令和3年度郷育カレッジ開校式がありました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

令和3年度郷育カレッジ開校式がありました。

福津市の生涯学習の仕組み「郷育カレッジ」。郷育(ごういく)カレッジとは、福津市民と福津で働く人のための生涯学習の仕組みです。運営するのは、福津市役所の郷育推進係と、ボランティアスタッフの郷育運営委員。毎年100講座近くを開講する、他に類を見ない市民カレッジで、本年度19年目に入ります。講座運営をサポートするボランティアスタッフとして、わたしも参加しています。

過去記事:福津市には「郷育カレッジ」があります

昨年はコロナ禍で開校式は中止、7月と8月に予定されていた全講座が中止になり、9月以降も感染症防止対策の観点で中止となった講座がたくさんありました。令和3年度は、コロナ禍でも開催できる形式での講座を増やすなど、カリキュラム編成の初期段階から「いかに休講を回避しつつ、安全に開催するか」の議論を重ね、準備いたしました。

先週末7月10日(土)の開校式は、会場・スタッフとも感染症対策を万全にして臨みました。2年ぶりとあって、参加する皆さんの晴れやかなお顔が印象的でした。学びの場所に集う喜びがあふれていて、とても嬉しくなりました。開校式記念の公開講座は、放送大学さんとのコラボレーションが実現。郷育カレッジとは規模はまったく違いますが「生涯学習」推進を標榜する点では志は同じです。

令和3年度郷育カレッジ開校式 放送大学コラボ公開講座『地域でゴー!自分の健康づくり 生活習慣病とお口の健康』福岡歯科大学客員教授樗木晶子先生のお話より、以下備忘。


  • 成人病ではなく、生活習慣病→一次予防(未病)。
  • 健康寿命。
  • 肥満度判定(BMI)はあくまでも参考。理想体重=身長が止まったころの体重。
  • 「よく噛む」の効用。
  • 定期的な歯科検診の効用。
  • 歯ブラシの選び方、歯ブラシの当て方・動かし方、歯磨きの順番とポイント。
  • 顎関節症→歯科医院。

90分ほどの講演でしたが、先生の語り口のわかりやすさと実践的な内容で、参加者の皆さんが熱心にうなずきながら聴いておられる姿が印象的でした。歯磨きの仕方についての図解が配布資料に含まれていたり、家に帰ってすぐ実践できる学びとなりました。

個人的には、上に書いたような本題に入る前に、自己紹介で樗木晶子先生が語られた医学部のこと、大学研修医のこと、女性医師の社会的立場やキャリア形成の実際、現場での実態などのお話が、とても興味深かったです。大学病院という男性社会で長くキャリアを積んでこられたご本人だからこそ、おっしゃることのできる内容だと思いました。

ともあれ、令和3年度の郷育カレッジもスタートです。来年3月末までに84講座が開講されます。開校式の開催で素晴らしいスタートが切れたことが、スタッフの一人としてとても嬉しい週末でした。

STEAM教育って?の続き。

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STEAM教育って?の続き。

「STEAM教育」なる単語が気になったのがつい先日。さっそく本や雑誌などから情報を集めています。実は、昨日ご紹介した絵本『アートのなかでかくれんぼ』シリーズも、表紙の端の方に「STEAM教育のAをのばす!」と書いてありました。A=Artですね。「SDGs(持続可能な開発目標)」もそうですが、時流に乗る言葉(概念)は、すぐにこのように便利に使われるのですね(笑)。

さて調べ始めてすぐに「あら」と思ったのが、「STEAM教育」が提唱され始める前にはに「STEM教育」であったらしいということ。STEM教育が提唱され始めた後に「Artも必要だよね」ということになったのでしょう。ということは、やはりオードリー・タン氏が著書『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』で書いておられたように、今後は「+D」すなわちDesign(デザイン)の概念も加わるのでしょうね。上の写真は、その目次。

関連本を調べていて出てきた書籍のなかに、山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』(光文社新書)を発見。かの本は繰り返し読みましたので、なるほど概要がつかめたような気がします。『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』では、「STEAM」のなかでもとくに「A」が強調されていましたが、2019年に福岡市美術館で開催された講演会でのお話を合わせて考えると、「アートとサイエンス」というつながりが少し見えてきました。

