とても重く痛かったです。いわく「そういうことに人々が関心を持つのは、国としても、個人としても理想像がないからでしょうね。小さく、小さく、小さくなっていくのね。日本という国はもう、そんなに遠くない将来になくなるのかもしれませんね。どういう形で消滅するかは興味もあるし、ちょっと長生きして見届けたい気持ちもあります。」(『枯れてこそ美しく』より)と。

日本に生きる私たちは、そんな現状をどうやって打開して行ったらよいのでしょう。巻末最後の最後で、大きなテーマを突き付けられました。

『枯れてこそ美しく』(集英社)戸田奈津子・村瀬実恵子共著

古い片口鉢を花器に、白梅が咲きました。

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古い片口鉢を花器に、白梅が咲きました。

お正月用にと佐賀花祭から採ってきた白梅。お正月飾りはとっくに片付けたのですが、活けた枝ものが元気だったので、そのまま玄関周りに飾っておりました。昨年末に活けたときにはまだ固く緑色だったつぼみが、少しづつ膨らんで白い花弁が見えてきたかと思ったら、ここ数日の寒の緩みで、花開きました。

白梅

花器に使っている唐津の片口鉢は、作り手知らずですが、ぽってりとした姿が愛らしく、口が欠けたからと捨てようとなさっていたご近所さんから譲っていただいたもの。昭和初期辺りのものではないかと思います。計量カップとして活躍したのであろうことがイメージできる姿。姿の良い器は、食器としては使えなくなっても、なかに剣山を仕込めば、花器として大活躍してくれます。

欠けた部分の直しは、食器として使い続けるには、それなりに配慮したもの、やはり本漆できちんと直すのが一番安心です。けれども花器として使うのならば、食器ほどには神経を使わずとも、ホームセンターなどで手に入れることのできる「磁器用の接着剤」を使って補修することも可能です。本格的に直そうと思えば、それなりに費用も手間も時間も掛かりますが、このあたりうまく使い分け、役割を変えることで、お気に入りの器を身近に置いて使い続けることが出来ますね。

小学校で、キャリア教育のゲストティーチャー。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

小学校で、キャリア教育のゲストティーチャー。

ここ福津市は、地域と小中学校の連携が進んでいる方だと思います。「コミュニティスクール」と称し、さまざまなアプローチで、地域と学校が一緒に活動しています。そんな活動のひとつとして、卒業を間近に控えた小学6年生への「キャリア教育」で、ゲストティーチャーをしませんか?というお誘いを受けました。

具体的には、自分が今やっている仕事を20分ほどで説明し、子どもたちに伝えたいことを話す、というものです。二日間にわたり、総勢24名の様々な職業をもつゲストティーチャーが、小学校に集合。そのなかの一人として、「窯元おかみ」「アートエデュケーター」二つの仕事の紹介をしてまいりました。

まず準備で頭を抱えました。小学6年生にわかりやすく伝えるために、どんな言葉を使って、どのように説明したらよいのか。「窯元おかみ」も「アートエデュケーター」も、小学生にとっては耳馴染みの無い単語でしょうし、まったくイメージがわかないだろうな、と。「陶芸家」の説明の方が簡単そうだなぁ、と思いながら資料作り。アートエデュケーションの講座は子ども向けにできるのに、自分自身の仕事を伝えるとなると難しく。

当日は、できるだけ平易に話そうと思いながら、子どもたちの反応を見つつ進めました。実際に質問してみたところ「学芸員」という職業も、知らない子がほとんどでした。自分が小学生だったころを考えると、たしかにそうかも知れないな、と。そんなわけで、伝わったかなぁ…の不安はぬぐえませんが、それでも楽しい時間となりました。その一因は、「将来、美術を使った仕事をしたい」という子が、思ったよりも多くいたこと。そのなかの一人にでも、何か伝わるものがあったら嬉しいな、と思いつつ。

ところでこの試みは昨年度からスタートして2回目だということで、現時点で市内の小学校がすべて行っているわけでもありません。小学生の時からキャリア教育というのは、今の時代、時期尚早とはいえないでしょう。世の中にいろいろな職業があることが現実的に理解できるようになるというだけでも、素晴らしい機会です。これからもっと広がり、継続的に開催されるようになるといいですね。

