藤吉憲典の中国茶器。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の中国茶器。

2018年はスタートから台湾、そして上海と、中国茶の文化に触れてきました。そこには感謝しきれないほどのご厚意やご協力があって、なんといってもその方々の伝統文化や芸術に対する熱い想いがありました。

これは必ず形にしなければならない、形にしたい!ということで、ようやく一つの形になったのが、写真の揃いです。

染付龍文中国茶器揃 藤吉憲典

藤吉憲典の中国茶器。

これがスタート。

もっともっと形になっていくことでしょう(^^)

 

藤吉憲典の野薔薇香合。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典の野薔薇香合。

古伊万里の古典文様からの「写し」文様が多い藤吉憲典のやきものですが、長く続いている人気のオリジナル文様がいくつかあります。今回ご紹介している野薔薇(野バラ)文様は、そんなロングセラー文様のなかのひとつで、つくり手もわたしも、とても気に入っているもののひとつです。

藤吉のオリジナル文様の一番の特徴は、それが「身の周りにある自然の風景」のなかから生まれていること。この「野バラ」も、佐賀に居たころ春になると山にたくさんつぼみがついて、花が開くのが楽しみだったものです。

野バラの花の小ささとマットな白色と、花が開いてから次第に現れてくる薄桃色に惹かれます。野性味を感じるトゲや蔓状の茎も魅力です。それらの魅力が詰まったのが、この香合。

香合と名前はついていますが、中にしまうものは何でもOKです。あなたなら、なにをしまいますか?

 

お茶を習う楽しみ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

お茶を習う楽しみ。

月に2回ほどの茶道のお稽古。南方流に入門してから5年以上が過ぎました。先日、お稽古に行ったときにつくづくと感じたことは、わたしはこの場所に来るのが好きなのだなぁ、ということ。

お茶を習う動機は人それぞれにあると思います。わたしもそもそもの発端は「陶芸家の嫁になったから、知っておいた方がいいかな」という、どちらかといえば義務感からでした。スタートは裏千家の先生についていましたが、妊娠出産をきっかけにしばらくお休み期間があって、福岡への転居もあって南方流で再スタート。

再スタートの時も、義務感とまではいかないものの、仕事の意識が強かったように思います。それが5年を経た今では、純粋に「習いたい」「お稽古に行きたい」という欲求に。この変化は何だろうと、ちょっと考えてみたのでした。

その要素はいろいろとあるのですが、わたしにとって一番大きいのは、そこに集う「人」の魅力であることに、あらためて気づきました。「こんなふうに齢を重ねたい」と感じる先生方が、男性女性問わず何人もおられるのです。

自分の近い未来を重ねて憧れる存在があることが、気持ちの拠り所になるという経験を、お茶のお稽古を通してしています。こういう場所を持つことができるのは、ありがたいことですね。

 

大人の社会科見学。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

大人の社会科見学。

写真は「大人の勉強会」のようすですが、本日の話題は「大人の社会科見学」。

身近に自営業をしているお友だちが比較的多く、お仕事の様子を垣間見ることができる機会がときどきあります。自分たちの業界とはまったく異なるお仕事のようすを拝見するのは、いわば社会科見学。昨今、一般に向けた工場見学がブームであるという記事を少し前に読みましたが、大人になって工場見学に行く人の気持ちがよくわかります。

先日は、設計事務所を営んでいるお友だちの仕事を見せていただきました。出来上がった建築物を外から中から拝見し、たくさん質問して、いろんなことを教えていただいた、貴重な時間となりました。現場でプロに質問できるなんて、贅沢ですよね。

異業種だからこそ知らないことばかりで、いろんなことが新鮮であるのはもちろん、職業を持っている今だからこそ、自分の職業と照らし合わせて疑問に思うことがあったり、共感できる部分があったり。ただ興味があるというレベルを越えて、生かせる学びの大きさを思います。

こういう機会を気軽に持てるのも、自営業者の愉しみ。「大人の社会科見学」シリーズ化できたら面白いだろうな、などと思いつつ。

 

合唱コンクール。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

合唱コンクール。

写真は福津市の複合文化施設カメリア図書館のパンフレット。図書館と歴史資料館とホールが同じ敷地内にあります。いわばこの町の文化の集積地(となるべき場所)。

中学校の文化祭のメインイベントは、合唱コンクールです。中学校のすぐ横にあるのが、その「カメリアホール」なる文化施設。そこにはちゃんとしたコンサートホールがあります。中学生の合唱の発表がそのホールを使っていると知って、中学生にとって好い機会になるだろうな、と思いました。

