サイレントオークションに行ってきました!

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

サイレントオークションに行ってきました!

福岡市地行浜(ヤフオクドームの近く)にあるみぞえ画廊さんで開催中のサイレントオークションに出かけてきました。

オークションというと、映画のワンシーンにありがちな場面が思い浮かびますよね。オークション会場に入札希望者がワイワイと集まり、オークショニアの弁舌にのせられて価格が吊り上がり、最後は二人が競り合って、ついに買い手が決まるとハンマーの音が鳴ってお仕舞い‥というような。

「サイレント」の場合は、その「音」がありません。今回のみぞえ画廊さんの場合は、会期中の好きな時間に画廊を訪問し、オークション対象の作品を閲覧したうえ、欲しいものがあったら「入札希望価格」を申し出て、残してきます。すでに入札者がある場合は、金額がついているので、欲しい場合はより高い金額を提示。会期終了時に、それぞれの作品の最高価格をつけた人が購入権を得るというもの。

最低価格1万円からの小品版画など、購入を検討しやすいものが多数ありました。すべての作品に、スタート価格(最低価格)と即決価格が提示されていました。その即決価格も極端に高いわけではなく、作品が動きやすそうな値付けがしてあることに、感心しました。そして、実際にけっこう動いていました。

聞けば、みぞえ画廊さんのサイトでオークションのことを知ったという、比較的若い方、若いご夫婦の参加がけっこうあったということで、生活のなかにアートをとりいれる習慣が少しづつ広がりつつあることが伺えました。

かく言うわたしは、気になった作品が3つ。ひとつは既に即決で購入者が決定しており、もうひとつは一人入札価格を付けている方があり、もうひとつはまだ誰も価格を付けていないものでした。

結局、決めきれずにいったん帰宅。 会期終了までに「やっぱり欲しい!」と思ったら、オークションに参戦してこようと思いますが、観に行ったからと言って、欲しいものが無ければ入札する必要は全然ないのです。あくまでも「欲しいもの」があったら、入札。なので、興味のある方は、こういう機会にぜひ足を運んでみることをおすすめします。楽しいですよ(^^)

美術探検!スクールプログラム。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

美術探検!スクールプログラム。

先日、ギャラリーでの対話型鑑賞プログラムをリリースしたばかりですが、このたび、スクールプログラムをリリースいたしました。

先生・生徒・PTAの皆さんにも楽しみながら「美術体験」をしてもらうプログラムです。美術系のワークショップというと、なにかを描いたり作ったりという「図画工作」が多いのですが、実は「苦手意識」がある人も少なくないのが現状です。

そこで、得手不得手を問わず美術の愉しみを体験してもらうプログラムとして「美術探検!スクールプログラム」を作りました。

  • 生徒の授業の一環として、総合的な学習の時間のプログラムに
  • 先生方の職員研修の一環として
  • PTAレクレーションのひとつとして

楽しく活用できるプログラムです。下記よりダウンロードできます。

お問い合わせ・資料送付のご希望は、お気軽にどうぞ。

mmaa連絡先

ときどき、歴史資料館。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

ときどき、歴史資料館

近所の行きつけカメリアステージ図書館は、正式には「福津市複合文化センターカメリアステージ」といって、そのなかに図書館と歴史資料館とがあります。

図書館が2階にあるので、中央の階段を上るときに1階の歴史資料館が自然と目に入ります。図書館に行くたびに、とってもいいつくりだなぁ、と思います。

もし1階が図書館で2階が歴史資料館だったら、図書館目当ての人は歴史資料館にわざわざ上って行こうとしないかもしれませんが、逆なので「ついでに見てみようか」という気持ちになるかな、と。

かくいうわたしは、ときどきこの歴史資料館をぐるっとまわって眺めています。展示室は、世界遺産群に登録された「新原奴山古墳群展示室」「歴史資料室」「通史展示」「特別展示室」からなっています。わたしが立ち寄るのは主に通史展示と特別展示室で、いわば「地元のお宝」を観ることができます。