次の段階としては「実際にどのような教育を、どのように実践するのか」が気になります。これについては、雑誌AERA(2021年2月1日号)に特集記事を見つけました。日本国内で実践している高校(・中高一貫校)の事例なども載っていて、興味深い内容でした。以下備忘。


  • 思考の「言語化」
  • 「知る」と「創る」の循環
  • 身体性
  • 五感を使って
  • 面白いからやる
  • 他者と協働できるコミュニケーション能力
  • 教科横断
  • 研究者であれ
  • 当事者意識を持って課題解決に挑める人材
  • STEAMライブラリー事業
  • オープンイノベーション

雑誌AERA(2021年2月1日号)より


国内で関連書籍や実行組織がさらに充実してくるのは、今からなのだろうと思います。またこれもSDGs同様ですが、そのような言葉や概念が無い時代から、すでに実践されていることはたくさんあって、そういうヒト・コトにスポットライトが当たってくるのだろうな、と思います。

読書『アートのなかでかくれんぼ1 ルーブル美術館でさがせ!』(フレーベル館)

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読書『アートのなかでかくれんぼ1 ルーブル美術館でさがせ!』(フレーベル館)ニコラス・ピロー作/木村泰司日本語版監修

とっても面白い絵本を見つけました。「世界的に有名な美術館蔵の作品のなかに、その美術館の人気者を紛れ込ませて探す」遊びの絵本。美術館版の「ウォーリーを探せ」と言えば伝わりやすいでしょうか。

現在3種類出ているシリーズものです。そのひとつめが、ルーブル美術館蔵のヒッポ(Hippo=カバ)を探せ!というわけで、思わず手に取りました。上の写真は、藤吉憲典の作るHippo。エジプトの遺跡から出土する副葬品(と考えられている)Hippoはロンドンの大英博物館にもありますし、キャラクターとして有名なのはニューヨークにあるメトロポリタン・ミュージアム(MET)です。

ルーブルに足を運んだのは、もう20年以上前になります。「ヒッポを探せ!」をやりながら、また行かねば!の思いも新たになりました。ヒッポ探しは比較的簡単にミッションコンプリート。

続く2作は、オルセー美術館バージョン。こちらでは「シロクマのポンポンを探せ!」になっています。オルセーには足を運べど休館中、ということが2回もあって、未だなかに入ったことがありません。日本で開催された「オルセー美術館展」には足を運んだことがありますが。

シロクマのポンポン探しは、ヒッポ探しに比べると、難易度がやや上がりました。少しづつ目が慣れていくので、焦らず取り組めば見えてきます。

実際にチャレンジしてみて(探してみて)、作品に目を凝らし端から端まで眺めるので、たしかに「見る」訓練になると思いました。が、同時に「一生懸命探す」と「絵や彫刻作品をじっくり見る」は同じではないとも思いました。美術鑑賞法のひとつとして楽しいのは間違いないので、「見る」練習としてプログラムを作るのは面白そうです。世の中のすべての美術館で、自館バージョンの「○○を探せ!」を作ったらかなり面白いことになるはずです。

作者のニコラス・ピローさんがどんな方なのか、調べることができなかったのですが、日本語版を監修した木村泰司さんは美術史家でいらして、著書を読んだことがありました。美術教育関連の本や絵本がどんどん出版される今日この頃ですが、久しぶりに純粋に面白がって読む(遊ぶ)ことができた絵本でした。

STEAM教育って?

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STEAM教育って?

「STEAM教育」なる単語が目につくようになったのは、わたしにはごく最近のことで、あまり気に留めていませんでした。が、先日読んだ『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)のなかにその概要を説明する一節を見つけました。途端に興味がわいてくるのですから、我ながらなんとゲンキンなのだろうと思います。

『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』によれば、S=Science(科学)、T=Technology(技術)、E=Engineering(工学)、A=Art(美術)、M=Mahtematics(数学)を総合的に学習することの重要性を説いたもの。最近はさらにD=Design(デザイン)を加えて、「STEAM+D」教育ともいわれるのだそうです。

この説明を見たときに思い浮かんだのは「リベラルアーツ」でした。リベラルアーツの起源は、自由七科「修辞学」「論理学」「文法学」「数学」「幾何学」「天文学」「音楽」からなる、幅広い内容だと言われています。日本語では「教養」とされることが多く、その「教養」がさらにさまざまに解釈されています。個人的には「リベラルアーツとは、人間の思考基盤となる基礎学問や教養」というような説明が、今のところ一番使いやすく感じています。