音楽やダンス、演劇などの習い事をしていない子どもにとって、ほんもののホールのステージに立って発表をする機会はなかなか無いもので、小学校までの「体育館の舞台で発表」とは気持ち的にもずいぶん違うのかしら、などと思いつつ。

さて当日。客席に入ると、最後尾3列を除いて椅子は中学生と先生方で埋まっており、空席はおろか、立ち見の場所さえ確保が難しい状態。保護者や地域の人たちがゆっくり観ることのできる環境がありませんでした。そのうえ「自分のお子さんの発表が終わったら、次の方と入れ替わってください」という方式。

スペースの関係上仕方のないこととは理解しつつ、場所は体育館であっても、いろんな人がいろんな学年の子どもたちの発表を観ることのできた小学校の文化祭が懐かしく思われました。

思いがけず「地域で身近に文化・芸術を楽しむ機会」について、考えさせられました。

 

王丸屋で「英語DE音楽」

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

王丸屋で「英語DE音楽」

王丸屋(おうまるや)さんというのは、花祭窯のご近所にあるコミュニティスペース。正式名称は「みんなの縁側 王丸屋」ということで、文字通り広い土間が地域に開かれているスペースです。

いろんなイベントや教室など、さまざまな催し物が開催されるこの場所で、新たに「英語DE音楽」がスタートするというので、参加してみました。原則的に、これから毎月第3木曜日の19時~20時開催だそうです(^^)

指導してくださったのは、「ミセス・スミス」の愛称で慕われているバイリンガルのスミス婦人。第1回目の昨晩は、ジャズのスタンダート「Fly Me To The Moon」にチャレンジしました。

特筆すべきは「発音へのこだわり」でした。ミセス・スミス曰く、「上手にではなく、格好良く歌えるようになりましょう!」ということで。今回は日本人の発音苦手ポイントのひとつ、「L」と「R」にスポットをあて、発音の際のコツを学び、発音練習をした後に、いざ歌へ。

発音に気をとられると音楽について行けず、音楽に乗ろうとすると言葉がうやむやになり…なかなかの修業です。が、月に1曲、カッコよく歌えるようになれば、1年間で12曲歌えるようになる!?計算です(笑)とりあえず歌詞を目の前に貼って、日々練習してみようと思います。

「みんなの縁側 王丸屋」津屋崎方面お越しの際は、ぜひサイトチェックして、お目当てのイベントや講座にもご参加ください。より「津屋崎っぽさ」を満喫していただけることと思います。

 

二カ月間の隣人。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

二カ月間の隣人。

今日はインドからの留学生モナちゃんが、母国に帰る日。

約2か月前、滞在するゲストハウス=我が家から徒歩15秒(?)に到着したものの、「ガスコンロが点かず、炊飯器も使えない!このままではご飯が食べれない!」状態であると聞き、見に行ってこういう時頼りになるご近所さんたちに相談。使っていないガスコンロと炊飯器を調達したのが、モナちゃんとの出会いでした。

落ち着いてからメッセージでお礼を言ってくれたモナちゃんが「あなたの家は近いですか?」とたずねたので、「今、ゲストハウスの2階から海側の窓を開けて見てごらん!」といって、我が家の玄関先からその窓に向かって手を振ったら、大笑いして喜んでくれたのでした。

到着後数日で企画した「Potluck Party=持ち寄りパーティー」の仕組みがとっても気に入って、「ここに居る間にたくさんこれをやりたい!」と。お友だちがお友だちに声をかけ…の連続で、ステイ先で開かれた持ち寄りパーティーに参加した延べ人数は果たして何百人になったのやら(笑)赤ちゃんから人生の大先輩まで、文字通り老若男女が彼女の周りに集まった2カ月間でした。

その一方で、彼女は母国に帰るという現実。「こんなに安心して暮らすことができるなんて、夢のようだった。わたしはもうすぐ夢から覚めてしまう」という言葉が、彼女の母国の抱えているものを物語っていて、日本で津屋崎でこうして暮らしている毎日がとても恵まれたものであることをあらためて思いました。

写真は今朝の花祭窯の庭。昨日まで雨の予報はなかったのに、昨晩から今朝にかけて、しとしと雨。

 

書道部で思う「ことばの力」。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

書道部で思う「ことばの力」。

この春からスタートした書道部@花祭窯、楽しんでいます。「ガンガン上達したい!」というのでなければ、月に1回の書道というのは思いのほか「良いペース」であることを実感しています。(ガンガン上達したい方は、毎日5分でも半紙に向かうと良いそうです^^)