なかでもお気に入りは古墳から出土した装飾品・装身具。出土品は全体的に茶色っぽかったり灰色っぽかったり、アースカラーとでも呼ぶべき色合いのものが多いなかで、「玉」とか「ガラス」とかの色とりどりのものが目に入ると、それだけで華やかな気分になるから不思議です。

願わくば、これらの通史展示・特別展示室も、ときどき展示品の入れ替えをしてくれたらいいのになぁ、と。同じものを何度も見るのは、それはそれで楽しいのですが、福津市の文化財史料がたくさんあるのは知っているので、毎月とは言わなくても、せめて四半期に一度くらい入れ替えがあると、もっと嬉しいなぁ、と。せっかく素敵な箱ができたのですから。

頭にあるイメージを絵にする。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

頭にあるイメージを絵にする。

夏休みのお終いが徐々に近づき、息子が美術の宿題に四苦八苦していたので話を聞いてみたら、その宿題は「秋の合唱大会で歌う曲のイメージを絵にする」というものでした。

風景画や静物画のように、目の前にある姿形を写し取って描く絵ならば、ある意味作業として進めることができますが、曲や歌詞からイメージして絵を描くというのは、たしかにもうワンステップ必要。

自分の描きたいイメージをどうしたら紙の上に落とし込むことができるか。ビジュアルイメージが写真のように明確に湧いてくるタイプの人は、すぐに描きはじめることができるかもしれません。ダンナ・藤吉憲典は、そのタイプ。

一方、描きたいイメージを言葉で説明することはできるけれど、それをどうしたら1枚のビジュアルに落とし込むことができるか、すんなりといかないタイプの人もあり、わたしはそちら。イメージを言葉にし、それをもう一度ビジュアルに置き換えるという作業が脳内で発生します。息子もどうやら、言葉に置き換えるところまではうまくいった様子。

言葉からすんなりとビジュアルに置き換えられないときは「すでにあるもの」の手を借りるのが一番。幸い我が家には絵画集がたくさんあるので、それらをぱらぱらとめくり、自分のイメージに近い絵を探します。イメージとまったく同じものは無くても、部分的に合致するものは見つかるので、「この表現だ!」と思うものをいくつか選び出します。

あとはそれらを組合せ模写。「真似はダメ!」ではなく、まずは真似からスタート。古今東西の優れた画家は、たくさん模写をしています。構図、色使い筆遣い。たくさん真似してこそ、真似じゃないものを生み出すこともできるでしょう。それに、我々がどんなに真似したところで、持っている技術が違うのですから、独自性豊かなものに仕上がります(笑)

というわけで、息子も無事に宿題の絵を完成。部分模写したはずのお手本の絵からずいぶんと自然派生して、まったく別なもの=彼にしか描けないものが出来上がっていました(^^)

アートフェアアジア福岡2019

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートフェアアジア福岡2019

関係者でもなんでもないのですが、宣伝を(^^)

アートフェアアジア福岡2019

近年、日本各地でも盛んになってきたアートフェア。アートフェア東京がやはり規模的には一番大きいのだと思いますが、今回5回目を数えるアートフェアアジア福岡も年々規模が大きくなっています。

観に行く側としては、規模よりも質が気になるものですが、それは現地に足を運んでみないとわからないというのが実際のところ。これはどこのアートフェアでも同じですが、出展ギャラリーの数が多くても、質が比例するわけではないのが難しいところだと思います。でも、たくさんあるなかでひとつでも「お!」という作品に出会えたら、それだけでもラッキーですよね。

わたし個人的には、今年はプレイベントで寺田倉庫さんのトークイベントがあったり、山口周さんのトークイベントがあったりと、素晴らしい機会に参加することができたので、メインイベントであるアートフェアにもちょっぴり期待。ミヅマアートギャラリーさん(東京)と、みぞえ画廊さん(福岡)のブースはは必ず観たいと思っています。