ちなみにゲストティーチャーとして参加した方々の職業は、工学系研究者、ドローンオペレーター、助産師、看護師、障がい者就労支援、弁護士、グラフィックデザイナー、自衛官、歯科医師、プロバスケットボール選手、保育園園長、美容師、新幹線運転手、獣医師、大学教授、人事コンサルタント、バレリーナ、大学教授、フィナンシャルプランナー、フレンチシェフ、システムエンジニア、警察官、スポーツクラブ経営者…とほんとうにさまざま。わたしは新幹線運転手の方と一緒の教室で、子どもたちに混ざって話を聴くことが出来ました。ラッキーでした。

福岡市科学館で遊んできました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市科学館で遊んできました!

関西方面から福岡に来る友人を「ミュージアム接待」。月曜日ということで、美術館博物館は閉館しているところも多く、「どこか/なにか、おススメある?」と尋ねられたのがきっかけでした。

福岡市内の美術館博物館は、福岡市美術館・福岡県立美術館・福岡市博物館のビッグ3が軒並み月曜定休ではありますが、福岡アジア美術館は水曜定休のため、月曜日に足を運ぶことが出来ます。けれども、せっかくわたしに相談してくれたのだから、というところで、少し別の視点からいくつかおススメを出してみました。

そのなかで、友人のアンテナに引っかかったのが福岡市科学館。ここの学芸員さんとは、先の学芸員研修でご一緒したこともあり、展示に力が入っていることはお墨付きです。子ども向けコンテンツが充実していることは大前提の科学館ですが、大人にももっと足を運んでほしいとの思いが詰まった館だというお話を常々聞いておりました。実のところ、わたしも足を運んだことがありませんでしたので、この機会に同行することに。

博多からバスで約30分、六本松という学究的な地域にあります。目の前にバス停も地下鉄の駅もありますので、交通至便。建物は3階以上が福岡市科学館で2階には蔦屋書店が入り、1階はスーパーマーケットが入っているという、商業ビルです。外から直接科学館の受付フロアに到着するエスカレーターに乗れば、異世界に続く雰囲気もあって気分が盛り上がります。

上の写真は、エントランス。まだ入場券を購入する前ですが、既に展示コンテンツがスタートしており、面白くて足が止まりました。体験型の展示も多いと聞いていたので、荷物と上着をロッカーに預け、いざ。名誉館長は宇宙飛行士の若田さんということで、等身大の若田さんパネルにご挨拶。常設の基本展示室は「1.宇宙ゾーン」「2.環境ゾーン」「3.生命ゾーン」「4.生活ゾーン」となっています。

いやぁ、面白かったです。夢中で遊びました。途中、展示解説プログラムもあり、着席してレクチャーを聴くこともできました。化学記号が出てくるお話で、学生時代を思い起こしながら。平日でもこのようなプログラムがきちんと入っている配慮がありがたいですね。周りを見れば、子ども連れの方もおられましたが、ほとんどは大人で、一人の方もあればグループの方もあり。素晴らしいな、と思いました。

近所の友人(大人)が「何回行っても飽きない!一日遊べる!」と言っていたのを思い出し、深く納得。半日では時間が足りませんでした。関西方面から来た友人も、十分楽しんでくれたようすで、次回は一日コースにしたいと。一日コースにすれば、プラネタリウムのプログラム鑑賞を取り入れたり、さらに満喫できそうです。

科学系の館としては、佐賀県武雄市にある佐賀県立宇宙科学館がわたしのイチオシでした。こちらは建物・敷地の規模もかなり大きく、それこそ丸一日居ても時間が足りません。大がかりな設備もあり、修学旅行先としても人気が高い施設です。子どもが小さい頃に何度も通いましたが、結局すべてのコンテンツを制覇することはできませんでした。福岡市科学館は、佐賀の宇宙科学館に比べたら規模こそ小さいものの、「一日遊ぶ」にぴったりのサイズで、程好く知的好奇心を刺激してくれる場所です。

読書:家族と老いを考える2冊、『老後の資金がありません』と『あくてえ』。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書:家族と老いを考える2冊、『老後の資金がありません』と『あくてえ』。

