読書『熱源』(文藝春秋)川越宗一著

こんにちは。花祭窯おかみ/アートエデュケーターふじゆりです。

読書『熱源』(文藝春秋)川越宗一著

いつものカメリアステージ図書館から。ゆるやかに川越宗一氏の著作追っかけをしていますが、先日読んだ『パシヨン』(PHP)川越宗一著が重かったので、少し時間を空けていました。とはいってもひと月も経っていませんが(笑)。ともあれ図書館の「か」の棚に行けば、同著者の未読本がまだ何冊も並んでいますので、心強いことです。本書は2019年直木賞受賞作。

今回はアイヌを登場人物の中心におき、サハリン/樺太の地を題材にした歴史小説。時代はやはり近代で、著者のこの時代への執着を感じます。地理・民族・文化・文明。文春のサイト「本の話」で紹介されているなかにある、作家・中島京子氏の書評が、そのまま本書のことを伝えてくれているように思います。

そこで語られていることは、いまを生きているわたしたちに「故郷」について、失われていく「文化」について、人の「帰るべき先」について、考えさせる。わたしたちが知っているかのように思っている歴史を、角度を変えて見せてくれるばかりか、いま、この世界を生きていくうえで、考えなければならないことに気づかせてくれる。

江戸末期、明治維新から現代にかけての近現代史を知ることは、今を生きている自分の足元を知ることだと、わたし自身、年を追うごとに感じています。今の世の中の動きを少しでも理解するには、その手前にあった近現代史をもう少し知らなければ、という焦りのようなものとでもいいましょうか。そんな気持ちに、たくさんのヒントを用意してくれている、川越宗一氏の著作の数々。これからも緩やかに追っかけ継続です。

『熱源』(文藝春秋)川越宗一著