少々乱暴な解釈かもしれませんが、「STEAM」教育とは、デジタル時代となった現代におけるリベラルアーツなのかしら、と。「STEAM+D」教育の重要性を説明するオードリー・タン氏のことばが、とても理解しやすかったので、以下に共有しますね。


  • サイエンスやテクノロジーをイノベート(革新)していくためには、創造性が不可欠なのです。
  • 根幹は科学と技術(SとT)にあります。(中略)それはソーシャル・イノベーションの出発点となる場所であり、ここから社会は発展していくからです。
  • 科学技術では解決できない問題に対処するために美意識を養う
  • 直面した問題が非常に大きかったり、複雑だったり、たとえば気候変動のような問題に対処する場合に、サイエンスやテクノロジーのような直線的な思考だけで問題を解決することは、不可能です。
  • そうしたときに、既存の枠から飛び出すことや、創造力を発揮することが非常に重要になります。
  • プログラムをどれだけ上手に描けるかどうかは、母国語の運用能力がどれほど優れているかにかかっている
  • デジタルの時代になればなるほど、文学的素養は欠かせず、重要性を増すのです。

『オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る』(プレジデント社)より


「STEAM+D」教育に関する情報に、これからちょっと注意を払っていきたいと思っています。

あらためて文様について調べるきっかけ。

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あらためて文様について調べるきっかけ。

肥前磁器、なかでも特に蕎麦猪口の文様の多様さ面白さに惹かれて『蕎麦猪口の文様小話』なる小冊子をつくり自費発刊したのは、2004年のことでした。こんなマニアックな小冊子、欲しいと言ってくれる人がいるのだろうかと思いながら、当時発行していたメールマガジン「蕎麦猪口蒐集」の読者の方々に喜んでいただけたら、と作ったのでした。

そんな、わたしにとってのライフワークのひとつでもある「文様」について、久しぶりにたくさん質問を受ける機会がありました。理解していること、覚えていること、きちんと説明できることがある一方で、「あれってどうだったかしら?」ということも少なからずあり、あらためて調べ直すきっかけとなりました。「他者に伝える」のは、自分にとって最高の学びになりますね。専門家としていい加減なことは言えませんので、ひとつひとつ資料にあたることになります。

資料を開けば「ああ、そうだった!」ということや「あれ、今まで気が付かなかった!」というものがどんどん出てきます。そういえば17年前もさまざまな資料にあたりました。やきものや肥前磁器の古い文献資料・研究書・学術書はもちろん、着物など他の伝統工芸における文様の資料、はては歳時記や植物図鑑、江戸時代の風俗文化に関する本まで。

今は、手元に持っている資料も、どこに行けば関連資料を手にできるかという知識量も、当時より増えていますので、さらに調べ甲斐があります。文様について調べ直しまとめ直して形にすれば、単純に文様の知識として便利だというだけでなく、陶片ミュージアムを解説する資料としても価値が生まれそうです。

ということで、17年ぶりに「文様小話」を作り直すことに決定。タイトルは変わると思いますが。そして、単に知識を調べて集めるだけではなく、諸説に対するより深い考察をして、自分なりの解釈を展開することができるのではないかとも思います。年内に完成するといいな、と思いつつ。きっかけとなる「たくさんの質問」を投げかけてくださったKさんに、心より感謝です。

津屋崎陶片ミュージアム@花祭窯、展示替え。

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津屋崎陶片ミュージアム@花祭窯、展示替え。

久しぶりに津屋崎陶片ミュージアムのお話。展示棚を変えたいな、などと思いながら、このところ放置状態になっておりました津屋崎陶片ミュージアム。ほぼ毎日海辺の散歩に出かけるダンナが、いいカケラを見つけては拾ってくる日常は変わりありませんので、日々陶片の数は増え続けています。

先日行われたメディアの取材に先立ち、ディレクターさんに肥前磁器の歴史と伝統文化、そして現代へのつながりを理解していただくのに、陶片を使って説明するとビジュアル的に説得力もあり、とてもわかりやすいということが判明。

簡易的なものながら、キャプションパネル(文字による説明)も新しく作り直し、肥前磁器作家・藤吉憲典に、今回の番組テーマにおススメの陶片を選んでもらいました。大量にある陶片のなかからの、ほんの一部を選りすぐり。テーマによって、どんな陶片をどう見せるかは変わってくるので、やはり定期的な展示替えも必要だなぁ、などと思いつつ。