当日お時間のある皆さん、ご興味があったらぜひ足を運んでみませんか。入場料(1日券1500円、フリーパス3000円)はかかってしまいますが、普段「アートギャラリーってちょっと入りにくい」と思ったり「アート初心者」を自認する方ほど、参加しやすい機会だと思います。

アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

アートギャラリーでの対話型美術鑑賞プログラム。

学芸員研修を通して美術館・博物館での教育普及プログラムを考えたり、美術館の常設展示を用いて対話型鑑賞をしてみたり、座学の講座形式で「対話型美術鑑賞」を解説したりしてまいりましたが、このたび「アートギャラリー向け」のプログラムを作りました。

アートギャラリーオーナーの皆さま、貴ギャラリーで扱っている作品(絵画、彫刻など)を題材に美術鑑賞ツアーを開催しませんか?

そもそもわたしの「美術はもっと身近に使える」という思いは、「鑑賞する」を越えて、もっと生活のなかにあたりまえに美術が存在して欲しいというものです。

そのためにも、まずは「鑑賞する」環境や習慣が自然に生まれることが一番。アーティストではない立場でアーティストの言葉を代弁してきたわたしとしては、美術教育で一番大切なのは、描くことでも作ることでもなく、まずは鑑賞することです!と、あえて言い切りたいのです(笑)

ともあれギャラリーで対話型鑑賞のツアーをすることは、参加する方が「自分のこととして、ひとつのアート作品に向き合う」絶好の機会となります。

採り入れてみたい!という方は、お気軽にご相談くださいませ(^^)

mmaa連絡先
https://fujiyuri.com/blog/meet-me-at-art/

福岡市美術館に行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

福岡市美術館に行ってきました。

今春リニューアルオープンした福岡市美術館に、やっと行って参りました。まずは2階の入り口につづく外階段エリアに、草間彌生の黄色に水玉のカボチャ発見。同じカボチャのキーホルダーを何年も前からリュックにつけているのですが、最近「これ知ってる!」と言われることが増えてきたのは、福岡市美術館リニューアル効果だったのかもしれませんね。

さて今回のお目当ては、新しくなったコレクション展示室。1階に古美術の展示室、2階に近現代美術の展示室。以前より、広く明るい雰囲気の空間になっていて、とても嬉しかったです。

古美術の展示室では、まず十二神将に出迎えられました。円形に配置された十二神将をぐるりと回って拝見。いいですね。続いての企画展示室では、グッドタイミングなことに田中丸コレクション「唐津と高取」を観ることができました。朝鮮唐津の徳利が特に良かったです。

松永記念館室では「松永耳庵(じあん)の茶」と題して、四つの茶席を再現した道具が展示してありました。床の間を模した展示スペースが良かったです。

2階の近現代美術展示室では、シャガールのニワトリがお出迎えしてくれました。休日の午後でしたが、観覧者はそれほど多くなく、じっくり見ることができました。常設の展示室はゆっくり観ることができるのが、なによりの魅力です。

コレクション展示室への入館料は、1階・2階含めて200円。展示室を出る前に「再入場したいのですが」と係の方に申し出れば、再入場用のハンコを押したチケットをくださいます。わたしは一度全部回った後に、再入場してシャガールをあらためてじっくり見てまいりました。

当日はあいにくの雨でしたが、館内にカフェスペースや、座って休憩できる場所があちこちにあって、ゆっくり過ごせそうです。コレクション展の展示入れ替えがあったころに、また訪問したいな、と思いつつ。

山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベントに行ってきました。

こんにちは。花祭窯おかみ・アートエデュケーターふじゆりです。

『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 山口周講演会 in 福岡市美術館 ART FAIR ASIA 2019 プレイベント』に行ってきました。

タイトルが長いですね(笑)

2017年に読んだ『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」で、考え方が近いと勝手に親近感を覚えていました。その山口周氏の講演が福岡であると聞いて、これは必ず行かねば!!と。