天海祐希さんの主演で映画になった『老後の資金がありません』を観そびれていたところに、図書館の特集コーナーで原作を発見。

『老後の資金がありません』(中央公論新社)垣谷美雨著

主人公・篤子はドンピシャでわたしと同い年。生活環境は異なるものの、老親の介護はじめこの世代に共通する家族の問題の数々に、うなずきながら読みました。映画であればコメディとして笑い飛ばせたのかもしれませんが、本だからこそ迫りくる切実さがあって、気がつけば拳を握りしめて応援していました。

篤子の言うところの「50歳を過ぎた頃から」目につくようになった数々の現象(家族、特に夫の性格や癖)は、子育てがひと段落しそうだという安心感と反比例して現れるものかもしれません。文中にある彼女の「心の叫び」に対し、「わかる!わかるよ!」と心のなかで相槌を打ちました。たぶん彼女とわたしは性格的に似ているところがあるのだな、と思いながら。

なかでも篤子の「だが…それは強者の考え方だ。」のセリフ(心の声)が残りました。「自分は世の中の一部分しか見ないで、弱者のなんたるかを知らないまま一生を終えたのではないかと思うことがある。」というのは、読んでいるわたし自身に向けられた、深い反省でもありました。

これでもかと難儀な状態が降りかかりながらも、ストーリーは少し光が見えてくるところで終わります。安心とは言えないものの、少しはホッとして「ジ・エンド」を迎えることが出来ました。先に原作を読むことになったのは、かえって良かったかもしれません。そのシビアなストーリーを踏まえたうえで、映画(DVD)で大笑いしたいと思います。

対して、最後まで光が見えなかったのが、カメリア図書館の同じ特集コーナーにあったもう一冊。

『あくてえ』(河出書房新社)山下紘加著

著者の山下紘加さんは1994年生まれとありますから、わたしよりも20歳以上も若い方です。読みながら、近年社会問題化している「ヤングケアラー」という言葉が思い浮かびました。家族の問題は今や若者にとっても他人ごとではなく、あらゆる世代において切実になってきていることを、あらためて突き付けられました。

こちらも家族の問題てんこ盛りです。両親の離婚に、出て行った父親のお母さんの介護問題。当然お金の問題も出てきます。若い主人公がイライラしながら、どうしようもなく、現状を受け入れていくしかない様子が、閉塞感一杯に描かれています。

ストーリーの最後で、小説家を志している主人公が「小説は必ず終わりを迎えるし、良くも悪くも決着がつくのに、現実はそうではない。ずっと続いていくのだ。」と心の中で叫ぶセリフは、現代におけるこれらの問題の根深さを突き付けてきました。

『老後の資金がありません』では最後に見えた光が、『あくてえ』では見えず(むしろ悪くなるばかり)、トンネルに迷い込んだような感じでした。それでも読後感が悪くなかったのは、それが特別な人だけに起こる特別な問題ではなく、誰にでも降りかかる可能性のある現実的な問題として、ある意味淡々と描かれていたからかもしれません。

図書館の特集コーナーで偶然見つけた二冊。読んでよかった二冊です。

いろいろ、あちこち、情報集めと種まき。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

いろいろ、あちこち、情報集めと種まき。

今日は朝から博多方面へ。福岡商工会議所さんが主催する観光商談会に参加して参りました。2回目の参加です。前回は…と確認してみたところ、2019年。昨年もご案内を頂いていたのでしたが、コロナ禍下で参加を見合わせたのでした。

思えば前回この商談会に向けて具体的に準備をしたことが、肥前磁器の伝統工芸文化・技術を伝えていく方法のひとつとして観光視点でのアプローチもあり得るということを、きちんと考える機会につながったのでした。もともと伝統工芸の産地では、伝統工芸と観光とがセットになっているようなところがありますが、そういうものとは異なる方法、花祭窯だからこそできるやり方があることに気づいたのでした。