津屋崎陶片ミュージアム@花祭窯

津屋崎陶片ミュージアム@花祭窯

津屋崎陶片ミュージアム@花祭窯

「いずれはこんな風に展示したい」の陶片展示イメージが頭の中にあります。お手本は、東京出光美術館の陶片室。保存収納と展示を兼ね備えた引き出し式の展示棚が秀逸で、これを花祭窯のギャラリースペースに収まるサイズで作ってもらえたらいいなと妄想しています。

誰に向かって書いているのか。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

誰に向かって書いているのか。

ゴールデンウィークも本日まで。とはいえ、ほとんど通常通りに仕事をしていたので、あまり「休みが終わってしまう!」という感じはありません。自分のペースで日々を淡々と重ねることができるのは、自営業・自由業の良いところだと思います。

ここ数日は文章仕事に勤しみました。いつものこのブログと、あらたに書き始めたオンラインショップ花祭窯蕎麦猪口倶楽部用のブログと、メールマガジンと、依頼されている記事と…。文章を書くことは全く苦にならないどころか、とっても楽しいので、いい仕事をしているなぁとつくづく思います。文章仕事のご依頼ご相談、随時募集中です^^

さてブログ。つい先日、気のおけない友人から「ずっと書いてるよね、誰が読んでるの?」との厳しい質問(笑)。SNSに「ブログ更新」とリンクを張ったりしていますが、賑わい感があるとはお世辞にも言えません。実のところ一番読んでいるのは、わたし自身です。過去を検索する際の備忘録として、とても助かっています。いわば「自分辞典」であり、基本スタンスは、最大読者である「わたし」が読みたいことを書くこと。

このブログのもうひとつの大きな役割は、仕事などで自己紹介が必要な時の、職務経歴書的な役割です。ここに目を通していただけば、どんな考え方をしていて、どんなことをしているのか、おおよそ理解してもらえるので楽々です。このブログが誰かの役に立っているか?と問われれば、まったくわかりません。ずっと前にそういう(人の役に立つ)ブログを目指したこともありましたが、そこを意識しすぎるとわたしは文章を書き続けることができないとわかりました。読んでくださった人のなかに、結果としてなんらかの気づきを得た!という方が一人でもいらっしゃったとしたら、それはとっても嬉しい副産物です。

そういえば『読みたいことを、書けばいい。』(ダイヤモンド社)を読んで、「書きたいことを書く」のと「読みたいことを書く」のとは違うのだと、ぼんやりながらも理解したのは、おおよそ2年前のことでした。「あとから読む自分」のために書く文章は、ほかの方にはわかりにくい(不親切な)文章になってしまっているかもしれませんが、「書きたいこと」から「読みたいこと」へと意識を向けただけでも、自分のなかでは進歩です。

先日来「オードリー・タン」についての本を数冊読みました。いわく、クリエイティブな判断をするためには「散歩、読書、睡眠」が大切な役割を果たすこと、情報はダウンロードとアップロードのバランスが大切であること、情報をアップロードするということはすなわちクリエイティブであり続けること…。凡人のわたしにできる「クリエイティブ」のひとつが、このブログを書き続けることなのだなぁ、と思っています。

「博物館が、人を育てる。」に参加して。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

「博物館が、人を育てる。」に参加して。

九州産業大学美術館から、令和2年度文化庁「大学における文化芸術推進事業」実施報告書と、先日の国際シンポジウムの報告書が届きました。わたしは外部からの一参加者にすぎませんが、毎回丁寧に対応してくださる主催者である先生方のお心遣いに、感謝の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます。

2016年から「学芸員技術研修会(テクニカルコース)」に参加し、学芸員に必要な技術や最新の知見を、専門分野の先生方から学んできています。同時に「地域社会における博物館の役割」を考えるカリキュラム(セラピーコース)への参加も実現しました。2018年に「博物館と高齢者の健康・幸福感」のテーマでスタートしたセラピーコースでしたが、2020年のコロナ禍によって、より緊急かつ重要な課題として「博物館と健康・幸福感」が差し出されたように、わたしは感じています。

今回手元に届いた報告書では、2020年度に実施された講座内容と、その総括的な位置づけとなる国際シンポジウムの内容が文字になっています。シンポジウムにはオンラインで参加をしましたが、そのときには英語での発表など聞き取れなかった内容もありましたので、振り返り学ぶことができる材料が手元に届いて助かりました。期間限定ではありますが、シンポジウムの様子をYouTubeで見ることもできます。