「今日は何と書こうか」と考えるところから、書道の愉しみがはじまっています。月1回のペースなので、わたしにとっては「今月のひとこと」的な位置づけ。とはいえ、なにか教訓的めいた言葉を考えるわけではなく、ほとんどがその時にふっと頭に浮かんだものです。仕事場に毎月貼り重ねています。

先月は、禅語「本来無一物」から「無一物」。「本来無一物」は2年以上前に福岡藩主黒田家の菩提寺・崇福寺さんで出会った禅の言葉。仕事上判断に迷ったときにこの言葉が視界に入ってくると、すっと迷いがとれる凄い言葉なので、わたしのデスク周りには、この言葉が自分に飛び込んでくる仕掛けをいくつかしています。

書道部@花祭窯

そして、がらりと変わって今月(昨日)は、たまたまラジオから野宮真貴(ピチカート・ファイブ)さんの声が聞こえてきたので「万事快調」。

書道部@花祭窯

「万事」と書きはじめたら、周りから「休す!?」と声が上がりましたが、いえいえ「快調」で参ります(^^)

自分の気分で選び、書くことば遊びの面白さ。月一書道、おすすめです。

 

藤吉憲典のチューリップ。

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

藤吉憲典のチューリップ。

古伊万里に見られる古典文様の写しを発展させることの多い文様のなかにあって、上のチューリップ文様は藤吉憲典のオリジナル。ただ、古いものにチューリップの文様が全くなかったかというとそうではなく、肥前磁器にもいくつかの古典文様が残っています。

画質が荒いですが、下の写真、真ん中のマグカップの文様が、古典的なチューリップ文様。もともとは皿に描かれていたものを、マグカップの文様に仕上げたもので、オリエンタルな雰囲気です。

マグカップ 藤吉憲典

チューリップがオランダで大ブームになったのは17世紀。日本には江戸時代後期に渡ってきたと言われていて、時代的には肥前磁器の歴史にも重なっているので、チューリップ文様があるのも不思議ではありませんが、ヨーロッパからのオーダー品に描かれたのが最初だったのかもしれませんね。

そして、↓こちら↓が、藤吉憲典オリジナルのチューリップ文様。

藤吉憲典 チューリップ大皿

文様自体はオリジナルですが、デザイン的には古伊万里の文様のパターンをきちんと継承しているため、古典文様といってもばれないかもしれません(笑)長いこと染付文様のチューリップだけだったのですが、「赤絵も見たい!」という声に応えて、今回作ってくれました。

期待以上に良い雰囲気に仕上がりました(^^)

 

カルメン

こんにちは。花祭窯・内儀(おかみ)ふじゆりです。

カルメン

写真は昨日(2018年10月12日)アクロス福岡で上演された『カルメン』のプログラム。観てきました。わたしにとっては初オペラ、初カルメン。

明治ブルガリアヨーグルトスペシャル
ブルガリア国立歌劇場 ビゼー「カルメン」
プラーメン・カルタ―ロフ版

カルメンといえば赤い薔薇、運動会っぽい音楽がある…というほどのイメージしかもっていなかった素人です(笑)今年に入ってなぜか仕事中のBGMにビゼーのカルメンが流れることが増えていたところに、アクロス福岡での公演情報。

すばらしく魅力的なカルメンでした。声も発するセリフも、これは人生を惑わされても仕方ないな…と思えるカルメン。そう感じるかどうかはひとつには個人的な好みもあるとは思うのですが、演じていたゲルガーナ・ルセコーヴァさんのプロフィールにあった「哀愁ある妖艶な声」の形容に納得。

佇まいがまた魅力的でした。「立っているだけでカルメン」とはこういうことかと、素人ながら考えたりしながら、これまた彼女のプロフィールにある「役柄への追求と洞察は、他の追随を許さない」の紹介文に大きくうなずき。約3時間の上演時間中、すっかり虜に(笑)ドン・ホセ、ミカエラ、エスカミーリョと、他の登場人物ももちろん素敵だったのですが、わたし個人的には「カルメン一人勝ち」の舞台でした。

今回の講演は日本公演を意識しての新演出版だったそうです。ギリシャ古典劇と日本の能に着想を得たということで、舞台セットも非常にシンプルでしたが、それがまたカルメンという人物そのものを際立たせたのかもしれませんね。

素晴らしい初オペラ体験となりました。早くも次の機会を物色中です(^^)