期待以上の面白さでした。福岡に呼んでくださった、アートフェアアジア福岡2019実行委員の皆さんに心より感謝申し上げます。ほんとうにありがとうございました。

以下、備忘。


  • 日本は「美」の発展途上国(後進国)である。
  • コンマリが評価されるということは、近代が終わったということ。
  • 人間が世の中に出す価値はなにか?
  • マーケティングルールよりも、感性に根差した提案が勝つ状態。
  • 役に立たないけど意味がある。
  • 文明(役に立つ) vs 文化(意味がある)
  • 個人にとっての「意味」→意味の多様化→いろんな種類の嗜好品が求められる時代。
  • 目線を鍛える。
  • キャパシティを上げる。
  • (論理ではなく)ビジュアルとストーリーで動かす。
  • 顧客との関係性における「意味」。
  • 個人的な喜怒哀楽に根差したものかどうか。
  • 本当に強く思っていれば、はるか遠くからでも見つけてくれる時代。


山口周さん、本を読んだ印象では、もっと厳しい感じの方をイメージしていたのですが、思いのほか柔らかい雰囲気をまとった方でした。きっと、このしなやかさこそが、芯の強さなのですよね。言葉の選び方、話題の運び方、質問者への対し方、どれをとっても知的でクールな物腰で、わたしもこんなふうに話せるようになりたいなぁ、と。

Twitterで「アートの英語」のお勉強。

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

Twitterで「アートの英語」のお勉強。

ようやく始めたTwitter。なかなか継続的な情報発信ができずに、どうしたものかと思っていましたが、情報を受け取る側で嬉しい使い方を発見。それが本日のタイトル「アートの英語のお勉強」です。今頃!?と思われる向きもあるかとは思いますが(笑)

写真は、ある瞬間のわたしのTwitter画面。上からグッゲンハイム美術館(ニューヨーク)ジョン・ポール・ゲティミュージアム(ロサンゼルス)と続きます。写真には写っていませんが、一番上にはテートブリテン・テートモダン(ロンドン)、一番下にはヴィクトリアアンドアルバート博物館(ロンドン)のツイート、スクロールすると、自然史博物館(ロンドン)MOMA(ニューヨーク)大英博物館(ロンドン)…と続きます。

気になるミュージアムをフォローしたらTwitterにどんどん「生きたアートの英語」が現れるので、思いがけず良い教材になっています。なるほど、こんな使い方があったか!と。文字数が限られているのが、隙間時間にちょこちょこ読むのにちょうどよい感じです。

学芸員技術研修会2019「展示グラフィック」

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

学芸員技術研修会2019「展示グラフィック」

7月スタート。今年度の学芸員技術研修会もスタート。本日の研修分野は「展示グラフィック」。長崎県美術館に行って参りました。

講師は株式会社ノイエ代表・熊谷淳一氏。マーケティングの観点を大前提とした デザインのお話は、とても面白く、今日からすぐに使える技術論も盛りだくさんでした。

以下、備忘。


  • 「もてなす展示」の見せ方、押さえどころ。
  • 誰のため?
  • (館、学芸員からの)メッセージとデザイン。
  • もっとも大切なのは「マインド」。
  • (ここに来ると)あなたの生活や人生の質が上がるよ!
  • 「どっちでもない60%の人」に、いかに働きかけるか。
  • 競合=「どこに時間を割くか」。
  • 情報は盛りだくさんに。
  • 感情に訴えるコピーとデザイン。
  • 数字「3」以上は意味・価値をもつ。
  • (お客さまにとっての)「メリットは何?」を常に持つ。
  • 具体的な行動を導く明確なオファー。
  • 資格・根拠・裏づけ。


あいにく終日の雨でしたが、お昼休み小雨になったので、屋上に上ってみました。長崎港を臨む景色に、気分もリフレッシュ。とってもいい環境で研修を受けることができました。

いつも素晴らしい学芸員技術研修会を企画してくださる九州産業大学の緒方先生、講師を務めてくださった株式会社ノイエ代表・熊谷淳一氏に心より感謝です!