2021九州産業大学国際シンポジウムの録画【4月30日まで】

「社会教育現場としてのミュージアム」「地域におけるミュージアムの役割」を考えること、「ミュージアム」を「アート(美術)」と置き換えて、「社会教育現場におけるアート」「地域におけるアートの役割」考えることは、すっかりわたしのライフワークになっています。これからもたくさん勉強し、考え、少しづつでも地域社会に還元していきたいと思います。

「額装」という選択肢もありました。

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「額装」という選択肢もありました。

友人が好きな絵画のポスターを購入し、額装して飾ってみたという話を聞きました。写真で見せていただいたところ、絵と額の雰囲気がぴったりと合っていて、とっても素敵です。そういえばわたしも若い頃、美術館で好きな絵を見つけては、ミュージアムショップで少し小さめのポスターや絵葉書を手に入れ、額に入れて飾って楽しんでいました。

自分にとって特別なものを額装して飾ると、さらに特別なものになる。「額縁」にはそんな力があるように思います。高価なものである必要はありません。飾りたいものの雰囲気、飾る場所の雰囲気に合えば、そして自分が「よし!」と思えば、それでOK。今はインターネットで検索すれば、素材も大きさもさまざまな額縁が見つかります。もし、飾りたいもののサイズや雰囲気に合う額縁がうまく見つからないときは、専門の額縁やさんで、飾りたいもののサイズに合わせて作ってもらうという手もあります。

画、写真、書…平面作品ならなんでも、それがコピーの印刷物でも、雑誌の切り抜きでも、自分にとって大切なものならば、額縁の力を借りてみる。大切にしたいからといって、しまい込んでしまったら、本末転倒。美術館博物館であれば「保存」も大切な仕事ですが、個人で楽しむならば、飾って、いつでも見れるような状態であるのが一番良いと、わたしは思います。

というわけで、わたしも久しぶりに額装してみました。息子が小学生の時に作った版画です。額縁は、家にあった市販の普及品。ちょうどいい感じにサイズを合わせることができたので、ラッキーでした。

地域での社会教育はつながりが大切で、実際につながっていくことが多い。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

地域での社会教育はつながりが大切で、実際につながっていくことが多い。

と、タイトルを書いて、あれ?なんだか既視感(笑)。ブログ内検索をしたら、ちょうどひと月前に「目的・内容・方法…社会教育・生涯学習を考える。」のタイトルでブログをアップしていました。

わたくし事ではありますが、息子がこの春「義務教育」を終えます。ここまでの9年間は、「文部科学省の決めた学校教育」を中心とした学びの場であり、ここからは「自らの選択による学び」のスタート。日本国内で公立の高校・大学と進学していく限り、「文部科学省の決めた学校教育」の延長にあることは否めませんが、「自分で選ぶことができる」範囲が広がるのは、これまでとの大きな違いです。

本日のタイトル「地域での社会教育はつながりが大切で、実際につながっていくことが多い」というのは、なんだか漠然とした表現ですが、息子の義務教育期間に重なるここ10年ほどの実感です。「つながり」って「何と何」のつながり?への答えとしては、人と人、地域と学校、民間と公的機関、世代と世代…多方面にわたる組み合わせが考えられます。無限に広がりますね。

その根底には「学校教育と社会教育の自覚と違い」があると、わたしは考えています。学校でできることと、学校じゃないからできること。それらが両方あってこそ、子どもたちに、ひとつでも多くの学び・体験・居場所を提供することができる。それは子どもにとってだけでなく、その周りにいる大人たちにとっても大切な機会になっています。

ここ福津市では、地域の子どもの教育を考える任意団体「次世代教育推進協会」が昨年8月に発足しました。学校・地域・習い事教室などが連携して、子どもたちの「やりたい」「知りたい」に応える機会を提供していくための、有志の集まりです。設立趣旨に賛同し、わたしも参加しました。一方、長くかかわってきている福津市の生涯教育システム「郷育カレッジ」は大人の受講生が多く、その方々に向けた講座が多いです。子どもたちに目を向けた「次世代教育推進協会」と「郷育カレッジ」の精神がつながることで、新たに生まれるものがあるのではないかと、ワクワクしています。