前回から4年を経て、旅行をする人々が旅先に求めるものが、どんどん変わっていることを、随所で印象付けられた商談会でした。例えば参加者を一覧したパンフレットを見ても、従来の柱である「飲食」「お土産」「宿泊」よりも、「体験プログラム」「アクティビティ」「鑑賞コンテンツ」といったジャンルが強調されているのは、新鮮に感じました。またそれらのジャンルにさまざまなプログラムがあり、一利用者としての目線で興味をそそられるものがたくさん。

さて今回は3社の方々と面談。それぞれに得意分野が異なられるため、お話をするなかで、さまざまな知見にふれることが出来ました。残念ながら観光マッチングという面では、成約しそうなものはありませんが、1社とは今後一緒になにかできそうなことがあるという手応えがありました。ここでいただいたご縁を生かせるか否かは、自分たち次第。いい形で何か成果を出せると良いな、と思っています。

というわけで、今回も福岡商工会議所さんにたいへんお世話になりました。お声掛けくださり、ありがとうございました!

蕎麦猪口全種類撮り直し。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

蕎麦猪口全種類撮り直し。

現在、オンラインショップ「花祭窯 蕎麦猪口倶楽部」でご紹介中の蕎麦猪口。1997年に窯を開いてからこれまでにダンナ・藤吉憲典が手がけた文様は170種を超えます。

蕎麦猪口倶楽部 https://hanamatsurigama.com/

昨年から、蕎麦猪口全種類をあらためて見直し、写真に撮り直すプロジェクトを進めています。25年の間に生まれた蕎麦猪口のなかには、途中、作家の考えで「これはもう一度デザインし直そう」となったものも少なからず。そんな変遷も経ての、現在の「藤吉憲典が作る蕎麦猪口」の顔ぶれを一覧できるように「作り、撮る」プロジェクトです。あ、写真はプロにお願いしましたので、正確には「撮ってもらう」ですね。

嬉しいのは、これまでその場その場の必要に応じて自力で撮ってきた蕎麦猪口の商品写真を、まとめて撮り直していただいていること。蕎麦猪口のご紹介をスタートしたころは、何枚撮ってもうまくいかず、ものすごく時間がかかっていたのでした。そして、時間をかけたからといって、完璧な写真が撮れたわけではなく。今回ようやくすべての顔ぶれを、プロの手による揃った美しい画像でご覧いただけるようになることは、わたしにとってひとつの夢が叶う喜びそのものです。

すべての蕎麦猪口の写真を差し替えるには、また少し時間がかかりますが、アップ完了次第、あらためてお知らせいたします。蕎麦猪口ファンの皆さま、どうぞお楽しみになさってくださいね。

雪が舞う日は、家のなかでじっくり仕事。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

雪が舞う日は、家のなかでじっくり仕事。

この冬一番の寒波とのニュースに戦々恐々。寒いの苦手なのです。でも佐賀の花祭に住んでいた時には、里山の自然はもっと厳しかったのでした。1月~2月には最低気温がマイナス5度なんてことは珍しくなく、雪が降ればあっという間に積もってなかなか溶けず、軒先には立派なツララが…という感じ。それに比べたら、津屋崎の冬は過ごしやすく。ちなみに上の写真は昨年の雪の日の様子。今回は気温は低いものの、それほど雪は積もっておりません。

とはいえ、強風と雪で外に出るのが危なさそうなので、お茶のお稽古をお休みして、事務仕事を片付けることに。花祭窯は個人事業主なので、ちょうど12月末決算を受けての確定申告準備シーズンで、やるべき仕事は盛沢山です。

まずは「To Doリスト」を作成。時間的に優先順位の高いものをまず済ませたら、そのあとは手に付けやすいものから黙々と。とにかくリストをひとつでも減らしていくことを自分に課していくやり方は、ふだんはまず「やりたい仕事」にゆっくり時間をかけることを優先しているわたしにとっては、ちょっとしたエクササイズのように感じられます。これはこれで達成感があって面白く。次々と達成感を味わうために、リストアップする仕事はできるだけ小さく分けて項目化するというのも、コツですね。

お天気という外部環境に合わせて仕事の仕方を自由に変えることが出来るのも、自営業ならでは。つくづくありがたい働き方だと思います。今週後半は外での仕事が入っているので、少しでも寒さが緩んでくれたらいいな、と思いつつ。